写真:櫻井 れき
地図を見る哲学堂公園は、哲学者・井上円了によって明治時代に創設された、東京都名勝に指定されている公園です。こちらにはいくつかの入口があり、徒歩で新井薬師前駅から来ると一番近くにあるのが「四村橋口」です。
中に入ると大きな池と緑の映える広大な敷地が広がり、その自然いっぱいの環境は都会の中にいるのを一瞬忘れてしまうほど。園内にはさまざまな種類の花や木が植えられており、春には梅・桃・桜、初夏にはつつじ・あじさい、秋は紅葉など四季を通じて変化する情景が楽しめます。
写真:櫻井 れき
地図を見る広大な敷地内には、創設者の井上円了博士の哲学構想に基づいて名称のつけられた77か所の施設や空間が点在しています。園内の階段から丘の上に登ると「時空岡」と名付けられた公園の中心的存在である場所にたどりつきます。丘の上の平らな形は哲学の時間空間を表現しており、こちらにいくつかの建築物が集結しています。
まず「哲学堂」という名前の由来となったこちらの写真の「四聖堂」は明治37年4月に建立された四方正面の建築物で、釈迦・孔子・カント・ソクラテスといった四大哲学者を「四聖」と称して祀っています。
こちらには哲学の起点となり基礎となる「物」と「心」を象徴するものとして香炉と電球が置かれていました。また、中央には哲学的理想である「南無絶対無限尊」という言葉が刻まれた本尊である唱念塔が安置されています。
写真:櫻井 れき
地図を見る「四聖堂」の西側に建つ「六賢台」は明治42年11月に建立された建築物で、時空岡内でひときわ目立つ存在です。赤色塗り六角形、屋根の最上部には宝珠が付けられ、また棟瓦の一端には天狗が付けられています。
こちらには日本の聖徳太子・菅原道真、中国の荘子・朱子、インドの龍樹・迦毘羅仙といった東洋の哲学人である6人を「六賢」として祀っています。
写真:櫻井 れき
地図を見る哲学が宇宙の真理を研究する学問であるとの観点に基づき、講義室として大正2年10月に設けられたのがこちらの「宇宙館」です。堂内には聖徳太子立像が安置されており、屋根上部に烏帽子がついているのが特徴的です。
建物の横には「幽霊梅(ゆうれいばい)」と呼ばれる、井上博士宅の庭の敷地内より移されてきた梅が植えられています。博士が駒込に住んでいた頃、この梅の木の下に幽霊が現れると大騒ぎになったという何とも奇妙なエピソードがあります。
写真:櫻井 れき
地図を見る公園の北西方面には豊かな緑に囲まれたテニスコートが6面、野球場、そして弓道場があります。四季に応じてさまざまに変化する自然の風景が見られ、開放感いっぱいで気持ちのいい環境です。それぞれの施設には温水シャワー付きの更衣室、テニスコートと野球場には照明塔など、充実した設備が利用できます。
また、野球場は小・中学生のために毎週水曜日の15:00〜17:00(11月〜2月は14:00〜16:00)に無料で開放されています。
哲学と聞くとなんだか難しいような気がしますが、個性のある建築物や空間を見るだけでもじゅうぶん不思議な気持ちをかきたてられ、魅力を感じられることでしょう。興味を持った!哲学堂についてもっと知りたい!そんな方のために、管理事務所では哲学堂公園の魅力や、文化・歴史が満載された哲学堂ガイドマップも販売されています。
都会の中に広がる大自然、歴史ある建築物を楽しみたい方はぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いたナビゲーター
櫻井 れき
東京在住の主婦ナビゲーター、櫻井れきです。タイ・バンコクの情報を中心にお届けしております。たまにパタヤやホアヒンなど、地方の記事も。特にバンコクの記事では、都心から少し離れたローカルエリアの穴場スポッ…
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