写真:羽田 さえ
地図を見る高千穂の夜神楽には、神話をモチーフにした33もの演目があります。集落ごとに民家の一室や公民館などを使って夜通し行われ、見届けるのも一晩がかり。また季節は11月中旬から2月上旬頃と決まっています。
そんな中、パワースポットとして名高い高千穂神社では、季節を問わず夜神楽を体験することができます。境内にある神楽殿で毎夜20時から「高千穂神楽」が奉納されており、約1時間で4つの舞を見学できます。席は自由席で先着順に座っていくため、前の方で見たい場合は少し早めに行くのがおすすめ。受付開始は19時。事前予約制度はなく、神楽殿の受付で直接申し込みます。
写真:羽田 さえ
地図を見る見学席はシンプルな畳敷き。自前の座布団を持参する人もいます。近隣の宿に宿泊する場合は、宿で座布団を貸してくれることもあるので、事前に確認を。
神楽が奉納される「神庭(こうにわ)」の周囲には、白い紙を切り抜いた「エリモノ」が張られ、厳かな雰囲気です。
奉納される神楽は手力雄(たぢからお)の舞・鈿女(うずめ)の舞・戸取(ととり)の舞・御神体(ごしんたい)の舞の4つ。何だか難しそう、という心配は無用。受付で案内のリーフレットが手渡されるほか、開始前に簡単な物語の説明も行われます。
写真:羽田 さえ
地図を見る太鼓や笛の伴奏に合わせ、4つの演目が続きます。写真は2番目の「鈿女の舞」。天照大神(アマテラスオオミカミ)が身を隠したために世界が真っ暗闇になり、どうしたものかと思案しあう神々が集う中で、天鈿女命(アメノウズメノミコト)が舞を舞った様子を表したものです。神々も魅了されたウズメノミコトの美しい舞。女性らしいたおやかな動きですが、神楽の舞い手は、基本的にはすべて地元の男衆が務めるものとされています。
写真:羽田 さえ
地図を見る続いて「戸取の舞」が始まります。いよいよ隠れている天照大神に出てきてもらうべく、手力雄(アメノタヂカラオ)が天岩戸をこじ開ける物語です。手力雄の力強く勇壮な動きとともに伴奏の太鼓も盛り上がり、クライマックスを迎えます。ケタ外れの力で無事に岩戸を開き、世界に光を取り戻すことができるでしょうか。一同が固唾を飲んで、ゆくえを見守ります。
写真:羽田 さえ
地図を見る最後は「御神体の舞」。伊邪那岐(イザナキ)と伊邪那美(イザナミ)の夫婦神が酒を造って飲み、抱擁しあう仲睦まじい様子を、何ともおもしろおかしく演じます。見ている側も自然と笑顔がこぼれ、ほのぼのとして楽しい舞です。全編を通じて生き生きと描写される神々の様子はとても興味深いもの。ホリスティック、スピリチュアルというキーワードで語られる事も多い神話の世界は、何も知らなくてもシンプルに人の心をとらえて離さないものなのだ、と感じさせてくれます。
毎夜の開催で手軽に体験できる「高千穂神楽」、いかがでしたか。見どころが続き、あっという間の1時間です。静かで厳かな空気の境内にありながら、客席からは笑い声が上がることもあり、身構えることなくリラックスして楽しめます。高千穂神社の神楽殿で、伝統文化と日本の神話にふれる時間を過ごしてみませんか。
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この記事を書いたナビゲーター
羽田 さえ
こんにちは。国内は44都道府県(青森・秋田・新潟が未踏です!)を旅しました。海外は東アジアが多めです。旅先では、歴史ある建物や古い街並みを見て歩くことが大好き。素敵なホテルに泊まること、美味しいものを…
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(2025/1/19更新)
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