残雪期の尾瀬ヶ原でスノーハイキング〜国内最大の山岳湿原が白一色に〜

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残雪期の尾瀬ヶ原でスノーハイキング〜国内最大の山岳湿原が白一色に〜

残雪期の尾瀬ヶ原でスノーハイキング〜国内最大の山岳湿原が白一色に〜

更新日:2016/04/15 12:28

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

日本最大の山岳湿原、尾瀬ヶ原。群馬県の北端の県境に位置し、2千メートル級の山々に抱かれた広大な湿原は、一大景勝地として有名です。ハイシーズンは高山植物が一斉に花咲く夏季と、紅葉が美しい秋季ですが、それに劣らず美しいのが残雪期の尾瀬。白一色となった広大な湿原、残雪期の尾瀬ヶ原の魅力をご紹介します。

残雪期の尾瀬ヶ原の全景

残雪期の尾瀬ヶ原の全景

写真:大木 幹郎

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残雪期(4月下旬〜5月上旬)の尾瀬ヶ原の魅力をご紹介。写真は至仏山の頂上から見た尾瀬ヶ原の全景。この白一色となった美しい湿原の中で、スノーハイキングを楽しみましょう(至仏山への登山は本記事に含みません)。

尾瀬ヶ原について少し説明を。尾瀬ヶ原のある尾瀬国立公園は、総面積約3万7000ヘクタール、福島、新潟、栃木、群馬の4県に重なる深く広大な山地です。尾瀬ヶ原は尾瀬の西部に位置する国内最大の山岳湿原で、標高1400メートル、東西約8キロ、南北約2キロに及ぶ美しい湿原です。

最も人が訪れるハイシーズンは、夏季(6月〜7月)と秋季(9月中旬〜10月上旬)。夏季はミズバショウやニッコウキスゲなど、花盛りとなる高山植物の楽園。秋季は原生林の紅葉に、湿原の草紅葉。それ以外の時期、10月下旬から5月中旬までは湿原は雪に覆われます。尾瀬は豪雪地帯のため、冬季は一般的に近づけません。しかし、4月下旬の雪融けの進んだ残雪期からは、バスの運行と山小屋の営業が開始され、湿原内への進路も整備され始めるので、一般の方でも美しい白銀の湿原を楽しむことができます。

雪原と雄大な燧ヶ岳〜アクセスの注意点〜

雪原と雄大な燧ヶ岳〜アクセスの注意点〜

写真:大木 幹郎

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写真は尾瀬ヶ原の山ノ鼻から牛首の間にある上田代の湿原から東への眺め。広大な雪原の奥に、尾瀬ヶ原の東端の福島県境に聳える燧ヶ岳の雄大な姿。湿原の中に作られた木道は雪に埋もれ、その上に踏み固められた雪上が移動のメインルートとなります。

尾瀬ヶ原へのアクセスについて。最短コースの登山口は鳩待峠で、4月下旬になると戸倉からバスが運行され始めます。バスや交通規制など交通の詳細は、文末のMEMOをご参照下さい。鳩待峠から1時間ほど歩けば、尾瀬ヶ原の西端にある山ノ鼻へ着きます。ここは公衆トイレや、4月下旬に営業の始まる至仏山荘と山の鼻小屋がある場所です。

鳩待峠から山ノ鼻への移動する際の注意点。基本的に多くの人が通った、ハッキリした雪上の踏み跡を辿れば着きますが、正しい進路を示す赤い目印(岩や木への塗装・布・テープ等)も確認しつつ進みましょう。鳩待峠からしばらく続く下り坂は、足場が狭く急傾斜の所もあるのでご注意ください。川上川と近づき同じくらいの高さまで下れば、あとは山ノ鼻まで道はほぼ平坦です。

雪原と端正な至仏山の眺め〜服装の注意点〜

雪原と端正な至仏山の眺め〜服装の注意点〜

写真:大木 幹郎

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写真は上田代の湿原から西の眺め。広大な雪原の奥に、尾瀬ヶ原の西端に聳える雪化粧の至仏山が端正で美しい姿。ここで快適に雪原を散策するために、注意すべき服装についてご説明。

まず服装で重要なのが防寒着です。晴天の日中は暑くなりますが、早朝や荒天時の気温は氷点下へ。アウタージャケットの下に2〜3重ね着し、暑ければ脱いで調整しましょう。次に靴。雪や時に水溜りの上を歩くので、防水のものが望ましく、踝まで覆うミドルカットの登山靴が最適です。

