写真:井伊 たびを
地図を見る「利根川」は「大水上山(群馬県)」を源とする日本を代表する一級河川だ。流域面積日本一で、「坂東(関東)にある日本で一番大きい川」を意味する「坂東太郎(ばんどうたろう)」の異名を持ち、東京都を始めとする首都圏の水源となっている。
群馬県あたりでは、おおむね南へと流れ「烏川」との合流後は、東に流路の向きを変え、群馬県と埼玉県の境を流れる。そして、「江戸川」を分流させた後、おおむね茨城県と千葉県の県境を流れ太平洋へと流れ込んでいる。
昔、ここ茨城県取手(とりで)付近での「利根川」は、現在より南側に大きく蛇行していた。ところが、明治の末、国はこの地区を氾濫による水害から守るため、流れを直線に変える大改修工事を行った。
そこで、それまで取手側に位置していた「井野村小堀地区」は、新しい河川の南側(千葉県側)へと分断されてしまった。生活に不便をきたした小堀地区住民は、自ら「渡し」を運航し始めた。それが、いまの「小堀の渡し」の起こりである。
写真:井伊 たびを
地図を見る小堀地区住民自らの手で始まった「渡し」は、その後昭和42年に取手町営となり、平成11年に取手市営の「小堀循環バス」が開始されるまで、小中学生の通学や住民の生活の足として活躍した。
その後は小堀地区の住民に限らず誰もが乗船できる「小堀の渡し」となり、常磐線鉄橋下に国土交通省の巡視船の桟橋ができたのに伴い、「小堀の渡し」も「小堀地区」と「運動公園駐車場前」の往復だけでなく、「取手ふれあい桟橋」を加えた3点で、運航されるようになった。
写真:井伊 たびを
地図を見る「小堀の渡し」には、乗船できる箇所が3ヵ所ある。それは、「取手ふれあい桟橋(常磐線鉄橋下)」「取手緑地運動公園駐車場前」と、「小堀側船着場」である。3点を一周するには、それぞれの停船時間を含めればおよそ50分かかる。
毎週水曜日が運休日で、12月29日〜1月3日と天候による臨時運休以外は、毎日およそ1時間ごとに運航されている。
写真:井伊 たびを
地図を見る「とりで号」には、一度に12名まで乗船できる。また、自転車(原動機付も含む)も一緒に載せられるので、サイクリングコースの一部にも利用可能だ。ちなみに、利根川サイクルステーション(常磐線取手駅より徒歩5分)で、レンタサイクルがゲットできる。ただし、毎週土・日・祭日に限る(12/1〜3/16は休み)。詳しくは「取手市・水とみどりの課」まで。
写真:井伊 たびを
地図を見る水面ぎりぎりをかすめてゆく水鳥。天高く囀るひばり。ときには水面に跳ね返る光。両岸辺を彩る樹々たち。季節折々に移り変わる自然を、頬で感じる船旅が、手軽に味わえるのが魅力。
力強いジーゼルエンジンの爆音が、少しも場違いに感じさせないのは、きっと「坂東太郎」の大きな懐に抱かれているからだろう。気持ちを大らかにしてくれる「小堀の渡し」は、日頃のストレス解消、気分転換にもイチオシだ。
取手市は、この「小堀の渡し」をもっと大勢の人に楽しんでいただくために、約2時間のミニツアーを、事前申し込み制により実施している。そのミニツアーは、平成28年4月〜10月までの毎週・月曜・火曜・木曜・金曜に実施されており、渡し船に乗船し、小堀と取手緑地運動公園を、単に往復するだけでなく、「渡しの由来」の説明や、古利根沼の河岸跡周辺の案内もしてもらえる。
ところで、このミニツアーに参加するには、3名〜6名までのグループ単位で、1週間前までに「取手市・水とみどりの課」まで、電話で申し込みする必要がある。
そもそも「小堀の渡し」に乗船すること自体、お子様連れのご家族にも、シニアのお友達同士にも、若い恋人同士にもオススメできる非日常的体験だ。水面をかすめる爽やかな風を、頬にいっぱい受け季節を感じながら進みゆくミニ船旅は、人それぞれの日常から、抜け出しリフレッシュする効果満点!
「船で利根川を渡る」という、非日常的なドラマチックメモリーを、あなたのいい人へのサプライズプレゼントにしてみてはいかがだろう?
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この記事を書いたナビゲーター
井伊 たびを
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