写真:ろぼたん
地図を見るパリ郊外ノルマンディー地方に位置するジヴェルニー村には、印象派絵画の巨匠クロード・モネが晩年を過ごした家があります。花咲く美しい季節、4月〜10月末の間だけ一般公開されるこの庭とアトリエのある邸宅は、モネが43歳からちょうど生涯の半分を過ごした場所です。
創作以外のほとんどの時間を庭仕事にあてていたといわれるモネ。創造力のままに一生をかけて改良を重ねてきたモネの庭の見所は、四季折々の花々や、日本風の庭園、そして忘れてはならないのが、名作のモデルとなった『睡蓮』です。
日本びいきであったといわれるモネの邸宅には、たくさんの浮世絵画も。庭園からも和の世界感をどことなく感じることができ、モネの感じた「和」が彼の視線を通してこの庭で昇華されているかのようです。ジヴェルニーのモネの庭は、まさにモネが描いた絵画の中の世界に自分が迷い込んだ…そんな気分になれる場所です。
写真:ろぼたん
地図を見るモネをはじめ印象派の画家達は「移りゆく瞬間」を描き出そうとしました。その探求を行ううちに旧来までの絵画の描き方からも脱却。アトリエから出て仕上げを含めて外で一気に描き上げるようになったのも印象派の特徴です。
離れてみると線のように見えるものも、近づくと色の点であるというような描き方をした「筆触分割」という技法も特徴的。パレットの上で色を混ぜずに原色の点で描くことで色が輝くように見える効果があります。
そうした技法を用いて光の追求をした印象派のモネは、太陽の光がキラリと水面で輝く瞬間、その移りゆく時間を描こうとするあまり「連作」にいきついたといわれています。
写真:ろぼたん
地図を見るモネの描いた「見えたままの一瞬の輝き」をとらえた大作に出会える場所がパリにある「オランジュリー美術館」です。真っ白な柱と床、天井から自然光が降り注いでくる明るい館内、モネの『睡蓮』が展示されている場所は、これだけが楽しめるようにシンプルにそして大胆な展示がされています。
ふたつの楕円形の大広間の壁いっぱいに8点の大きな『睡蓮』が。まるでジヴェルニーのモネの庭にいるかのよう。モネは『睡蓮』のモチーフを数多く描いていますが、モネが描きたかったのはコレだったのかとその世界観に圧倒されますよ。
写真:ろぼたん
地図を見るパリの中心部にあるチュイルリー宮殿のオレンジ温室として19世紀半ばに建てられたオランジュリー美術館は、『睡蓮』をモネの目指した自然光の中で鑑賞できるように、2006年に大規模な改修工事が行われました。これによってモネの『睡蓮』がより一層輝きを増すことに。
展示室の真ん中に置かれたベンチに腰掛ていると、天窓から降り注ぐ自然光の強さやあたる角度によって絵画の世界もまた違って見えて、何時間でもその世界に浸っていられそうです。
オランジュリー美術館は、このモネの晩年の大作『睡蓮』と、ウォルター・ギヨーム・コレクションを展示する2部展示で、印象派、フォーヴィスム、キュビスムに至る名作も鑑賞することができますよ。
写真:ろぼたん
地図を見る「パレットに黒がない」と言われたモネの鮮やかで優しい色使いと光輝く瞬間を閉じ込めた絵画の世界をとことん味わうなら、同じパリ市内にある「オルセー美術館」や「マルモッタン美術館」へ足を延ばすのもオススメ。どちらも「印象派」の作品を多く収蔵したフランス有数の美術館ですよ。(写真はオルセー美術館収蔵の『睡蓮』)
「現実を見えたままに」描こうとする写実主義的な傾向の「印象派」の絵画は発表当初は全く評価されませんでした。当時「印象派」が酷評されたのは「仕上げの粗さ」が原因だといわれています。
しかし受けた印象そのままの瞬間を描いた作品は、現在の私たちの心を揺さぶる作品となって時を超えて輝いています。日本でもモネの絵画に出会う機会はありますが、モネがとらえようとした一瞬の輝きを体感できるのが、フランス・モネの庭とオランジュリー美術館です。写真では味わえない本物の光の芸術に出会いに、モネ『睡蓮』の世界を訪れてみませんか?
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(2024/3/29更新)
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