月の稜線を辿って登ろう!山形・ 出羽三山の霊峰「月山」

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月の稜線を辿って登ろう!山形・ 出羽三山の霊峰「月山」

月の稜線を辿って登ろう!山形・ 出羽三山の霊峰「月山」

更新日:2016/08/22 09:54

今村 裕紀のプロフィール写真 今村 裕紀 旅先案内人

山形県、出羽三山の主峰「月山」は「月読命(つくよみ)」を祀り、死後からの甦りを司っています。一方で「日本百名山」のひとつであり、八合目から、すでに樹林帯のない稜線が始まり、しかも頂上直下まで高山植物が豊富な「花の百名山」のひとつでもあります。登りもきつくなく、特に危険な個所もない、とても気持ちのいい山です。ゆるやかな稜線上で、爽やかな風に吹かれながら、出羽の霊峰「月山」の頂きを目指してみませんか?

「月山」の玄関口八合目へ

「月山」の玄関口八合目へ

写真:今村 裕紀

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「月山」へは八合目までバスや車で入ることが出来ます。今回は「鶴岡」駅前からバスでのアプローチをご紹介します。

「鶴岡」駅前から「月山」行きのバスに乗車します。このバスは1時間かけて、まず「羽黒山」の頂上に着きます。そうなんです。出羽三山のひとつである「羽黒山神社」へは、2,446段の石段を登らなくとも頂上までバスが連れて行ってくれるのです。また、同じく出羽三山の「湯殿山神社」は湯殿山の麓にあり、これもバスが運行しています。でも、「月山」行きのバスは、「月山」頂上にある「月山神社本宮」へは運んではくれません。八合目までです。あとは、自分の足を頼るだけです。

「羽黒山」頂上から、さらにバスに乗ったまま1時間を経て終点「月山八合目」に到着です。登山口としては「月山 羽黒口」とも言います。広い駐車場とレストハウスがある、ここがスタート地点です。周囲を見回すと、本格的な登山装備をした方が目につきますが、シーズン中(9月まで)であれば、スニーカーにデイパックで大丈夫です。必要なのは、登り続けて頂を極める、という強い思いのみです! ただ、ここは山ですので、天候の変化に対応するために防寒を兼ねた上下セパレートの雨具だけは必携です。準備が整ったら、さあ、出発です。頂上まで、およそ3時間の登山です。

スタートは「弥陀ヶ原湿原」から

スタートは「弥陀ヶ原湿原」から

写真:今村 裕紀

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八合目レストハウスの横を抜けて登山口に一歩踏み入れば、そこは高層湿原がひろがる「弥陀ケ原湿原」です。湿原には大小さまざまな池塘が散在し、その間を縫うように約2キロにわたる遊歩道が設置されていて、ゆっくりと散策を楽しむことが出来ます。6月から8月にかけてはニッコウキスゲを始めとした湿性植物が最盛期を迎え、また、秋には草紅葉が湿原を彩ります。1周を約1時間で回ることが出来ます。

「月山」山頂に向かうためには、「弥陀ヶ原湿原」の左の木道を進んで廻り込み、写真の正面上に見える中之宮である「御田ケ原参籠所」をめざします。ここが「弥陀ヶ原湿原」を突っ切って「月山」頂上に続く道の分岐になります。

登山道は、スタートから180度のパノラマがひろがるゆるやかな尾根道で始まります。やがて、短い急登を幾度か繰り返しながらも、全体的には比較的ゆるやかな道をおよそ1時間半登り続けると、九合目の「仏生池小屋」に到着です。ここまでで、行程のおよそ半分です。ここでひと休みをして後半の登りに備えましょう。

