「おじゃりやれ!」沖縄・南大東島〜クレーンとハーヴェスターが活躍する美しい島

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「おじゃりやれ!」沖縄・南大東島〜クレーンとハーヴェスターが活躍する美しい島

「おじゃりやれ!」沖縄・南大東島〜クレーンとハーヴェスターが活躍する美しい島

更新日:2016/11/10 12:24

Mizuki Yoshiのプロフィール写真 Mizuki Yoshi 歴史街道トレッカー、伝統の「ワザ」案内人、日本クルーズ&フェリー学会員

那覇の東方海上約360kmに浮かぶ南大東島は、更に約1,500km東北にある八丈島の文化を継承しています。八丈ことば「おじゃりやれ(いらっしゃい)」が今も島での歓迎あいさつ。驚くほど透明度が高い紺碧の海に浮かぶ断崖絶壁の南大東島では、漁船や貨物、人間をつり上げる重機(クレーン)と、さとうきびを刈り取るもう一つの重機(ハーベスター)が必須なのです。南大東島の美しい風景と、不思議な風景をご紹介します。

一戸あたり四町歩に及ぶ大規模さとうきび畑が広がる風景と八丈文化

一戸あたり四町歩に及ぶ大規模さとうきび畑が広がる風景と八丈文化

写真:Mizuki Yoshi

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島の南端に近い高さ63mの日の丸山展望台は、ふれあい広場がある島の中心部から4kmほど。広大なさとうきび畑が地平線と水平線が一体になった風景を見ることができます(写真)。島の主要産業は、製糖業と漁業。特に製糖業は重要で、整理されたさとうきび畑が広がっています。1900年に開拓の祖・玉置半右衛門により始められた製糖業は、やがて台湾や韓国から労働力を借りてきます。一時期は、島全体で1,000人、農家一戸当たり7〜8人の外国人労働者が働いていたといわれます。

そんな時代も既に過去、労働力不足解消する手段は大規模化と重機の導入でした。現在、島の人口は1,300人ほど。農家一戸あたり四町歩(概ね4ヘクタール=40,000平方メートル)の大規模農業化し、島内では、オーストラリアから導入した「ハーベスター」と呼ばれる収穫用重機を見ることができます。ハーベスターの見上げる高さと車庫の巨大さは、日本的風景ではありません。北海道やさとうきび畑があるハワイにも似た景色です。非日本的風景のさとうきび畑も、築地松(暴風林)の見事な枝振りには、日本の原風景を見ることができます。

また、島内中央部にはため池が多くありますが、現在飲料水に使用していません。飲料水は海水をろ過します。ミネラルなど不純物を取り切ってしまうため、味が無く、ミネラル分などで「味付け」します。

島内に一箇所だけある信号はいつも青!

島内に一箇所だけある信号はいつも青!

写真:Mizuki Yoshi

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島内に一箇所だけある信号(写真)は、ふれあい広場から600mほど。一日中青のままです。ではなぜ信号が必要なの?とお思いでしょうが、信号左奥にある南大東小学校と南大東中学校がその答え。学校入り口に、『早ね 早起き 朝ごはん「おはよう!」は1日のはじまり 「いただきます!」は元気のはじまり』の横断幕があり、児童、生徒たちが通学時に信号機下の横断歩道を渡ります。

島に高校は無く中学を卒業後、進学者は那覇の高校へ行きます。都会生活で生徒たちが困らないように、教育的配慮で信号が設置されています。通学時と下校時のみ、歩行者用押しボタンで信号は赤に。

成年になると、再度那覇で下宿する島民の方々がいます。運転免許や船舶免許を那覇へ取りにいくのです。以前は、数がまとまれば、試験官が島まで出張してくれたそうです。

「夕日の広場」から雄大な太平洋を望む

「夕日の広場」から雄大な太平洋を望む

写真:Mizuki Yoshi

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島の西側にある「夕日の広場」、ふれあい広場から約4kmの夕日の名所です。原始のままの荒々しい海岸風景が岬の先端まで広がっています。冬季はザトウクジラなどの越冬海域となっており、遠くクジラの雄姿を望むことができます。夕日の広場周辺には風に強いヒマワリが植えられ、夏ごろには黄色い花が楽しませてくれます。

夕日の広場北側や北港周辺には、城塞のように積まれた長く続く石垣(写真)があります。城(グスク)でもあったのかといえばそうではありません。その驚くべき理由は、北港へ行くと判明します。これは後ほど紹介いたします。

「星野洞」の神秘的美しさは大自然のプレゼント!

