伊勢神宮ガイド〜上級者向け。さらに「深く」お伊勢詣りをするための5つのヒント〜

伊勢神宮ガイド〜上級者向け。さらに「深く」お伊勢詣りをするための5つのヒント〜

更新日:2015/11/10 10:56

下川 尚子のプロフィール写真 下川 尚子 ライター
日本人の心のふるさとと言われる伊勢神宮。ですが、いざお伊勢詣りとなると、外宮と内宮をめぐっておしまい、という方も多いのではないでしょうか。
伊勢神宮は敷地も広大、ゆかりのある宮社も非常に多いです。二度目以降のお伊勢詣りなら、ぜひ、もう少し「ディープなお詣り」に挑戦してみてはいかがでしょう。
ここでは、「一歩深い」お伊勢詣りをしたい方に役立つ「ヒント」を5つご紹介。参考にしてみてください。

ヒント1:「早朝参拝」をしてみよう。

ヒント1:「早朝参拝」をしてみよう。

提供元:観光三重 フォトギャラリー

http://www.kankomie.or.jp/photoGal/地図を見る

お伊勢詣りの際にぜひおすすめしたいのが、「早朝参拝」。午前5時から参拝が可能です。朝のすがすがしい空気のなかで、神宮の森を歩く時間は格別なもの。神様の存在をより近く、強く、感じ取れる気がします。

日本では特別な存在と言われる伊勢神宮ですが、それだけに、訪れる人の数も相当なもの。特にお昼前後になると、観光バスがどんどん着き、一気に人が多くなります。静かな空気の中、神様の存在を感じ、厳かな気持ちで参拝をしたいなら、やはり早朝に訪れてみたいものです。

【早朝参拝のさらなるヒント】
・内宮から歩いて5分の「神宮会館」では、宿泊者向けに早朝参拝ツアーをやっています。効率よく早朝参拝をしたい方にはおすすめです。

・毎月一日の早朝にお詣りをし、その月の無事を祈る風習を、「朔日(ついたち)まいり」といいます。この日しか食べられない「朔日餅」も、伊勢の名物のひとつ。おかげ横丁の赤福本店で食べられます。

・冬至の日には、宇治橋にかかる2つの鳥居の一直線上に、太陽が上ります。宇治橋の鳥居からご来光を見られるのは、冬至をはさんで前後一か月の期間。この期間には、日の出の時間をチェックしておきたいですね。

ヒント2:別宮・摂社・所管社をめぐろう。

ヒント2:別宮・摂社・所管社をめぐろう。

写真:下川 尚子

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伊勢神宮は、内宮・外宮の正宮を中心に、それぞれの別宮、摂社、末社、所管社と呼ばれる宮社の総称です。その数、すべて合わせて125社。さらに、ゆかりの神社などを含めるとそれ以上です。

お伊勢詣りとは一般的に内宮・外宮を回ることをいいますが、時間が許すなら、その他の宮社も巡ってみたいもの。数が多いためひとつひとつのご紹介はできませんが、ここではヒントとして、一例を挙げてみたいと思います。

【ゆかりの神社めぐりの一例】
・内宮の敷地内にある別宮の荒祭宮と、同じく外宮の敷地にある多賀宮は、個人的なお願いごとを祈念するのに最適と言われています。お願いしたい事があるときには立ち寄りましょう。

・内宮の別宮・風日祈宮と、外宮の別宮・風宮のご祭神は、風雨を司る神様。漁業や農業など、天候や自然に左右されやすい職業の方は、訪れてみてはいかがでしょう。

・内宮のそばにある猿田彦神社は、ものごとの始まりに出現する「みちひらき(おみちびき)の神様」と言われています。新しいことを始めるときにはお詣りしてみたいですね。

筆者は近年、伊勢神宮に訪れたときには必ず、内宮の所管社である子安神社を訪れます(安産や子授けで有名な神様です)。それぞれの宮社のご祭神や、その歴史を調べてみると、もっとお伊勢詣りが楽しくなります。自分だけのお気に入りの場所が、きっと見つかるはずですよ。

ヒント3:伊勢神宮ならではの行事に合わせてお詣りをしよう。

ヒント3:伊勢神宮ならではの行事に合わせてお詣りをしよう。

写真:下川 尚子

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伊勢神宮では一年中、さまざまな行事が行われています。その行事の存在や意味を知ることによって、おのずと伊勢神宮の役割や存在が分かってきます。下記にいくつかご紹介しますので、日程・時間が合う時には見学してみてはいかがでしょうか?

