明治維新まで福江、久賀、奈留、若松、中通の主島5島を治めた五島氏の旧城下町として栄えてきた福江市がある五島列島の主島、「福江島」。この島へのアクセス方法は、長崎・福岡からの船と飛行機がありますが、オススメなのは長崎港から約90分で到着できる「ジェットフォイル」です。往復10,380円(長崎〜福江)といささか割高感はあるものの、フェリーだとおよそ3時間かかるので、効率よくアクセスしたい人には便利です。
ちなみに飛行機利用の場合は、長崎空港から30分、福岡空港から40分で五島福江空港に到着することができます。
福江島を代表するホテルの一つ「コンカナ王国」からも近い海沿いに位置しているのが、「鐙瀬溶岩海岸」(あぶんぜ)の展望台です。ここは、360度の素晴らしいパノラマビューが目の前に広がる絶好のスポット。標高315mの「鬼岳」の大昔の噴火で流出した溶岩が海に流れ込んで独特の景観を造りだしていて、このゴツゴツした溶岩の情景は遠く離れたハワイ島の海沿いの地表のような様相を呈しています。
そして、展望台の後方に雄大に広がっているのが、福江島のシンボル的な存在の「鬼岳」です。表面が芝で覆われ、高台にある公園のような雰囲気の山の上からの眺望も絶景!特に、稜線から望む夕陽の美しさは思わず息を呑むほどの感動を与えてくれます。
福江港から車で1時間ほどの玉之浦にあるレンガ造りの建物が、信仰の聖地として知られる「井持浦教会」です。ここは1895年、フランス人宣教師ペルー神父によって建立されたロマネスク様式の教会。教会境内にはフランス南西部にある聖母マリアの出現で有名な霊泉ルルドを模して1899年に造られた、日本初の「ルルドの洞窟」があります。
五島全域の信徒が島内の奇岩・珍岩を持ち寄り、聖母像は本場ルルドの聖母像を求めて洞窟に収め、さらにフランス本国から霊水を取り寄せ、洞窟横の泉水に注ぎ入れて完成させた洞窟内では、聖母マリア像が慈愛に満ちた表情で微笑んでいます。弾圧に耐え忍んだ島の深い信仰の歴史を今に伝える聖地として、現在も全国からの敬虔な巡礼者が祈りを捧げるために訪れる場所でもあります。
五島屈指の景勝地として全国的に名高い場所が、「大瀬崎断崖」。東シナ海の荒波に削り取られる形でできた高さ100〜160mの断崖が約20kmにわたって続く、見事なスケールのビューポイントです。
断崖の突端にある白亜の灯台が、日本最後の夕陽を見ることができる灯台として知られ、「日本の灯台50選」にも選ばれている「大瀬崎灯台」。この美しい「大瀬崎灯台」こそが、映画『悪人』の重要なシーンに何度も登場した灯台であること、先端の灯台がある場所まではとんでもない距離があること(片道30分程度)はおそらくこの場所を訪れた人のみが、この、ダイナミックな景色と共に五感で感じ取ることができる特権のはずです。
この灯台は、200万カンデラという日本最大級の明るさで海を照らし、沖合約50kmを航行する船舶に安全を届け続けています。
なお、映画『くちびるに歌を』にも、福江島をはじめ、五島列島の様々な美しい景観が使われています。
また幕末に建てられ、わずか9年で壊された福江港近くの「石田城址」には、石垣や堀、門などが今も残り、すぐ近くの武家屋敷通りには小さな玉石を積み上げた立派な石垣塀が続いています。これは、玉石が崩れることで侵入を阻む、昔ながらの知恵が活かされたものです。
ダイナミックで美しい景勝地や「祈りの島」としての悲しい歴史を今に伝える見所スポットが点在する五島列島は、日常の喧噪に疲れてささくれだったた皆さんのハートを優しく包み込んで癒やしてくれるあたたかな島です。
「福江島」の道路は整備されていますが、アップダウンがあるので、できればレンタカーや観光バスの利用がオススメです。福江島から他の島への連絡船も出ているので、できれば時間をかけてゆっくり巡り、五島列島の魅力と歴史にドップリ浸かってみたいものです。また、日本三大うどんとして有名な「五島うどん」を食べてみることをお忘れなく!
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(2024/10/13更新)
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