八ヶ岳山麓の南側には、八ヶ岳の伏流水がコンコンと湧き出る八ヶ岳南麓高原湧水群があり、日本名水百選に指定されています。その代表となるのが「三分一湧水」。ＪＲ小海線甲斐小泉駅から徒歩１０分の場所です。湧出量は１日８５００トン、水温は年間を通して１０℃前後です。
上流側から流れ込む湧水を、真ん中に三角形の石を置いた四角い枡に流し、下流の三方向に分岐させています。農業に欠かせない湧水の水争いを解決するために、三方の村に三分の一ずつ平等に分配できるように築いた歴史的な遺産です。まさに先人の知恵のシンボルと言えます。
三分一湧水の周辺は、元は代々「水元」と敬称され、湧水の維持管理を務めた坂本家の所有地でしたが、平成１４年に町に譲られ、公園として整備されました。
三分一湧水から北西約１.５ｋｍ先には、湧出量１日１００００トンの女取湧水があり、こちらも農業用水に利用されてきました。女取（めとり）の名の由来には、昔の悲しい恋の伝説があります。
三分一湧水のすぐ隣にある施設が「三分一湧水館」。展望台を兼ねた農村資料館、農産物加工販売施設、そば処三分一が一体化した複合施設です。
農村資料館３階の展望ホールは、富士山や南アルプス、八ヶ岳が望める絶景スポットでもあります。
また、三分一湧水館では、自然エネルギーを積極的に取り入れて、太陽光発電や湧水を利用した水力発電、風力発電の設備を設けています。
農産物直売所「ファーマーズマーケット三分一」では、湧水を利用した農地で栽培された新鮮朝採り野菜やお米などが販売されています。また、ほうとうや鳥モツ煮、甲州ワインなど山梨のお土産品も充実しています。
他店では手に入りにくいお薦めのお土産品は、米粉を使用したふわふわのシフォンケーキや、大泉町のいずみきのこ園のしめじ佃煮等のキノコ製品です。
三分一湧水館のもう一つの魅力的な施設が「そば処三分一」。通常は二八そばですが、お薦めは、限定品の十割そば。地元産そば粉を名水三分一湧水で打ったそばは、細めでみずみずしいため、十割とは思えないほどののど越しの良さで、そばの風味も程よく、お薦めです。特に秋の新そばの時期は混雑しますので売り切れにご注意を。
お店のすぐそばには、飲料水として八ヶ岳の水が流れ出ています。こちらは、女取湧水の水で、まろやかな軟らかい水質です。
三分一湧水の道路を挟んだ向かい側に、もう一軒の魅力的なお店があります。山梨県銘柄牛の甲州牛を販売するお肉屋さん「ミート池田」。ここは三分一湧水を訪れる観光客が「絶対に外せない！」というお店で、もはや三分一湧水に負けないほどの名所といっても過言ではありません。大人気なのは、メンチカツ”イケメンチ”。甲州牛の香りが広がりとても美味。税抜き２００円と高めですが、買って損はしません。ワインビーフコロッケ 税抜き１００円もぜひご一緒に。他にもチャーシューや馬刺しなど魅力的なお肉が並んでいます。
お隣は直営の焼肉店「肉ダイニング天」が棟続きでつながっています。焼肉だけでなく、ステーキや甲州牛カレーなども味わえます。
八ヶ岳山麓の清里高原と小淵沢を結ぶ八ヶ岳高原ラインからは、小荒間の交差点から甲斐小泉方面へ下ると、ＪＲ小海線の踏切の先に三分一湧水が現れます。先人の知恵 三分一湧水の魅力を堪能してみてはいかがですか？
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(2024/4/19更新)
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