文明開化はここから!?東京「日比谷公園」で感じる西洋文化の芽吹き

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文明開化はここから!?東京「日比谷公園」で感じる西洋文化の芽吹き

文明開化はここから!?東京「日比谷公園」で感じる西洋文化の芽吹き

更新日:2016/04/26 11:02

浅井 みらののプロフィール写真 浅井 みらの 総合旅行業務取扱管理者、全国通訳案内士(英語)、世界遺産検定2級

今でこそ憩いの場として認識されている「公園」。このアイデアが生まれたのは、実は明治時代だったことはご存じでしょうか。東京都、皇居の隣に位置する「日比谷公園」は、国内初の洋風近代式公園として明治36年(1903年)に開園。国民が気軽に西洋文化に触れられる最先端の場所という役割を担い、開園当時には長蛇の列が並んでいたなんて驚きですよね。今回は、今でも当時の雰囲気を感じられる日比谷公園をご紹介します。

モダンガール&モダンボーイの憩い場

モダンガール&モダンボーイの憩い場

写真:浅井 みらの

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国内初の洋風近代式公園を造ろうと取り組んだ際、登場したキーワードが「3つの洋」です。この3つの洋が、当時の日比谷公園を特別な場所にしました。1つ目の洋は、公園と同じく明治36年にオープンした日比谷松本楼の人気メニュー「洋食」です。

“松本楼でカレーを食べてコーヒーを飲む”ことが、流行に敏感だったハイカラさん達の過ごし方。嬉しい事に現在でも松本楼でカレーを食べられます。今では定番化したカレーですが、限られた場所でしか食べられなかった時代のことを思い食べると、より味わい深くなりますね。テラス席もあり、晴れている日は木漏れ日が気持ちよく、お勧めですよ。

自然の中に溶け込んだ会場

自然の中に溶け込んだ会場

写真:浅井 みらの

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公園内名物「首かけイチョウ」はじめ、ウメやスズカケノキ、マツなど約3,200本の緑に囲まれているのも日比谷公園の魅力のひとつです。そして、ここまで開放的で、木々がうまく溶け込んだ野外コンサート場は他にないのではないでしょうか。大・小2つある日比谷野外音楽堂。小音楽堂は明治38年に完成し、日本最初の野外音楽堂といわれています。

当時より軍楽隊の定期演奏会が行われ、人々は公園に響き渡る音を楽しんでいました。そう、2つ目の洋は「洋楽」です。この文化は今でも引き継がれ、毎年春と秋、警視庁音楽隊と東京消防庁音楽隊が水曜日と金曜日に演奏を行います。入場無料、入場自由とこちらも開放的!クラシックからポップスまで、幅広いお客様が楽しめる人気なコンサートです。

四季折々、違った表情を見せるスポット

四季折々、違った表情を見せるスポット

写真:浅井 みらの

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公園が開園した当時は明治時代。長年の鎖国が終わった後ですので、多くの日本人は欧米のものが、とても新鮮に見え、馴染みがないものばかりでした。植物もその1つ。3つ目の洋、最後は「洋花」です。

日比谷公園、桜門目の前にある第一花壇。幾何学文様は開園当時のデザインで、バラを主体に中央にシュロを植えるなど、海外の植物を積極的に植えていきました。日本最初の洋式庭園と呼ばれ、2羽のペリカンのくちばしから水が出る噴水も洋風の装飾噴水として、当時珍しがられたものです。今でも四季折々の花を楽しめる素敵な花壇です。

新緑を舞う、日本を代表する鳥

新緑を舞う、日本を代表する鳥

写真:浅井 みらの

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洋食・洋楽・洋花とこの3つの洋以外にも、明治時代に築かれた貴重なものがまだまだありますよ!有楽門の目の前、雲形池(くもがたいけ)に建つ「鶴の噴水」。明治38年頃、東京美術学校の津田信夫氏、岡崎雪声氏が制作したものです。装飾用噴水としては3番目に古い歴史があります。両羽を力強く広げ、天高く水を出す姿がとても勇ましいですね。

春は桜、新緑に囲まれ、秋は紅や錦など紅葉が背景となり、四季それぞれとの組み合わせを楽しめます。特に寒い冬は鶴につららが下がり、日比谷公園の冬の風物詩となっています。池の周りにはベンチやパティオがありますので、休みつつ周りの景色を見渡してみるのはいかがでしょう。

水飲み場。でもヒト用ではありません

水飲み場。でもヒト用ではありません

写真:浅井 みらの

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今の時代では珍しく、当時の雰囲気を感じられるのが「馬の水飲み」です。公園が開園した当時、照明灯と同じデザインで作られました。当時の主要交通として、いかに馬が頻繁に利用されていたかが分かりますね。細部まで残っている装飾からは、水飲みとは思えない重厚感が感じられます。

公園を設計する際のエピソード

日比谷公園が24時間出入り可能、常時開園公園ということをご存知でしょうか。公園を設計する際、各門に扉がないということで治安面や植物の盗難を懸念する声が確かにありました。しかし、日比谷公園の設計者であり、日本の造園学の祖とも言われる本多静六(ほんだせいろく)氏はこう答えます。「公園の花を盗まないくらい公徳心がなければ日本は終わりだ。公園はひとえに、その公徳心を養う教育機関の1つになる。花を盗む気をなくすほど、大量の花を私は公園に植えよう」本多氏の日本初の公園に対する情熱が伝わってきますね。

開園当時は西洋文化を広める役割を担い、今ではオフィス街の憩いの場としてサラリーマンだけでなく、家族連れや観光客まで訪れます。多くの方に長い間親しまれているからこそ、2015年にミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにも掲載されたのではないでしょうか。先人の情熱とこだわりが今でも感じられる日比谷公園、公園と一言で表すにはもったいないほど魅力的な場所ですよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/19 訪問

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