奈良をテーマにした最新作影絵も!特別展「藤城清治 光のメルヘン展」奈良県立美術館

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奈良をテーマにした最新作影絵も!特別展「藤城清治 光のメルヘン展」奈良県立美術館

奈良をテーマにした最新作影絵も!特別展「藤城清治 光のメルヘン展」奈良県立美術館

更新日:2016/05/12 19:06

いずみ ゆかのプロフィール写真 いずみ ゆか ライター

日本における影絵の第一人者、藤城清治氏。豊かな色彩と光と影のコントラストで表現される幻想的な作品は、幅広い年代のファンを魅了し続けています。奈良県立美術館では2016年4月2日〜7月3日まで、特別展「藤城清治 光のメルヘン」が開催中。初期作品や代表作も含む藤城氏の70年以上の創作活動の軌跡をたどれる展覧会です。中でも注目は、奈良の社寺風景の最新作。美しい影絵から奈良の美を再発見してみませんか?

光と影と色彩のパビリオンで感じる「祈り・夢・希望・生きるよろこび」

光と影と色彩のパビリオンで感じる「祈り・夢・希望・生きるよろこび」

写真:いずみ ゆか

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奈良県立美術館での藤城清治展開催は4年ぶり。前回(2012年)の開催では約10万人が来場し、大きな話題になりました。本展の総作品数は269点、そのうち奈良ゆかりの作品は46点。光と影と色彩のパビリオンとして、初期作品から最新作まで余すところなく、藤城ワールドを楽しめる内容です。

会期中の2016年4月17日に92歳を迎えた藤城氏は、今なお精力的に創作活動を続けている事でも知られています。今回の奈良での展覧会に合わせ、奈良の風景や社寺のデッサンをもとに制作された最新作の影絵7点は、最大の見どころのひとつ。
展示作品の中には、なんと本展開催前日(平成28年4月1日)に描かれたばかりの興福寺阿修羅像のデッサンも。力強くのびやかなデッサンからはバイタリティが溢れています。

また、東日本大震災の被災地を実際に訪れて描かれた作品の数々は、多くの方が長時間足を止め、食い入る様に見つめるほどの迫力。
「がれきは宝石よりも美しい ぼくは被災地を描く」という、藤城氏の言葉は印象的です。

初期作品から最新作まで一貫して光と影の中に込められた、祈りや夢・希望・生きるよろこび。本展で是非、感じてみましょう。

「南三陸町防災対策庁舎」2012年©Seiji Fujishiro/HoriPuro

創作のルーツと作品が持つ幅広い魅力

創作のルーツと作品が持つ幅広い魅力

写真:いずみ ゆか

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今回の特別展は、全部で6つの展示室に分かれており、どの会場も見逃せない作品ばかり。本記事では奈良に関する展示を中心に、会場順に概要や見どころをご紹介します。

●第1展示室
学生時代の油彩・水彩画、モノクロのシンプルな初期作品や藤城作品の代名詞ともいえる小人、猫、少女等が描かれたカラー作品。
中学2年生の時にへぎ板と割り箸で作った「ぼくの家の模型」や「ジュンヌ・パントル」そして「木馬座」をという劇団を結成していた時の人形の展示もあり、藤城氏の創作ルーツがわかります。

●第2展示室
藤城氏が「ぼくのいちばん好きな代表作」と語る、1995年・環境の日の公式ポスターとして制作された「生きるよろこび」や戦争を実体験した藤城氏が描く、広島原爆ドームをはじめとする広島・長崎に関する作品。
特に、90歳の時に制作された超大作、横6メートル・縦3メートルの大壁画「日本一大坂人パノラマ」や奈良初登場の「ミニ影絵シアター」(上映時間10分)は必見です。

最新作や注目作品が集まる第3・4展示室

最新作や注目作品が集まる第3・4展示室

写真:いずみ ゆか

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第3・4展示室は、「福島原発ススキの里」をはじめとする東日本大震災の被災地を描いた作品からスタートし、奈良の社寺風景のデッサンと最新作影絵、万葉集や若草山焼き等の奈良ゆかりの作品と注目の展示です。

