更新日:2016/04/26 16:15
写真:瀧澤 信秋
地図を見るホテルは料金帯やスケールなどでカテゴライズできます。シティホテルやビジネスホテルといった区別をはじめ、リゾートホテルといったカテゴリーは馴染み深いでしょう。シティホテルの中でも、ラグジュアリー型やデラックス型といった分類や、ビジネスホテルでも付加価値型や低廉型といった分類もできます。
ホテル業界は活況を呈し、特に都市部ではホテル間の競争も激化しています。そのような中で、従来のビジネスホテルやシティホテルといったカテゴリーではなく、新しいコンセプトで注目される「コンセプトホテル」が増えているのです。
“選ばれるホテル”になるために、斬新なコンセプトを打ち出すことを重視するホテルが増えているということなのでしょう。そうした意味で SHIBUYA HOTEL EN は“コンセプトホテルの新たなスタイル”を創出したホテルとも言えます。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る業態や料金帯からのホテル区分にかかわらず、独自のコンセプトを打ち出すホテルが「コンセプトホテル」だとすれば、SHIBUYA HOTEL EN はコンセプトホテルの極みともいえるホテルです。
賑やかな渋谷の街に佇むシックな外観からは想像がつかない、「本当に泊まれるの?」と思ってしまう斬新なホテルです。1階にはエントランスとレストランがあります。アバンギャルドなテイストで確かに進化系!と感じますが、2階から9階までの客室8フロアは、全く異なる「和」がテーマなのです。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る各階のテーマは、2階「漫画(MANGA)」、3階「手ぬぐい(TENUGUI)」、4階「あじき路地(Ajiki-roji)」、5階「北斎 赤富士(Hokusai Red-Fuji)」、6階「能舞台(Noh stage)」、7階「千本鳥居(Senbon Torii)」、8階「森羅万象(Universe)」、9階「和(Wa)」。
印象的なテーマばかりですが、特に「能舞台」や「千本鳥居」など、"和にいきづく静"とも言えるオーラで圧倒。いずれの階もエレベーターを降りた瞬間、あっ!と驚く空間が広がりワクワクします。
サービス業で特異なコンセプトの打ち出しで、エンターテインメント性を全面に謳わせているケースは時々見かけます。しかし、SHIBUYA HOTEL EN は、驚きやワクワク感の中にあって「和」を打ち出すことで、敢えて「静」に重きが置かれています。ゲストが滞在するホテルにとって「静」たることは実に大切な要素なのです。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る8フロアの中でも衝撃なのは、2階の漫画(MANGA)です。渋谷駅前のスクランブル交差点からホテルまでの道案内が、フロアの壁全体を使って表現されています。「MANGA」は世界で親しまれている言葉といわれますが、日本のアニメが世界から注目されている証でしょうか。
5階には、葛飾北斎の代表作「富獄三十六景」がテーマ。エレベーターを降りた正面に、赤富士で知られる名作「凱風快晴」。日本の庶民文化を語り継ぐ浮世絵が登場、北斎の世界に迷い込んだような錯覚に陥ります。
写真:瀧澤 信秋
地図を見るそんな突出したコンセプトから一転、木や石など、素材の質感を生かした空間づくりの客室はリラックス度満点です。落ち着いた雰囲気の客室に刺激的なパブリックスペース。そんな対比が、非日常感やワクワク感を生んでいるとも言えるでしょう。
ホテルの客室にとって“眠り”は肝心ですが、英国スランバーランドの最高峰「グランスイート」を全室のベッドに採用。快眠が約束されています。また、ミストサウナを備える客室もあり、渋谷の中心にあって温もりを感じる空間に癒やされます。
ホテルは、旅人を癒やしや元気を与える場所です。一見インパクトが大きいホテルですが、コンセプトホテルの非日常感にして、「静」も大切にすることで、客室にステイするとホテルとしての機能が一級であることを感じます。新たなホテル文化の発信を試みようとするSHIBUYA HOTEL ENでワクワクドキドキのホテルステイはいかがですか?
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この記事を書いたナビゲーター
瀧澤 信秋
ホテル評論家 旅行作家、JTWO一般社団法人日本旅行作家協会正会員、JALF一般財団法人宿泊施設活性化機構理事、JARC一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード、Yahoo!ニュース(個人)オ…
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