写真:肥後 球磨門
地図を見る山口県長門市仙崎は日本海に面した町で、中国自動車道「美祢IC」からおよそ1時間で到着できます。仙崎は童謡詩人金子みすゞが生まれた町で、彼女が幼少期を過ごした書店「金子文英堂」の跡地に生誕100年を記念して2003年(平成15年)に「金子みすゞ記念館」がオープンしました。書店を再現した建物の2階には、金子みすゞが生活した部屋もつくられ当時の様子をうかがうことが出来ます。再現された書店の奥にある本館では、 直筆の詩や着物など遺品を見学でき、パネル展示などで金子みすゞの生涯について知ることが出来ます。
26年という短い生涯に512編の詩を残し、その作品が館内のところどころに掲げられ『金子みすゞ』の詩の世界に入り込めます。彼女からの大切なメッセージのような詩を読みながら彼女の生涯を偲んでみてはいかがでしょうか。
写真:肥後 球磨門
地図を見る『金子みすゞ』が愛した青海島(おうみじま)は、仙崎と青海大橋で結ばれる周囲40kmの島です。島の北側はおよそ16kmにわたって日本海の荒波に削られ、「象の鼻」と呼ばれる岩をはじめ数多くの奇岩が雄大にそびえ立ち「海上アルプス」と呼ばれています。コバルトブルーの日本海と息をのむような絶景は、北長門海岸国定公園を代表する景観の一つで、国の名勝および天然記念物にも指定されています。
青海島の海中は透明度が高く、水中洞窟や水中の多様な生き物を観察できるのでダイビングスポットとしても人気があります。島に整備された自然研究遊歩道を散策すれば、陸上から「海上アルプス」を見学できますし、仙崎港から発着する観光遊覧船に乗れば海上からから息をのむような景観を楽しむことができるので、時間に余裕があれば遊覧船観光もおススメです。
写真:肥後 球磨門
地図を見る「海上アルプス」へ向かう遊歩道や海水浴場を訪れる客が利用する有料駐車場の管理人は青海島の人気者で、訪れる観光客を楽しませてくれます。通称「ラッパのしょうちゃん」と呼ばれ、「多くの人に喜んでもらって一人でも多くの人が青海島を訪れてくれるように日々芸を磨いています」と本人が言うように、トランペットやほら貝を吹いたり、鉄独楽の芸を見せたりと、いろいろな芸を見せてくれ、自転車の曲乗りも披露してくれます。
「ラッパのしょうちゃん」とコンビを組むのが猫の「ももちゃん」です。ももちゃんは、普段は地面に寝そべったりしているのですが、首にかかる容器にお金(えさ代)を入れてあげると駐車場から出て行く車を高いところから見送ってくれます。
多くの観光客を楽しませてくれる「ラッパのしょうちゃん」と「ももちゃん」、青海島観光の外せない観光スポットです。
写真:肥後 球磨門
地図を見る青海島の通(かよい)地区に鯨資料館があり、ここには青海大橋を渡って車でおよそ10分で到着します。日本一小さい資料館といわれる館内では江戸時代から明治時代にかけての捕鯨用具などが展示されていて、そのうち140点が国の指定重要有形民俗文化財に指定されています。
通地区はかつて沿岸で捕鯨を行なう古式捕鯨の基地として栄えました。海に生き、鯨に感謝してきた証の一つとして、資料館の裏手にある丘には鯨の胎児を埋葬した「鯨墓」が建っています。墓前に立つと、海に生き、鯨に感謝してきた通地区の人たちの生きざまを感じます。
日本一小さいと言われる資料館ですが、命の大切さや海の恵みなどについて考えさせられる施設なので青海島観光の一つとして訪問してみてはいかがでしょうか。
童謡詩人『金子みすゞ』にゆかりのある仙崎は古くから捕鯨で成り立っていました。鯨墓が存在するほど鯨に対する畏敬の念があった土地で鯨の供養のために「鯨法会(げいほうえ)」をする地域のならわしに感銘した金子みすゞは、「鯨法会」という作品を書いています。
青海島の自然と共に生き、いのちを慈しむ思いが彼女の詩集の原点とも言われています。
金子みすゞの世界を堪能し、美しい海と鯨との係わり合いを知ることができる長門市仙崎は、山口県の代表する観光地「萩」からは車で30分なので萩観光とあわせて訪問してみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いたナビゲーター
肥後 球磨門
福岡県生まれですが、大分県別府市に長く住み10年前に熊本に移り住んできました。ドライブがとても好きで、熊本は九州内の著名な観光地のどこへ行くのも車で2時間くらいの好立地なので家族はいますが、一人旅を続…
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