写真:藤井 麻未
地図を見るジャンボ・キングダムは金鐘からタクシーで30分ほど走ったところ、香港仔の深湾という場所にある。高層ビルの並ぶ街を通り抜けて辿り着く深湾は、意外なほどに静かな夜の埠頭だ。辺りは微かに磯の香が漂う。
静けさの漂う埠頭の闇に、突如現れるのがジャンボ・キングダムへの渡し船乗り場。そう、ジャンボ・キングダムは深湾の海上に浮かんでいるのだ。渡し船のゲートは周囲の闇から浮かび上がるように赤や黄色の派手なネオンが輝いている。その様子はまるで別世界への出入り口。これを見た者はたちまち、異世界へ誘われるかのような感覚に襲われるのだ。
ゲートを越えると、待っていたかのように桟橋に向ってくる小さな渡し船。恐れず船に乗ってみよう。すると、小船はゆったりと桟橋を離れ海上へ向って進みだす。
写真:藤井 麻未
地図を見る暫くして小船の進行方向を眺めてみよう。すると目の前には眩いほどに輝くあの巨大な「ジャンボ・キングダム」の姿が。
その怪しげに煌めく姿は近付くほどに海面までも金色に染め、夢の世界に手招きしているよう。目の前にゆらゆらと煌めく絢爛豪華なジャンボ・キングダムは、まるで現実離れした豪奢な宮殿。桃源郷を見るようなその姿を目の当たりにすれば、誰もが幼い頃に読んだ「浦島太郎」の龍宮城を思い浮かべるだろう。
写真:藤井 麻未
地図を見るしばらくすると、小船は静かにジャンボ・キングダムの桟橋に到着する。船を降りると金銀や龍の立派な装飾が施された大玄関が待っている。
そこには受付の女性がにこやかに立って・・・そう、ジャンボ・キングダムの正体とは、巨大な水上レストラン。
立派な玄関を入ると一階には個室らしき部屋、正面階段を上がって二階には龍軒という超高級レストランが、そしてその上の階には大きなホールのレストランが入っている。
内部は思いの外居心地が良く、通常の高級中華店と変わりない。広い店内はテーブルも大きくメニューも充実している。
写真:藤井 麻未
地図を見るジャンボ・キングダムは、一度に数百人規模で団体が入ることができるためツアー客の利用も多く、その類稀な外観から観光スポットの一つでもある。したがって、かつては団体ツアー慣れしたレストランにありがちな、いだけであまり料理が美味しくない店のひとつであった。
しかし、数年前のリニューアルに伴い総料理長が変わったため、料理が劇的に美味しくなった。パラパラの炒飯や、蟹肉入りスープ、フカヒレや鮑の姿煮など、値段は安くはないのだが味はどれも間違いない。
美酒美食に酔いしれ、すっかり良い気分になった後はまた渡し船で埠頭へと戻る。
ここでもう一度振り返ってみよう。遠ざかってゆくジャンボ・キングダムの絢爛豪華な建物は、お伽話の龍宮城のように相変わらず極彩色の怪しげな光を放って煌めいている。埠頭が近付いてくると、そろそろ夢の時間は終わりとなる。
香港の闇夜に浮かぶ摩訶不思議なジャンボ・キングダム、いかがだっただろうか。夢と現の間を彷徨ったような感覚が、怪しげな香港の夜をより一層ディープにしてくれる。インパクト大のこの煌びやかな龍宮城で、ひととき夢の時間を過ごしてみてどうだろうか。
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(2024/12/2更新)
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