写真:SHIZUKO
地図を見る古来より東海道の西の難所と呼ばれてきた鈴鹿峠。気象の激しさ、坂の厳しさは箱根に匹敵すると言われていたほど。鈴鹿山脈の中央辺りに位置する最低部ゆえに、日本の東西を行き来するにはどうしても通らなければならない峠だったようです。茶畑が広がる鈴鹿峠には、万人講常夜灯(ばんじんこうじょうやとう)があります。江戸時代に、遠く、四国の金毘羅神社の常夜灯として設置された高さ5メートルを超える巨大な常夜灯。現在は国道1号線の鈴鹿峠から、車の往来を見守っています。
関西随一のロングコースのスタートはこの常夜灯。南端の油日岳まで到達するには、高畑山・溝干山・唐木山・那須ヶ原山・三国岳と、名前がある山だけでも5峰を越えていきます。さあ、覚悟して出発。
写真:SHIZUKO
地図を見る鈴鹿峠から植林されたスギ林を登って行くと、やがてナイフリッジと呼ばれる砂礫の細い尾根にでます。ガレ場と呼ばれる場所で、足もとの砂交じりの石道は滑りやすいので、左右に滑り落ちないように慎重に進みます。ちょっと怖いけど、軽いアドベンチャーでワクワクする場所です。それから小さな起伏をか何度か超え、急坂を登ると高畑山頂上に。このコース一番の展望が楽しめますから、存分に堪能しておきましょう。
写真:SHIZUKO
地図を見る馬酔木(あせび)の群落が気持ちいい道を溝干山に向かって進みます。一気に下ると坂下峠。谷底の風情の場所。もう一度強い傾斜を登って、キレットと呼ばれる岩場の激下りと激登り。そして、大雨で流された登山道にロープが張ってあるちょっとスリリングな場所を通り、唐木山への急坂を登り切ると、やっと昼食タイム。
写真:SHIZUKO
地図を見る唐木山からは、これから向かう那須ヶ原山が見えてきます。鈴鹿の山々が見える稜線に出たと思えば、またまた崖。というような道が続き、やっと那須ヶ原山へ。那須ヶ原山の頂上部分は広々。山頂にはお寺の跡の石の建物がドンと構えています。ここで一息。縦走路は、後半へ。まだまだ厳しいアップダウンは続きます。
写真:SHIZUKO
地図を見る目的地の油日岳への分岐でもある三国岳山頂まで、1時間30分。もうかなり疲れてきたところで最後の分岐。分岐からはまたまた激下りの道。大丈夫かなと心配になるでしょうがゆっくり確実に下って行きます。すると、眺望が開け、今まで縦走して来た山々が一望できます。こんな瞬間が縦走の最大のお楽しみ。本当に自分の足で歩いたの?と、信じがたい気持ちになる道のりを見渡せてしまいます。素晴らしい風景に励まされ、最後の登りを頑張ると祠のある油日岳の山頂に到着。ああ、よく歩いたーとホッと一息。最後の下りを慎重にこなして、関西随一のロングコースを完走です。
一つ一つの山を登るコースはハイキングコース。ですが、それらを繋いで縦走するとなれば、それはもう立派な登山上級の道。日帰りとしてはかなりのロングコースに加えて、アップダウンが激しいので、歩き応え十分。翌日は太ももから全身の筋肉痛は必至です。それだけに完走した時の充実感、達成感はかなりのものです。
途中、危険な場所もありますから、充分注意して、一歩一歩確実に歩いて下さい。
この記事を書いたナビゲーター
SHIZUKO
中学生のころから、一人でウロウロ。大学生になってからもあちこちをウロウロ。仕事が忙しくても、暇を見つけてはウロウロ。旅で出会った人、モノ、風景が、自分を育ててくれたと感謝しています。そんな瞬間や経験を…
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