那須温泉郷の奥にあり、江戸時代からひっそりと営業を続けている「北温泉旅館」。すぐ近くに駐車場はなく、400メートルほど離れた駐車場から谷底を10分ほど下っていかなければたどり着けません。歩きやすい靴を履いてくることをおすすめします。
2012年公開の映画「テルマエロマエ」では、上戸彩さん演じる主人公の実家の旅館として登場しました。その影響で訪れる入浴客も増えているようです。まさに日本を代表する秘湯となっています。
古くから湯治場としても知られており、現在も湯治客のための自炊設備が用意されています。宿泊だけでなく日帰り入浴も可能で、8時30分から16時30分の間なら、大人一人700円で誰でも温泉に入ることができます。
北温泉旅館の「天狗の湯」は、その名の通り天狗がいるお風呂となっています。正確には天狗の巨大なお面が浴室に鎮座しており、その威圧感は半端ないくらいです。全国でもここだけでしか入れない温泉であること間違いなしですね!
北温泉は天狗によって発見されたという伝説が残っているため、このような不思議すぎる空間が作りだされています。浴室は真昼にも関わらず薄暗くなっており、本当に天狗が出るんじゃないかと少しドキドキです。夜中に一人で入るには勇気が必要かもしれないですね!
天狗の湯は混浴となっています。そこまで大きくない湯船にはすぐ裏手の山で湧出した源泉がドバドバと掛け流されています。天狗様お墨付きの新鮮なお湯に入浴できるのも、このお風呂の魅力です。ぜひ天狗との混浴を楽しんでみてください!
天狗の湯に続いて男女別露天風呂の「河原の湯」へ。すぐそばを自然の川が流れ、その解放感は抜群です!そしてこの河原の湯にも天狗の湯と同様に大量に源泉が掛け流されています。露天風呂から見える滝のように、すごい勢いで湯船から温泉があふれ出ており、かなり新鮮なお湯だということがよく分かります。
旅館にあるお風呂のお湯はすべて単純温泉となっています。色や香りに大きな特徴はないものの、少しぬるぬる感がある温泉です。また基準値には満たないものの鉄分も含んでいるため、わずかに金属の苦みも感じることができます。また湯船の底には鉄さび色の湯の花が沈殿しているので、少しかき混ぜてみてください!
この他に女性専用内湯の「芽の湯」や天狗の湯の隣にある「打たせ湯」、そしてこの後紹介する温泉プール「泳ぎの湯」とその内湯「相の湯」があります。ぜひお気に入りのお風呂を見つけてください!
北温泉旅館の建物は造られた時代が三つに分かれています。最も古いものは江戸時代の安政5年(1858年)の建造で、なんと150年以上入浴客を見守り続けています。その後明治期・昭和期に増築され現在の形になっています。宿泊する場合はそれぞれの時代の建物ごとで値段が変わるので、予約の際に確認してみてください。
建物内部も歴史が存分に感じられるものとなっています。黒塗りの床や柱、ランプの灯り、踏むとミシミシと音がする廊下などレトロな雰囲気がたまりません!温泉のあとはぜひ建物の中を探検してみてください。
最後に紹介するのが北温泉旅館の玄関横に見える温泉プールです。その名も「泳ぎの湯」。25メートルプールと同じくらいの広さがあり、浅い場所には滑り台も設置されています。驚くことに、これほどの規模にも関わらず源泉掛け流しとなっているんです!豊富な湧出量を誇る北温泉ならではの光景です。
この規模なので湯温はぬるめとなっています。夏場は最高ですが冬になるとなかなか入浴するのが大変です。プールの奥には内湯が用意されているので、そちらで体を温めてから上がるのがいいかもしれません。内湯も風情があっておすすめですよ!
「テルマエロマエ」ではこの温泉プールに落ちてそのまま古代ローマへとタイムスリップしていましたが、現実ではそうならない(はず!笑)ので安心してください!
温泉プールは混浴ですが水着で入浴することができます。これなら混浴に抵抗のあるかたでも安心です。ちなみに同じ混浴の天狗の湯は水着・バスタオル巻きどちらもNGなので気をつけてください。
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