「星野洞」の神秘的美しさは大自然のプレゼント!

写真:Mizuki Yoshi

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「夕日の広場」から約1km北東に、鍾乳洞「星野洞」があります。南大東島は石灰岩が隆起した島。カルスト地形で至る所に鍾乳洞がスポンジのようにあります。星野洞は観光鍾乳洞です。入場料¥800で必見のおススメのスポット。星野洞の入り口から、下りのスロープを30mほど歩きます。反対側は登りの動く歩道です。向こう側へ抜ける鍾乳洞ではなく、見学は往復ルートです。

ほの暗い灯りで照らされた洞内は、日本屈指の美しさ、巨大な石柱や天井から垂れさがる氷柱形状の光景は絶景です。この鍾乳洞には十数か所の番号がついた名所ポイントがありますが、他の観光鍾乳洞のように、「〜〜観音石」とか「△△女神像」といった名称はつけられいません。深さ45mあり、往復に約30分必要です。日本語、英語、中国語、韓国語対応のガイドシステム(タブレット)が利用でき、説明が聞けます。

最深部周辺の岩のスキマに、中学の卒業生達が「泡盛」を記念にお供えする場所があります。20年後に島に戻ってきて、その年月の間に「熟成された」泡盛を両親と酌み交わす習慣があるのです。

長い石垣はなぜできた?

長い石垣はなぜできた?

写真:Mizuki Yoshi

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南大東島の周囲は急激に深くなるため、外側を囲む防波堤を作ることができません。そのため、島内に幾つかある漁港や港はいきなり岸壁です。波に揉まれる船から人が上陸したり貨物を引き上げます。島ではマグロ漁、その他深海魚などの漁業が盛ん。漁船は舟ごと引き上げられます。那覇からの定期船「だいとう」での帰島民や来島者は、西港などでクレーンにぶら下げられた鉄製のかごに入って引き上げられます。島内で使用する自動車、あらゆる資材、物品がクレーンで引き上げられるのです。防波堤内の波おだやかな岸壁に船が横づけする姿に見慣れた目には、驚きの風景です。

さて、北港外側にも城壁のような石垣があります。北港には船溜まりがあります(写真)。港があるじゃないか、という話ですが、この港、周辺の岩を掘って作った港なのです。大雑把に言えば、長さ500mx幅200mx高さ30〜40mの体積の岩を掘ったのです。本港には車が通う道路もあり、その道路も同様に岩を掘って作っています。ダイナマイト発破などで掘り出したそうです。掘り出された岩・石の処分に困ってあちこち城壁のように、石垣を積み上げているのが、「夕日の広場」の答え。見事な石垣は絶景です。

おわりに、

南大東島名物の大東寿司は、サワラのヅケのにぎり寿司、冷えているとより美味しいです。深海魚ナワキリの汁やから揚げも人気の逸品。大東そばももちろんあります。甘味では、大東ようかん、あずき、えんどう、黒糖などがあり、どれも素朴な味。製糖業の悲願だったのが、島のサトウキビから作ったラム酒、「コルコル」の緑ラベルと赤ラベル。いずれも40度と25度があります。特に緑ラベルは世界的にも稀少なもの。

島内観光は、レンタカーかレンタサイクルが便利です。レンタカーなら1日、レンタサイクルなら1日半位でご紹介した以外にもたくさんある見どころを回れます。ふれあい広場前にはかつて、さとうきびを運搬した童話から出てきたようなシュガートレインもあります。この他、関連情報をMEMO欄に入れておきます。

「おじゃりやれ(いらっしゃいませ)」のやわらかいこころで迎えてくれ島民の方々はとても親切。島へのルートは那覇泊港から約13時間のフェリー船「だいとう」か、那覇空港から約1時間の琉球エアーコミューター。琉球エアーコミューターは乗客定員40名程で、1日2便です。現在離島ルートの飛行機を順次50名程度の新鋭機へ導入中です。貨物量も増えるので、マグロの運搬も強化されます。大自然と美しい海、暖かいこころで迎えてくれる南大東島へ旅してみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/17 訪問

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