そして、安全のために持参したいのが滑り止めの軽アイゼン。鳩待峠は尾瀬ヶ原よりも180メートルほど高い標高にあり、峠からしばらく先は下り坂。一部は急傾斜で足場が悪く、谷や沢へ滑落する危険性も。この坂の区間では、軽アイゼンの装着をお勧めします。

以下、準備するとよい服装の一覧です。ご参考ください。

■防寒着:アウターの下に2〜3重ね着で調整、手袋も忘れずに
■防水の靴:ミドルカットの登山靴が望ましい
■軽アイゼン:最低でも4本爪くらいのもの
■ストック:雪上でバランスを取りやすい
■スパッツ:靴の上から足首全体を覆い雪の侵入を防ぐ
■サングラス:雪原は陽光を反射してかなり眩しい

白色の湿原の散策〜日帰りではどこまで行ける?〜

白色の湿原の散策〜日帰りではどこまで行ける?〜

写真:大木 幹郎

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写真は上田代と中田代の湿原の間にある小川と橋で、牛首という地点の手前です。雪原の中、清らかな小川と、そこに沿う木々がアクセントになります。そしてより近づいた雄大な燧ヶ岳。ここで尾瀬ヶ原の全体的な移動時間についてご説明を。

写真の位置、牛首の周辺までは、鳩待峠から約1時間40分。往復で約3時間30分。この移動時間に、食事や休憩に、木道上のメインルートから外れて散策、などの時間を加えると、5時間くらいになるでしょう。バスや電車の時間が気になる日帰りでは、牛首の周辺での折り返しが無難です。雪上での歩行は思った以上に足をとられて疲れます。それに鳩待峠の手前は、帰り道では登り坂。無理せず余裕をもって楽しみましょう。

体力のある方や、山小屋に宿泊する予定の方は、尾瀬ヶ原の東端にある見晴まで往復することも可能ですが、移動時間は6時間近く要します。なお、雪上の移動ですので、余計に時間がかかる場合もあるのでご注意下さい。以下、移動時間の目安です。

■鳩待峠〜山ノ鼻:1時間
■山ノ鼻〜牛首:40分
■牛首〜竜宮十字路:50分(山小屋、竜宮小屋あり)
■竜宮十字路〜見晴:30分(燧ヶ岳の麓、複数の山小屋)

残雪期のみ楽しめる道なき湿原の上

残雪期のみ楽しめる道なき湿原の上

写真:大木 幹郎

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写真は雪に埋もれた木道の上にあるメインルートから外れた道なき湿原の上。このように残雪期は、夏季には進入できない湿原の上、自由に進んだ気に入った場所で、静かに美しい景色を独り占めできる喜びがあります。

木道上のメインルートから外れて雪原へ進入する際の注意点。文末のサイトなどで、残雪の量を事前に確認しておきましょう。残雪の量が少ない場合は、木道上から離れないことです。また、残雪の量が十分も、部分的に雪が薄く、下に小川や池塘が隠れている場所もあるので、体重を分散させるスノーシュー、ワカン(カンジキ)、スキーなどの装備が望ましいです。また、雪が薄い場所の特徴には以下がありますので、なるべく近寄らないようにしてください。木道から離れ過ぎないのが安全です。

■小川の近く(雪が一度に大きく崩れることも)
■池塘の近く(小さな水溜りに見える場合も)
■雪の下から水の音がする場所(隠れた小川)
■雪が灰色や茶色に変色している場所
■周囲より大きく窪んだ場所

おわりに

以上、残雪期の尾瀬ヶ原でした。冷たく静謐な空の下、広大な白銀の湿原と、その背景に雪化粧して聳える雄大な山々の美しい景色。冬の色の少ない景色だからこそ、小川の清らかな流れ、原生林の木々の形の美しさ、山々の雄大で黒々とした輪郭が、白一色の湿原を前に際立ちます。そして、木道上のメインルートから離れて雪の積もった湿原の上を散策できるのが大きな魅力。この時期だけ歩ける湿原の片隅で、この時期だけの風景をご堪能ください。

ご訪問の際は、鳩待峠への交通状況や、残雪や登山ルートの状況、そして山小屋の営業の状況を事前に確認ましょう。文末のサイトがお役に立ちます。鳩待峠から山ノ鼻へ至る道や、尾瀬ヶ原の湿原上は、全体的に平坦ですが、積雪量や氷点下にもなる気温の低さは雪山そのものです(鳩待峠の近くは急坂あり)。特に防寒着や靴は十分なものをご用意ください。また、雪上の歩行は思ったよりも時間がかかり、疲れやすいので、無理をせずに明るい時間帯に下山できるよう、余裕のある日程をご計画ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/04/28−2015/05/02 訪問

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