「あゝ野麦峠」の舞台、野麦峠の古道を歩く旅(長野〜岐阜)

| 長野県

| 旅の専門家がお届けするオリジナル旅行ガイドメディア

「あゝ野麦峠」の舞台、野麦峠の古道を歩く旅(長野〜岐阜)

「あゝ野麦峠」の舞台、野麦峠の古道を歩く旅(長野〜岐阜)

更新日:2016/05/12 16:42

古井 きまちのプロフィール写真 古井 きまち

岐阜県高山市と長野県松本市の県境に位置し、飛騨と信濃の国を結ぶ鎌倉街道・江戸街道とよばれ、古くから重要な路線であった野麦峠。乗鞍岳と鎌ヶ峰の間にあり、標高約1,670m。明治時代には、日本の製糸産業を支えた飛騨の女工たちの交通路としてにぎわい、そこから山本茂実の小説、「あゝ野麦峠」が生まれました。今は街道の賑わいも忘れ去られそうな静かで自然の美しいこの場所でゆったりした時間を過ごしてみませんか?

まぶしい新緑の中、古道を歩く野麦峠まつり

まぶしい新緑の中、古道を歩く野麦峠まつり

写真:古井 きまち

地図を見る

野麦峠といえば、ノンフィクション作品「ああ野麦峠」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。戦前に岐阜県飛騨地方の農家の若い娘たちが、野麦峠を越えて長野県の諏訪、岡谷の製糸工場へ働きに出る。吹雪の中を危険な峠雪道を越え、また劣悪な環境の元で命を削りながら働く女工哀史の舞台となった悲しい物語を秘めた場所。
冬の暗いイメージが強いのですが、新緑の頃の野麦峠は、まぶしいほどの緑が美しく、山野草が愛らしく咲いています。毎年5月の末には、野麦峠まつりが開催され、信州へ糸ひき稼ぎに行った飛騨の若い娘達が当時歩いた古道を歩くイベントがあります。

事前に申し込みをしておけば、女工・ボッカの衣装を着て山行することも!衣装を着て、わらじで歩く山歩きはまた一味違います。古道を当時の衣装を着た人たちが歩く姿は、まるで当時にタイムスリップしたかのような光景。
写真は長野県側から登る旧野麦街道約1.5km。ゆっくり歩いて野麦峠の頂へ。山頂の広場では奈川地区、高山市高根町の特産品の露店が並び、山菜など地元の味が楽しめます(祭りの日のみ)。

岐阜県側からもお助け小屋から往復約1キロの距離を衣装を着て歩くイベントがあり、両者が山頂で集合して写真撮影となります。旧道を山頂まで登る長野県側のイベントの方が醍醐味が味わえてオススメですが、着替える場所がそれぞれ、岐阜側は高根支所、長野県側は奈川支所となりますので、アクセスのよい方で選ばれるとよいと思います。
イベント参加者は無料で着付けしてもらえ、それぞれ昼食券や地元の味などの特典もあります。岐阜側のイベントは飛騨高根観光協会へ、長野側のイベントは奈川観光協会へお申し込みください。

峠の山頂で歴史を知る

峠の山頂で歴史を知る

写真:古井 きまち

地図を見る

山頂には、お助け小屋、峠の資料館などの建物、展望台などがあります。写真は、「あゝ野麦峠」の主人公、政井みねの像。1909(明治42)年11月、信州と飛騨の境である野麦峠まで諏訪湖畔から兄に背負われてたどり着いたみねが、衰弱の果て兄の背中で静かに息を引き取った場面を再現したもの。

峠の資料館では当時の女工たちについての展示だけでなく、全国の峠に関する資料の他、 飛騨地域の生活に関する展示などもあります。ちなみに野麦峠祭りの日は無料開放されます。

ダイナミックな乗鞍岳の眺めに感激!

ダイナミックな乗鞍岳の眺めに感激!

写真:古井 きまち

地図を見る

天気がよければ山頂からは、目の前にどっしりと乗鞍岳が見えます。下界では汗ばむ陽気でも、天空に近いこの場所ではひんやり。秋から冬にかけては全国一の最低気温を出す日もある奈川地区。雪と寒さのため野麦峠への道は冬季通行止になりますが、新緑の頃はまばゆいほどの美しい緑、秋はカラマツの黄色に染まります。

情緒たっぷりのお助け小屋でちょっと休憩

情緒たっぷりのお助け小屋でちょっと休憩

写真:古井 きまち

地図を見る

山頂にあるもう一つの建物、お助け小屋。江戸時代の旅人の避難所として建てられた後、昭和45年に野麦の古い民家を移築して作られたもの。中は、いろりのある座敷、テーブル席、お土産コーナーなどがあります。
いろりの前で五平餅や岩魚塩焼きをあぶりながら食べたり、名物の蕎麦などが楽しめます。

最後に

映画やドラマでは、飛騨からの出稼ぎ女工の悲惨な面を強調して描かれていましたが、実際の女工たちは、田舎では聞けなかったラジオで好きな歌手の歌を聴くのが楽しみだったとか、製糸工場では白いご飯が食べられて嬉しかった、女工は憧れの存在だったなど、時代や出稼ぎの行き先によっては悲惨な面ばかりではなかったようです。

小説の舞台となったこの場所で昔の人たちが歩いた古道に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?祭りの時以外は、静かな場所ですので、古道歩きには熊鈴をお忘れなく。熊はもともと人間を恐れているので、ふいに出会ったり、こちらから攻撃しない限り、何もしません。車からでも小グマを見かけたら、つい可愛さに近寄りたくなりますが、小グマの近くには必ず親グマがいますので、注意してください。自然の中で暮らす彼らの山にお邪魔しているという気持ちで、山歩きを楽しんでみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/05/05 訪問

- PR -

条件を指定して検索

トラベルjp<たびねす>

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