京都鉄道博物館のエントランスを入ると、懐かしい車両が出迎えてくれます。それは蒸気機関車のC62と、オレンジとグリーンの湘南電車。その向こうには、おなじみ0系新幹線も見えます。でもただ展示しているだけではありません! それぞれの車両の後ろにはちゃんと別の車両が連結されています。そう、列車編成としての保存。ちょうどホームに停車中の列車にいま乗り込もうとしている状態を再現しているのです!
例えば、SLの後には戦前の寝台車、食堂車が連結。寝台車の一部は寝台がセットされていて往時の姿がよくわかります。そして新幹線は登場時の転換シートの普通車に、ゴールデンイエローモケットのグリーン車、それにビュッフェ車など4両編成がいまにも動きそうに展示。奥のブルートレインの食堂車ではお弁当の販売もされています。
本館に入ると鉄道の歩みから順を追って回ることになります。まず目に入るのが国の重要文化財(美術工芸品)に選定された233号蒸気機関車。磨き抜かれて輝いています。壁には昔懐かしいヘッドマークが掲示され、単に眺めるだけではなく、本をめくるような案内書があるので是非、自分の手でめくってみましょう。色々さわって体験することによって、自然と鉄道の歩みが理解できる仕掛けになっているんです。
1階フロアの中央付近には「昭和乃駅」と言う木造の懐かしい駅舎があり、駅前広場には軽三輪のミゼットが駐車していたり、昭和の駄菓子屋をイメージした売店があったりと、車両展示に留まらずその時代の景色が再現されています。
さらに奥に進むと「鉄道のしくみ」のエリア。本物の機関車の下にもぐり、下から機関車の構造を確認できたり、列車は曲線区間でなぜ脱線せず、うまく曲がれるのか、など実物と模型で解説され、さらに触れて体験して理解が深められるようになっているのです。
本館2階の目玉は二つです。30m×10mの巨大ジオラマでは、JR西日本の車両に限らず全国のJRはもとより私鉄の代表的な車両も走っています。ジオラマ内の建物が一回り小さく作られているのは、小さな子供たちでも奥まで見渡せるようにとの配慮から。ここでは約20分、JRの一日をドラマ仕立として演出した運転を満喫できます。
そして絶対外せない一番人気は実物そっくりの運転台で列車を運転するシミュレーター。まさに体験型のイチオシ! シミュレーターは8台あり交替時間も含め1回約10分。JR西日本の制服の上着と帽子(女性用もあり)も用意されているので、気分は運転士そのもの!指差称呼で運転士になりきれること間違いなし! ただし、大人気なので整理券が必要となります。入場時に整理券の入手方法をインフォメーションで確認することを忘れずに!
その他2階では「運行のしくみ」、「生活と鉄道」をテーマにした体験型の駅施設の案内など盛りだくさんの展示があります。そして一番奥のレストランからは、梅小路構内と奥を走る新幹線在来線の列車が一望できますよ。
3階に上がると展望デッキ「スカイテラス」が出迎えてくれます。
「0系新幹線」と「関空特急はるか」やJR西日本の在来線新快速電車などがひっきりなしに走る姿は、京都ならではの絶景です。
スカイデッキには、列車位置情報システムが設置されているので、付近の列車が実際どこを走っているのか一目瞭然! 表示される列車番号から「いま特急サンダーバードが京都駅を発車した」など手にとるようにわかるのでシャッターチャンスを逃しません!
またスカイデッキ南側のすぐ下は梅小路貨物駅。コンテナの積み卸し作業も眼下に観察できますよ。東にはJR嵯峨野線の築堤とその下に走るスチーム号、そして圧巻は扇形庫に佇む蒸気機関車たちです!
スカイデッキから続く連絡デッキでは、眼下に扇形車庫と蒸気機関車群を望むことができ、さらにここならでは、梅小路運転区内のSL第2検修庫が見渡せます。ここでは、普段は見ることができない蒸気機関車の検査修繕作業を目の前で見ることができるんです。
デッキから地上に降りると先ほど上から眺めた扇形庫に佇む蒸気機関車たちを、目の前で見たり触ったりすることが出来ます。中には実際に火が入り蒸気を出してその熱を直に感じることが出来る機関車も。蒸気機関車がまるで生き物のように思える瞬間です。
JR嵯峨野線の築堤の下にはSLスチーム号のトロッコの乗車ホームがあります。日によって牽引する蒸気機関車は違いますが、SLミニトリップを体験することも出来ます。
館内見学のゴールとなる旧二条駅舎は、明治37年に建設された日本最古級の木造駅舎で、京都市指定有形文化財に指定されています。その駅舎の中にはお召し列車の装飾展示や、山陰線時代に使用されていた閉塞装置などの展示も。またミュージアムショップも併設されているので、最後に記念グッズを買い求めるのもおすすめです。
京都鉄道博物館は日本最大級の博物館で館内はとっても広く、じっくり見て回るととても一日では回りきれません。効率よく回るためには是非、京都鉄道博物館のWEBページなど事前チェックをすることをおすすめします。
また本館周辺には、梅小路公園、京都水族館等の観光スポットもあるので合わせてプランを練るのもおすすめですよ。
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