写真:村松 佐保
地図を見る沖ノ島は、南房総館山湾の南側に位置する周囲1キロほどの小さな陸繋島(りくけいとう)です。陸繋島とは、大陸や大きな島と砂州(さす)で陸続きになった島のことです。
明治の頃は海を隔てた島でしたが、1923年(大正12年)の関東大震災が影響して陸続きになりました。地震で2メートルほど地盤が隆起して、さらに1930年(昭和5年)に海軍航空隊の基地が埋め立てられたことで、陸地が沖ノ島へ近づきます。その後沿岸流によって砂が少しずつ堆積して、1948年(昭和23年)あたりに道ができあがったといわれています。
沖ノ島に続く200メートルほどの砂浜(写真)は、夏はビーチとして家族連れやカップルなどで賑わっています。遠浅で流れがゆるく、左右が湾になっているため、趣の違う海を楽しむことができます。
写真:村松 佐保
地図を見るこんもりした森が、沖ノ島の入口(写真)です。鬱蒼と草木が生い茂る島内は昼間でも薄暗く、ちょっとしたジャングル気分を味わえます。森の小道を辿ってみてください。洲崎方面の海が一望できる展望台跡や、かつて灯台が建っていた跡などさまざまな出合いに心が弾みます。
また、タブノキやマサキなどの暖温帯の植物や、タンポポによく似たハチジョウナやハマダイコンなど四季折々の海浜植物が島に彩りを添えています。夏になれば森の中をセミの声が響き、都会ではなかなか見られない虫との出合いに子どもたちは大喜びでしょう! 寒い季節でも、常緑樹の裏側でじっと冬を越す虫を見つけることもできます。四季を通じて楽しめる沖ノ島をくまなく回って、たくさんの発見をしてみてください!
写真:村松 佐保
地図を見る森を抜けると素晴らしい眺望が目の前に広がります! 写真は、島の入口から森の中を抜けた西側の浜辺で、島の中では一番広い砂浜です。岩礁帯が多い場所なので遊泳には向いてませんが、磯遊びや貝殻拾いを楽しむことができます。遠くの景色を楽しみながら開放感に浸るときは最高です!
沖ノ島を囲む海にはさまざまな表情があります。遠浅で穏やかな東側の入り江はでは磯遊びを楽しめます。北側に向かって森を進み、樹々のトンネルを抜けると目に飛び込んでくる小さな入り江は、まるでプライベートビーチ! 世界最北地域の美しいサンゴの観察もできます。南側の小さな入り江でも磯遊びを楽しめます。このあたりは水深が比較的浅いので、シュノーケリングを楽しみたい方には最高です! 豊かな自然が育む海の素晴らしさを満喫してください。
写真:村松 佐保
地図を見る島の入口から森のトンネルを進んでいくと、左手に宇賀明神が鎮座しています。宇賀明神は、嘉保3年〜康和元年(1096年〜1099年)に安房守として赴任した安房國司、源親元(みなもとのちかもと)が、地域の産業の発展を願って、嘉保3年に倉稲塊(うかのみたま)の神を歓請して建立しました。倉稲塊の神は、稲作の神、農業神のほか、漁業神、商業神、福神などあらゆる産業の神様として、人々の篤い信仰を受けてきました。
推定樹齢300年といわれる高さ18メートルもある巨木タブノキが宇賀明神のご神木として、長きにわたり島を見守り続けています。樹木の中にひときわ高くそびえるその姿には圧倒されます。あたりは厳かな空気が漂っているようにさえ感じます。
最後になりましたが、沖ノ島までのアクセスをご案内します。
公共交通機関利用の場合は、館山駅からバスで館山航空隊行きに乗って、終点のバス停「館山航空隊」から2キロほどです。東京駅からの高速バスも便利です。「房総なのはな号」で館山駅まで2時間ほど。便によっては館山駅から一般路線便になるバスもありますので、そのまま乗り続けて「宮城」というバス停から歩くことができます。また、新宿発の「新宿なのはな号」もありますので、詳細は下記【MEMO】「館山市 交通手段別案内」をご覧ください。
お車の方は、沖ノ島周辺には駐車できる無料スペースがたくさんあります。島へ渡る砂浜のすぐ手前まで車で行くことができますが、夏場はかなり混み合います。また、館山駅からのレンタサイクルもおすすめです。街や自然を楽しみながら風を切って走るのも爽快! 詳細は下記【MEMO】「館山市観光協会 レンタサイクルで楽しむたてやま」をご覧ください。
天気の良い日には、穏やかに光る波の彼方に富士山や伊豆半島までも臨むことができる沖ノ島! 小さな島からあふれる大きなパワーを、明日への活力にしてみませんか!
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(2023/12/3更新)
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