写真:Hiroko Oji
地図を見る童話「赤い靴」「マッチ売りの少女」「みにくいアヒルの子」「裸の王様」「人魚姫」など皆さんも一度は読んだり耳にした記憶がおありでしょう。これらを生み出したのがハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen)。1805年に貧しい靴屋の子として、オーデンセ(Odense)というデンマークの町で生まれました。
オーデンセは、デンマーク最大の島フュン島のほぼ中央に位置し、デンマーク王国第三の都市です。鉄道駅前の王様公園を抜けたあたりから繁華街が始まり、町の中心地である、お城のような外観を持つ市庁舎まで続きます。市庁舎が面する石畳で覆われた広場には、彼の大きな座像が町を見守るように設置されています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る市庁舎の南側に広がる緑溢れる一帯がアンデルセン公園となっており、隣接して聖クヌート教会が建っています。
聖クヌート教会は、オーデンセを代表する、13世紀にゴシック様式で建てられた教会。煉瓦を積み上げた美しい外観とともに、内陣のピカピカに輝く祭壇が目を奪います。
教会裏に広がる公園には、アンデルセンの名前が付けられており、彼の立像や切り絵をモチーフにしたモニュメントも見られます。美しい芝生に覆われる園内を流れているのは、かつて住民の洗濯場となったオーデンセ川。鴨たちが集うのどかな風景が広がり、ここで、アンデルセンの母も洗濯をしていたと言われています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るアンデルセン博物館はロチェス公園に面して建つ近代的なガラス張りの建物。彼が生まれた1805年4月から1875年8月に亡くなるまでの一生を、自筆の手紙や日記、原稿などを展示して解説しています。また、足跡が床にあったり、身につけていたものを展示している彼自身の部屋をはじめ、各国語に翻訳された作品がたくさん並べられていたり、興味深い館内です。
奥にあるドーム型のホールには、アンデルセンが町を出た後、世界的に認められ名誉市民として祝福されるまでの足跡を記したフレスコ画が、その壁面いっぱいを覆っています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る童話だけでなく、詩や紀行文、小説、戯曲、さらには挿絵や趣味としての切り絵細工にも素晴らしい才能を発揮したアンデルセン。その切り絵のうちの一つ、王様公園やアンデルセン公園などにモニュメントとなってあちこちに掲げられているのが、写真の中央のものです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る聖クヌート教会南西にあるのはアンデルセンの「子ども時代の家」で、アンデルセンが「生まれた」という家は、アンデルセン博物館敷地内の北東端、ロチェス公園の北側に隣接しています。子ども時代の家とよく似ており、靴修理の仕事場であるテーブルが窓際に置かれ、狭い一部屋にストーブ、タンス、ベッド、食事用の小さなテーブル、糸巻き車などが同居する質素な室内です。
この生家周辺は歴史保存地区となっていて、歩行者専用道路が続きとっても静かな一角。情緒ある石畳の両側には、色とりどりの可愛らしい木造家屋が建ち並び、一般の住居として今も使われているだけでなく、レストランやショップがはいっています。このメルヘンチックな通りでゆっくりのんびりお散歩が楽しめます。
オーデンセ観光には、物価の高い北欧においては観光客の強い味方となる、「オーデンセ・シティ・パス」という優れものがあります。
今回ご紹介したアンデルセン博物館はもちろんのこと、聖クヌート教会やアンデルセン公園近くにある「子ども時代の家」、16世紀に建てられた赤れんがの建物を利用した市立博物館「ミュンターゴーデン」、オーデンセ出身の音楽家カール・ニールセンの博物館、鉄道博物館、郊外にあるフュン野外博物館、オーデンセ動物園、市内バスなどが無料もしくは割引になります。鉄道駅や観光案内所、主要ホテルなどで購入できます。詳しくはMEMOにリンクしておきますので、どうぞご利用くださいね。
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この記事を書いたナビゲーター
Hiroko Oji
旅の計画を練り、現地でその土地ならではの経験を楽しみ、帰ってきたら写真の整理をして旅行記や記事を書くと、一つの旅で3〜4回楽しんでいます。アメリカで大自然の偉大さに圧倒され、人生観が大きく変わりました…
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