ご紹介する「長浜城北条水軍まつり」は、奥駿河湾に位置する沼津市にある「長浜城跡史跡公園」で開催されます。公園は、かつて長浜城が置かれていた海に突き出た岬の一帯を、史跡公園として整備されています。長浜城は、戦国時代の天正7年(1579年)に、駿河国を収めていた武田氏が伊豆国へ攻めるのを北条氏が恐れて、布陣を整えた水軍の城。武将「北条氏政」の命令で築かれたとされ、城跡は約1万5476平方メートルの広さがあります。
城は、本格的な水軍城ですが、山側に土塁があるなど山城としての機能を持つ、全国的に珍しい様式などから、国指定史跡に指定されています。まつりは「長浜城跡重須側ガイダンス広場」「内浦漁港会場」「小海埋立地会場」の3つの会場で行われ、無料のシャトルバスや船で、簡単に会場を移動することができます。
【長浜城北条水軍まつり】
開催日:2016年5月22日(日)
内浦漁港会場では、奥するが湾日曜市や、遊漁船での文化財ツアーなどが行われます。中でも、遊漁船での文化財ツアーは、一押しのイベントで、学芸員の説明を聞きながら内浦湾を約30分かけて一周遊覧できて、料金は無料! 海上から、長浜城や独特の形をした淡島、富士山を望むことができ、景色も抜群で、潮風も心地良いクルージングを楽しめるのでお勧めです。
こちらは、遊漁船から見た長浜城で、山頂にいるのが北条水軍に見立てた演武隊です。クルージングの最中、乗っているこの船を敵の武田氏の船に見立て、火縄銃を発砲する驚きの演出もされます。弾が届かないと分かっていても、銃口を向けられると、緊張感が走ります。まるで本当に戦国時代にタイムスリップしたかのような臨場感を味わえます。こんな経験ができるのは、滅多にないのでは?
変わって、こちらは「長浜城跡重須側ガイダンス広場」の会場です。ここでは、手作り甲冑隊による船上パレードや、火縄銃の演武が行われます。話しは少しそれますが、水軍といったら、やっぱり船を思い浮かべませんか? 長浜城跡史跡公園のガイダンス広場では、実物の大きさを示した軍船「安宅船(あたけぶね)」の平面表示が見られます。幅9.7m、全長24.3mの大型船で、漕ぎ手50人、戦闘員50人の何と100人乗りの船です。船の動きは遅かったものの、敵の弾を通さない装甲板や、鉄砲を撃つための窓があり、海上で大活躍したそうです。
この模型がある場所に、実際、安宅船を係留していたそうで、この船と、小回りが利く小型軍船「小早船」のおかげで、武田氏との戦いを引き分けに持ち込んだそうです。土塁などの、城の構造を見ておきたいところですが、圧倒されるぐらい大きな安宅船を、一度見てみては如何でしょうか?
同じ「長浜城跡重須側ガイダンス広場」では、時間によって、小田原北條鉄砲衆保存会による火縄銃の演武が行われます。先程、船上で見たのと同じく、船を敵に見立てて弾を放つ様子を間近で見られるので、迫力が違います! 指揮を執る人が「構え」「撃てーっ」と出す合図に続いて、弾が撃たれると、ドーンと轟音と共に、鼻に付く薬きょうの匂いがします。
耳がき〜んとするほどの爆音で、見た人すべてが、おぉーっと声を漏らしてしまうほど。戦国時代さながらの実演で、見応えがあるので、是非お勧めで、見学はもちろん無料です。
北条氏の長浜城と、武田氏の配下にあった三枚橋城とは、わずか10kmの距離。この本丸から、駿河湾越しに三枚橋城があったとされる場所が、現在でもはっきり見えるくらいです。当時は、にらみ合いが続いていたそうで、この演武を見ると、より緊迫した情景を体験できますよ。
変わって「小海埋立地会場」です。ここでは、長浜城をパネルで解説する「展示コーナー」、和太鼓の演奏などが行われていて、こちらは「小田原城馬廻衆の仕舞」。北条氏政と氏照が成仏できずに亡霊となって現れ、僧侶に弔って成仏するという舞が見られます。近くには、物産品を味わえるブースがあるので、舞を見ながらご当地食材を味わってみても良いですね。
また、敷地内には、美味しい鯵料理を頂ける「いけすや」もあるので、是非ご賞味あれ!
遊漁船での文化財ツアーは、午前中に2回運行されますが、先着順なので、乗船したい方は早めに行くのがお勧めです。
長浜城「北条水軍まつり」は、国指定史跡という日本の宝で行われます。まつりを通して、素晴らしい歴史文化も感じられるので、この機会に是非、沼津市内浦方面へ足を運んでみては如何でしょうか?
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(2024/10/9更新)
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