風光に優れ、昔から詩・歌・紀行文などに記された東海道随一の景勝地「千本松原」。周辺には史跡や伝説が豊富で、歌人・若山牧水(わかやま ぼくすい、1885年〜1928年)、作家・井上靖(いのうえ やすし、1907年〜1991年)が愛した土地としても知られています。
沼津駅南口から徒歩で約25分程度の距離で、町並みや狩野川(かのがわ)や香貫山(かぬきやま)といった景観を楽しみながら向かうのもオススメです。またサクッと訪れたい方は、駅前から沼津港行のバスに乗車し、“千本入口”、もしくは“千本浜公園”で下車するとアクセスも楽々です。
1907年(明治40年)、「千本松原」の自然林の一部に手を加えて“沼津公園”を開設。公園の入口には、西園寺公望(さいおんじ きんもち、1849年〜1940年)の書によって“沼津公園”と隷書体で刻まれた標石もあります。
「千本松原」の中に足を踏み入れると、風が鎮まり、気温も少し下がるのが体感出来ます。また「千本松原」を抜けた先にある千本浜海岸から優しい潮騒が聞こえてきます。木々の合間から見える青い空や白い雲、足元の土の触感を楽しみながら森林浴に浸りましょう。
元々、この地には古くから防風林、防潮林として松原が存在し鎌倉時代・中期に成立したとされる紀行文「東関紀行」にも、“千本の松原”と記載されています。
しかし、戦国時代の合戦により松は伐り倒され、この地は荒れ果ててまったのです。そのため、土地の人々は潮風の害に苦しむ事に。
そこに旅の僧・増誉上人(ぞうよしょうにん)が訪れます。人々の困窮を目の当たりにした増誉上人は、お経を唱えながら何年もの歳月をかけて、千本の松苗を植え終えました。現在の「千本松原」の始まりです。
愛鷹山(あしたかやま)、またその後方には残雪の映える富士山が望める「千本松原」の隣には“千本浜海岸”。松の常緑とのコントラストが鮮やかで、“日本百景”、“日本の白砂青松100選”にも選ばれた日本を代表する景勝地としても「千本松原」は広く知られています。
駿河湾の描く緩やかな曲線、愛鷹山、富士山の雄壮な稜線。その間に広がる「千本松原」の景観が古くから人々の琴線に触れてきたことが体感できる素敵な場所です。
様々な素晴らしい景観の要素が揃った場所ですから、自ずと夕景にも魅了されます。遠く駿河湾の彼方に沈む夕陽は格別です。
左手には国の天然記念物・ビャクシン樹林が群生する大瀬崎、右手には世界遺産“富士山”の構成資産、名勝・三保松原と非常に密度の濃い絶景を楽しめます。
時間に余裕があれば、陽の高い時間から日没まで、たっぷりと「千本松原」を堪能してみて下さい。もしくは夕陽狙いで訪れるのも素敵ですね。
沼津駅周辺宿泊施設などにはレンタサイクルが設置され、宿泊者以外の方も無料で利用出来るようになっています。サイクリングをしながら「千本松原」や周辺の観光スポットを巡ってみるのもオススメです。
また「千本松原」には無料の駐車場も整っているので、車の利用者も安心。各種のアクセス方法が可能なので、その日の天候や目的に合わせて、選択してみるのも面白いですね。
以上、静岡県沼津市にある素晴らしい景勝地「千本松原」の御紹介でした。
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