最新作影絵7点の中でも、特に「法隆寺金堂 釈迦三尊像」は、藤城氏がはじめて仏像を描いた作品。

2年ほど前から脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの手術を繰り返し、病気や痛みと闘いながら創作活動を続けている藤城氏は、奈良のお寺を描いているうちに本堂の中の仏像にひかれるようになっていったそうです。
「どうしても仏像を光と影で描いてみたいという気持ちが強くこみあげてきた。病気と仏像に挑戦してゆくことが、命がけで病気と闘い、影絵と闘っているように、どこか通じると思えた」(展示解説より)

絵や写真とは異なる、光と影によって独特の表情をみせる仏様。一目見て、拝まずにはいられない美しさがあります。奈良の地で是非、ご覧下さい。

「平城の藤波」2012年©Seiji Fujishiro/HoriPuro

水鏡を使ったユニークな展示で奈良の美を再発見!

水鏡を使ったユニークな展示で奈良の美を再発見!

写真:いずみ ゆか

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今回の藤城清治展でも、前回展と同様、作品の前に水を張って鏡で挟むという、影絵作品だからこそできる手法を用いた水鏡の展示が大きな特徴です。

特に、最新作の「大神神社」と「興福寺五重塔」は、水鏡の展示が映え、奈良の歴史の奥深さや寺社の神秘性がより強烈に伝わって私達を魅了します。
是非、水や作品に触れないようにして覗き込んでみて下さい。写真のように、永遠に続く悠久の奈良を体感してみませんか?

「大神神社」2016年©Seiji Fujishiro/HoriPuro

奈良県立美術館で一足先に展示!21年の歳月をかけて完成した「アッシジの聖フランシスコ」

奈良県立美術館で一足先に展示!21年の歳月をかけて完成した「アッシジの聖フランシスコ」

写真:いずみ ゆか

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第5・6会場では、藤城氏主宰の劇団「ジュヌ・パントル」が上演した影絵劇「ラーマーヤナ」の舞台装置と人形たち、宮澤賢治賞を受賞するほどゆかりが深い「銀河鉄道の夜」をはじめとする宮澤賢治童話を描いた作品など、物語の世界に迷い込んだような幻想的な展示が続きます。

中でも、「アッシジの聖フランシスコ」は、絶対に見逃せません。藤城氏がもっとも敬愛し、今の時代にもっとも世界中の人々に知ってもらいたい聖人と語るアッシジの聖フランシスコ。その生涯を描いた絵本が21年かけてついに完成し、会期中に出版されるのです。
奈良県立美術館では、一足先に発表展示として、藤城氏の最大の労作とも言えるその貴重な原画のすべてを堪能することができるのです。

「小鳥への説教」2016年©Seiji Fujishiro/HoriPuro

会場の壁に直筆されたメッセージ

本展には、ファンの方には堪らない作品以外のもう一つの魅力があります。それは、藤城氏が会場を訪れ、その場で壁に直筆したコメントやメッセージの数々。
最後に「三田病院から見た東京タワーから富士山の風景 デッサン」の展示と共に書かれた藤城氏のメッセージの一部をご紹介します。

「人間はいつかは病気もする 不幸に出会うこともある それをのりこえてこそ 生きるよろこびがとびだしてくるんだ ぼくはこれからこそ ほんとうのいい絵 生きるよろこびを描いていこうと思っている みんなもいっしょに この展覧会で 生きるよろこびを 味わってください」

奈良がモチーフの最新作だけではなく、「生きるよろこび」を感じに、そして藤城ワールドを旅しに奈良を訪れてみませんか?

●「藤城清治 光のメルヘン」に関する詳細は、MEMO欄の公式HPでご確認下さい。
(奈良県立美術館ではFacebookでも展覧会詳細を情報発信。混雑状況もHPから確認する事が可能)
※本記事の写真は取材で撮影したものです。一般観覧者は撮影禁止ですのでご注意下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/02 訪問

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