ハナショウブの見頃は6月上旬から7月上旬にかけて。ちょうど梅雨のシーズンだが、雨に濡れるハナショウブはより艶やかだ。
ハナショウブは、淡い色合いの伊勢系、江戸紫に代表されキリッと粋な立ち姿の江戸系、そして花びらが大きく見映えがよく、豪華で雄大な肥後系は室内観賞にもピッタリ。その他、背丈の高く見映えがする西洋系など園内には650種・300万株もの花菖蒲が植えられており、次々と咲き出し1ヶ月以上もの間訪れるものを楽しませてくれる。
永澤寺のハナショウブは、お寺の建立よりも600年以上前にすでにこのあたりで自生していたと伝えられている。永沢寺花しょうぶ園として開園したのは昭和50年のことだが、古来よりその清楚な花姿を愛でることも楽しみで、永澤寺に参詣する人々が多かった。
約一万坪の敷地には選りすぐった優良種650種300万本にもなるハナショウブが育成されている。その数の多さ群生の具合は目を見張るものがある。北摂の山々を借景に薄紫の絨緞が織りなす景色は、梅雨空の下でも艶やかさを奏でいる。
全国のハナショウブ園へは、ここから株分けされたものも多く、ハナショウブ園の草分け的な存在だ。
ハナショウブは、その名前の音から「勝負」に通じ、武家社会では、その葉を使って兜を作ったり、その葉を刀に見立てたりする風習があった。また芳香が強く邪気を払うと信じられ、頭に巻いたり、酒に浸して飲んだり、また今でも端午の節句の日の菖蒲湯としても残っている。
ハナショウブはお土産としての販売も行っている。カキツバタと違って普段は鉢植えで育てることもたやすいので、お土産に買って帰るのもおすすめ。豪華で大輪の花が咲く肥後系がおすすめ。
菖蒲園では水が張られた中に植わってはいるが、開花時期以外は水を抜き普通の地面で育てている。ご家庭でも地植えは可能だし、植木鉢で育てても、花が咲いている時期だけ、水切れに注意し鉢皿を水で満たすだけで大丈夫。
肥料も開花前と開花後そして秋の株分け時に施すことさえ忘れなければよい。あとは2〜3年に1回株分けをすることでどんどん増える。このハナショウブ園のハナショウブが自宅でも楽しめると言うことは、とってもうれしいものだ。ぜひチャレンジしてみて欲しい。
永沢寺花しょうぶ園に植えられているのは当たり前ですがハナショウブアヤメやカキツバタとはどう違うのでしょう。じっくり観察してみてください。まず花期はアヤメやカキツバタより半月ぐらい遅い。
花をよく観察すると、花菖蒲は他の二つに比べ大輪咲き。花の色は、赤紫・紫・白・絞りなど多彩。そして何より違うのが、葉っぱ。アヤメの葉は細く、カキツバタは広い。花菖蒲はその中間だけど、葉脈が太くはっきりしている。カキツバタは細く、アヤメは不明瞭でわかりづらい。そして花菖蒲の花弁の根元のところには黄色い目の形の模様があるのが特徴だ。
たくさんのハナショウブが色とりどりに咲いていますが、ぜひハナショウブの特徴を観察し確認してみましょう。
永沢寺花しょうぶ園の目の間にある、永澤寺(ようたくじ)は西暦1370年頃開祖の曹洞宗の古刹で関西花の寺二十五箇所霊場のひとつとされている。春はボタンや芝桜、初夏にはハナショウブと四季の花が美しいお寺で、広大な境内には落ち着きとやすらぎを感じる。ご本尊は、釈迦如来・大日如来・阿弥陀如来の三尊が祀られてる。
そしてぜひ観ていただきたいのは、本堂の隣の観音堂にある大観音菩薩像。身の丈4m20cm、総高9m20cmという堂々たるもの。菩薩とは、悟りを開かれる前のお釈迦様の姿。そしてこ、お釈迦様の誕生から、悟りを開く過程を含め、お亡くなりになるまでの一生をガンダーラ彫刻で展示されている。お釈迦様の一生と悟りを開いていく様子がとてもよく理解でき、ハナショウブ観賞の折にはぜひご覧になることをおすすめする。
梅雨の時期の外出は特にうっとうしいものですが、ハナショウブが雨に打たれてみずみずしさを増すのもまた素敵なものです。また園内ではそば打ち体験も可能だ。
摂津・丹波の境目で来るまでいくのがおすすめですが、バスも利用可能です。ただし本数が少ないので事前確認をおすすめします。
JR三田駅→神姫バス母子行きで40分、バス停:永沢寺下車、徒歩すぐ。
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(2024/10/15更新)
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