写真:櫻井 れき
地図を見る昭和のマンガ家たちが青春時代を過ごした街・椎名町(現・南長崎)。当時の面影が今も残るこの街は現在、豊島区がトキワ荘のあった街として力を入れているエリアでガイドブックやマップを制作しています。
「トキワ荘通り」と名付けられたこの通りには住宅と商店が混在しており、大通りの目白通りへとつながっています。通り沿いには店先のラックに散策マップを置いている商店がいくつかありますので、まずはこれをゲットしましょう。一番手に入りやすいのは、後にご紹介する「トキワ荘通りお休み処」です。
マップを広げると、トキワ荘に暮らすマンガ家たちが足しげく通っていた店や銭湯などの跡地や、現存するお店等が紹介されています。他にも、モニュメントや記念碑が設置されている場所も載っています。
まずはこれを片手に散策を始めましょう!
写真:櫻井 れき
地図を見るのちに"マンガ家たちの梁山泊"と呼ばれるようになった「トキワ荘」は、1952年12月に棟上げされた木造2階建てのアパートです。
今でこそ昭和の巨匠と呼ばれるマンガ家たちも、作品がボツになっては泣いたり、連載が決まれば笑ったり、時にはここに暮らす仲間たちと酒盛りをしたり、と忙しくも楽しい青春時代を過ごしたのです。しかし残念なことに、この建物は1982年に老朽化のため取り壊されてしまいました。
現在この跡地には出版社が建っており、マンガ家たちがそんな泣き笑いをして過ごしたトキワ荘の面影はなくなってしまいました。
そして、今こちらには2012年に設置されたトキワ荘の建物を模した石造りのモニュメントがあります。このモニュメントは出版社の敷地内の奥まったところにあるので多少見つけにくいかもしれませんが、近所の方たちに尋ねると親切に教えてもらえますよ。
写真:櫻井 れき
地図を見るトキワ荘通り沿いの「南長崎花咲公園」には、2009年に豊島区と地域が協働して設置した「トキワ荘のヒーローたち」と名付けられた記念碑があります。
上部にはブロンズ製のトキワ荘の模型が乗り、台座部分にはトキワ荘で暮らしたマンガ家たちの自筆の似顔絵とサインが刻まれています。
このトキワ荘の記念碑をよく見ると、玄関先にスクーターが停まっているのがわかります。こちらは当時ひんぱんにトキワ荘を訪れていたマンガ家つのだじろうの愛車です。トキワ荘に足しげく通っていたマンガ家も多くいました。このようなマンガ家は「通い組」と呼ばれ、つのだの他に永田竹丸、園山俊二などがおり、トキワ荘の住人だけではなく「通い組」もあわせてトキワ荘の青春を彩ったのです。
写真:櫻井 れき
地図を見るトキワ荘の住人たちが青春を過ごしたこの界隈には数多くのゆかりの地がありますが、そのほとんどは現存するものがなく、跡地に説明板が設置されているのみです。
しかし、今なお残るゆかりの地もあります。それは、トキワ荘の住人たちが通い、時には出前をとったラーメン屋「松葉」です。黄色い看板と屋根に赤文字で店名が大きく記されており、かなり目立つ外観のお店です。
こちらは藤子不二雄A作品の『まんが道』にひんぱんに登場するラーメン屋で、上京したばかりの藤子・F・不二雄、藤子不二雄Aたちが初めてここで東京のラーメンを食べて「ンマ〜イ!」と絶賛の声をあげたエピソードがあります。その様子は店先に貼ってある『まんが道』の1シーンのページでわかります。
写真:櫻井 れき
地図を見るこちらは2013年にオープンしたトキワ荘通りの案内施設です。
1Fにはマンガ家たちのサインがずらりと並び、また自由に読めるマンガスペースや物販もあります。2Fは展示スペースとなっており、トキワ荘に関する展示があります。トキワ荘のリーダー・寺田ヒロオの部屋を再現した展示もあり、こちらは必見です!
なおこちらの施設は無料で利用できますので、歩き疲れたらこちらで見学がてら休憩をとりましょう。
ここでご紹介したトキワ荘ゆかりの地は、ほんのごく一部です。ほかにもマンガ家たちが通った喫茶店、映画館、銭湯の跡地や、トキワ荘にまつわる作品に登場する場所など、探してみるとたくさん見つかるでしょう。
「トキワ荘通り」へは西武池袋線・椎名町駅、東長崎駅または都営大江戸線・落合南長崎駅から徒歩で行かれます。
目白通り沿いを歩くと道が二股にわかれており、そちらに交番が建っています。こちらは地元の人に「二又交番」と呼ばれ、「トキワ荘通り」への目印となっています。
さて、「トキワ荘通り」を散策するにあたって注意事項があります。
この地域はあくまでも一般の商店街や住宅地ですので、節度のある散策をするようにしましょう。かなり交通量の多い通りですので、写真を撮影するときなど特に注意してください。
「トキワ荘」のあった街は、今もなお昭和のマンガの巨匠たちの息遣いが聞こえてくるようでノスタルジックな気分になることまちがいなし!
興味を持たれた方、ぜひ一度訪れてみては?
※文中の"塚"は旧漢字
※文中の"A"は○の中にA
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この記事を書いたナビゲーター
櫻井 れき
東京在住の主婦ナビゲーター、櫻井れきです。タイ・バンコクの情報を中心にお届けしております。たまにパタヤやホアヒンなど、地方の記事も。特にバンコクの記事では、都心から少し離れたローカルエリアの穴場スポッ…
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