写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る新宮駅から10分ほど住宅街を歩くと、家々の隙間から突然森が現れます。さらに近づいてみると、ただの森ではなく沼に浮かんでいることが分かります。
沼は一辺が約100メートルの長方形の形をしており、浮かんでいる森は60メートル×90メートルほどの大きさをしています。さっそく森の中へと足を踏み入れてみましょう。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る繰り返しになりますが、この森は沼地に囲まれているのではなく、沼地の上に浮いています。今でも常に移動しているそうです。では、なぜ森が沼に浮くことができるのでしょうか。
この森の下部ですが、湿地に生息するヨシやカサスゲなどといった植物が枯れて十分に分解されないまま泥炭になり堆積したものでできています。この泥炭は水より軽く、この泥炭の上に植物が生えた結果、水に浮く森が誕生したのです。当然泥炭なので非常にやわらかく、まともに歩くことはできません。決められた通路のみを歩くように注意しましょう。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見るこの森の不思議なところは沼に浮いている点だけではありません。森の中を歩いているうちに、植物に詳しい方なら違和感を覚えるかもしれません。
この森にはスギ、ヤマモモを始めとした130種類もの植物が生えているのですが、何と北方系の植物(ヤマドリゼンマイなど)と亜熱帯の植物(テツホシダなど)が共存しています。このような混生は非常には珍しく、昭和2年に天然記念物に指定されました。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る森の中を歩いていると、写真のような丸い形の穴に出くわします。この穴は蛇の穴(じゃのがま)と呼ばれ、森のほぼ中央に開いています。この穴にはある恐ろしい伝説が隠されています。
昔、おいのと言う近所でも評判の美女がこの辺りに住んでいました。おいのは父親と浮島の森に薪取りに来ていました。休憩中にお弁当を食べようとしたのですが、箸を忘れてしまったことに気づきます。島の中で枝を折ってきて箸にしようと考えたおいのは、森の中に入っていきました。しかし、いつまで経ってもおいのは戻ってきません。怪しんだ父親は森に様子を見に行きます。するとそこには大蛇がいて、おいのを今にも飲みこもうとしていました。父親が助けようとしましたが間に合わず、おいのを飲みこんだ大蛇は沼の中に姿を消しました。
その消えた穴がここだと伝わっています。実際に棒を刺し入れたところ、10メートル以上入ったそうです。
いかがでしたでしょうか。
和歌山県を訪れた時は、この不思議で少しだけ怖い浮島の森に足を運んでみてください。そして、訪れた時には決して通路からはおりないでください。あの大蛇が今でも、人を引きずりこむ機会をねらっているかもしれませんよ。
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(2023/12/5更新)
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