提供元:新光社刊「日本地理風俗大系 臺灣編」(1931)
地図を見る日本統治時代の蘇澳花蓮港道路。現在の蘇花公路(国道9号)和清(わせい)隧道坑口付近の写真で崖が大きくオーバーハングする様子がわかります。ここをバスが通行していたのです。断崖の高さは数百メートルから数千メートルに及び、現在の蘇花公路は写真の左(西)側を隧道(和清隧道)で貫通しています。
写真:飛騨屋 勘左衛門
地図を見る蘇花公路の和清隧道北方坑口付近から花蓮方に蘇澳花蓮港道路跡が海岸線に沿って分岐しています。雑草が繁茂していますが、舗装されていて歩くことができます(とはいえ、服装と靴はある程度汚れてもよいものがよい)。遠くに見える白い構造物は蘇花公路の落石除けのシェルターです。
写真:飛騨屋 勘左衛門
地図を見る蘇花公路にある駐車場兼展望台でトイレもある休憩所。ここには蘇花公路の建築史やこの付近についての案内板(ただし中国語と英語のみ)もあります。ただし、売店や自動販売機はないので、飲み物等は事前に購入し持参するしかありません。
写真:飛騨屋 勘左衛門
地図を見る蘇花公路の大清水隧道を花蓮港方(南方)に向かって望んだ写真。蘇花公路は幅員も十分な立派な道路で、一部は蘇澳花蓮港道路跡を利用しています。蘇澳花蓮港道路跡は隧道坑口付近から左へ分岐して断崖沿いに走っています。現在の蘇花公路は大型バスの通行も多く、歩道もないので歩行には十分な注意が必要です。台湾の道路は右側通行ということも常に念頭に入れておきましょう。
写真:飛騨屋 勘左衛門
地図を見る大清水隧道蘇澳方坑口から分岐する蘇澳花蓮港道路跡を辿ると、小規模ながら崖が崩れ、雑草のみならず灌木も目立つようになります。足元も悪条件になりますので、無理しないで安全な場所で引き返すことが肝要でしょう。前方には崖沿いに走る道路跡と素掘りの隧道が連続する様子が一望できます。大海原も忘れずに!ただし、高所恐怖症の方は十分ご注意ください。
文中でも記したように、この道路は現在廃道となっており、事実上放置されたまま(一部は見学ができるように整備されています)となっています。したがって踏査される方は十分注意した上で訪問しましょう。特に夏季は雑草や灌木がよく繁茂し、蛇等の出現も考えられますので、特に注意が必要です。
アクセスは鉄道ならば北側からは和仁駅、南側は崇徳駅から蘇花公路を歩くしかありません。両駅共に停車する列車が少ないので事前に調べておく方が安全です。タクシーをチャーターするのなら南側の新城(太魯閣)駅から利用できます(大清水隧道付近まで往復で約1000NTD)。
台湾には多くの名所旧跡があり、それらを一つ一つ訪ねるのも有意義で楽しいものですが、たまにはこのような日本統治時代の遺構に触れるのは如何でしょうか。
この記事を書いたナビゲーター
飛騨屋 勘左衛門
時空写真家の飛騨屋勘左衛門です。主に大正から昭和にかけての古写真を手に入れ、現状の撮影のためにその撮影地を訪問し、古写真の撮影地を探します。そのおかげで日本はもちろんのこと、海外にまで頻繁に訪れては現…
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