【毎日の行事】
・日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい):毎日、朝夕に神様のお食事をお供えするための儀式で、外宮で毎日執り行われています(写真はその光景です)。時間は、夏季は8時と16時、冬季は9時と15時。

【毎月の行事】
・神馬牽参(しんめけんざん):皇室から奉納された神馬(神様がお乗りになる馬)が、正宮をお詣りします。正宮では特別な馬衣をつけた神馬が、神官と一緒にぺこりと頭を下げます。毎月1日、11日、21日の8時前後。

【毎年の行事】
・月次祭(つきなみさい):国家安泰や国民の平和などを祈願する儀式。別宮などでも祭典が行われ、10日間もの間、儀式が続きます。6月と12月の年2回。

・神嘗祭(かんなめさい):年中で最も大きなお祭り。その年収穫した穀物を供え、お神楽なども行われます。10月の開催。

伊勢神宮では6月と12月の月次祭、10月の神嘗祭を合わせて三節祭と呼ばれ、重要な儀式と位置付けられています。ここでご紹介した以外にも行事は数多くあります。関連MEMO欄の「神宮のお祭りと行事」をチェックしてみてくださいね。

ヒント4:御垣内(みかきない)参拝をする、「お神楽」を上げる

ヒント4:御垣内(みかきない)参拝をする、「お神楽」を上げる

写真:下川 尚子

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特別なお願いごとがあるときには、特別なお詣りをする方法があります。ここでは、御垣内参拝(特別参拝)と、お神楽を上げる方法について紹介します。特別なお願いごとをしたいとき、神様にさらなるご加護をお願いしたいときなどに、検討してみてはいかがでしょう。

【御垣内参拝をする】
本殿の御垣内(玉垣内)に神官の方に案内していただき、参拝することをいいます。玉垣内には普段立ち入ることができませんので、より神様に近い位置で行う、特別なお詣りとなります。
申し込みは、神楽殿で奉納金を収めてから、参宮章をもらいます。なお、御垣内参拝をするときには、正装が必要とされています。

【お神楽を上げる】
お神楽は、神様が好む遊びといわれ、昔からさまざまな神事で行われてきました。伊勢神宮でも、個人的にお神楽を捧げることができます。
申し込みは、内宮・外宮どちらかの神楽殿で行います。舞楽の曲数によって、4種類のお神楽が選べます。内宮・外宮で内容に違いはありません。

ヒント5:一緒に回ってみたい、伊勢神宮ゆかりの地。

ヒント5:一緒に回ってみたい、伊勢神宮ゆかりの地。

写真:下川 尚子

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最後に、伊勢神宮ゆかりの地として、立ち寄ってみたいところをご紹介します。

【二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)】
かつては、伊勢神宮参拝を行う前に二見浦で身を清めることが習わしでした(これを「浜参宮」といいます)。現在も、参宮前の禊の代わりにここを訪れる方が多くいらっしゃいます。有名な「夫婦岩」や「天岩戸」があることでも有名です。アクセスは内宮から車で20分ほど。

【朝熊岳金剛證寺(あさまだけこんごうしょうじ)】
伊勢神宮の鬼門を守る寺とされる、朝熊岳金剛證寺があります。伊勢音頭の一節には、「お伊勢まいらば朝熊をかけよ 朝熊をかけねば片参り」とうたわれており、お伊勢詣りをしたあとには金剛證寺へもお詣りするのが良いとされてきました。アクセスは内宮から車で15分ほどです。

これらの場所へも足を延ばしてみてはいかがでしょうか。詳しくは「関連MEMO」にガイド記事をリンクしています。

おわりに

お伊勢詣りをより充実させるためのヒントを5つ紹介してみましたが、いかがでしたか?

はじめてのお詣りという方は【伊勢神宮ガイド〜知っておきたい、正しい「基本」の参拝方法】をページ最後の「関連MEMO」にリンクしていますので、まずはそちらをご覧ください。

願うことも、お伊勢詣りでやってみたいことも、人それぞれ。基本の参拝方法は押さえつつも、ぜひ、ご自身に合ったアレンジで旅程を組んでみてください。皆様のお伊勢詣りが、充実したものとなりますように!

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/09/06 訪問

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