霊峰「月山」の頂きをめざして

霊峰「月山」の頂きをめざして

写真:今村 裕紀

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「仏生池小屋」を後にして、オモワシ山の肩を過ぎると、ここから唯一の難所である「行者返し」と呼ばれる岩場を迎えます。その名が表すように、昔、役行者が修行が未熟だと言われて押し返されたとされる急斜面です。垂直に近いような岩の積み重なった山道を数か所よじ登るようにして進まなければなりません。ここは頑張りどころです。

「行者返し」を抜けると、ゆるやかな石畳の「モックラ坂」が始まります。ここからはゆっくりと周囲の景色を楽しみながら進みましょう。9月の半ばともなると、山はすっかり錦繍に彩られています。山肌いちめんに映える紅葉を楽しみながら、山の空気を思いっきり吸い込み、いま、出羽の山稜にいることの贅沢さをじっくりと堪能しましょう。

やがて前方に「月山」の頂きが見え始めると、登山道が、突然、木道に変わります。頂上近くでなだらかな木道? と一瞬、不安にさえなります。「大峰の木道」です。ここまで来れば頂上はもうすぐです。安心して、ゆっくりと登りましょう。フィナーレ間近の期待に、つい、歩調が早まってしまいますが、ここは、はやる気持ちを抑えましょう。

「月山」山頂の「月山神社本宮」で参拝

「月山」山頂の「月山神社本宮」で参拝

写真:今村 裕紀

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頂上直下で山頂を廻り込むように道が巻き、最後は直線の石段を登り切れば、標高1,984mの「月山」頂上に到着です。八合目を出発して、およそ3時間。石鳥居をくぐり、この奥の「月山神社本宮」に詣でましょう。

開山から閉山までの期間(7月1日から9月中旬まで)は、500円を払い、宮司さんにお祓いを受けてからの参詣になります。もとより八合目から頂上までの参道は、「出羽三山神社」の境内地で、古来より、この山頂の境内は、特に神域となっているためです。ここで過去を思い、守護神「月読命」が司る魂の「再生」と「甦り」に向けて祈りを捧げましょう。

霊峰「月山」に抱かれながら

霊峰「月山」に抱かれながら

写真:今村 裕紀

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参拝を済ませたら、頂上から少し下って、頂きを仰ぎながら、しばし山の余韻に浸りましょう。朝、八合目を出発すると、頂上に到着する頃が、ちょうどお昼どきです。多くのグループがコンロでお湯を沸かしたり、食事をしている光景が見られます。9月20日前後まで営業している頂上直下の「月山頂上小屋」でひと休みするのもいいでしょう。ここでは、カレーやおでん、おそば、といった簡単な食事が出来ます。

あたりを見渡せば、出羽の穏やかな山塊が、幾重にも重なり、波濤となってうねりながら視界の彼方にひろがっています。天気がいい日には、北に鳥海山や最上川が、南には朝日連峰の山稜が一望出来ます。

帰路はいくつかあり、「湯殿山神社」に抜ける道もありますが、来た道を戻りましょう。八合目駐車場までは、およそ2時間半ほどです。

最後に

「月山」は、古来より「出羽三山」のひとつとして、修験道を中心とした山岳信仰の場として栄え、シーズン中には、今もなお多くの講中の方が、白装束で登頂しています。かの松尾芭蕉も「奥の細道」の途中で、「月山」にも登拝していて、「雲の峰いくつ崩れて月の山」と詠んでいるほどの、由緒ある山です。

また、「日本百名山」の山として、八合目の「いろは48沼」と言われるように、大小さまざまな地塘が散らばった弥陀ヶ原湿原。夏季であれば、頂上付近まで群生する高山植物の数々。9月中旬ともなれば、山肌いちめんの紅葉。こうした景色を観賞しながら、なだらかな稜線をゆっくりと登って行けば、出羽の霊峰「月山」の魅力をじっくりと、たっぷりと味わうことが出来ます。

なお、「鶴岡」駅前から「月山八合目」行きのバスの本数は、それほど多くありませんので、運行期間と時間はMEMO欄をご覧下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/09/21 訪問

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