写真:塚本 隆司
地図を見る阿倍野・天王寺周辺は、戦時の空襲で焼け野原となった後、闇市から発展してきた。今や超高層ビル「あべのハルカス」や大型ショッピングモール「あべのキューズタウン」など、「キタ」「ミナミ」に次ぐ繁華街。狭い路地に商店がひしめく商店街は、再開発と共に姿を消しつつあるなか、JR天王寺駅のすぐ北側に「天王寺駅前阪和商店街」がある。
昼間は薄暗く人通りも少ない商店街。日が傾くにつれ、飲食店に明かりがともると活気を見せてくる。
写真:塚本 隆司
地図を見る昭和の風情が残る商店街の中に、これまた昭和な雰囲気を醸し出している居酒屋「種よし」がある。その店構えを見ただけでワクワクしてくる酒飲みも多いはず。
壁が見えないほどに貼られたポスターやメニュー。しかも日本各地の珍味や名物が書かれている。他にもグルメ番組のシールや雑誌の切り抜きなどがあり、有名人気店であることは疑う余地もない。
この独特の雰囲気は、知らずに通った人でも思わず足を止めることだろう。
写真:塚本 隆司
地図を見る数々のメニューの中に、ひときわ大きく書かれた「ハルカス」なるものがある。雑誌やテレビでも必ず紹介される人気メニューだ。
「あべのハルカス」のお膝元だけに、周辺の店舗では開業を記念したメニューを提供している。ここ「種よし」で提供している商品は、その名も「ハルカス」。見事なまでに日本一の高さを現したオリジナルメニューだ。
高さは、30センチメートルほど。「あべのハルカス」が高さ300メートルなので1/1000スケールというところだろうか。
高くそびえる正体は、中身がポテトサラダの春巻き。食べるのも忘れて、ついつい写真を撮るのに夢中になってしまう逸品だ。オススメの食べ方は、豪快にかぶりつくこと。てっぺんからガブリといくのがいいそうだ。これで380円とは驚きの価格である。
不思議に思うのは、なぜ立っているのかということ。これは食べればわかるので説明しないでおくとする。
写真:塚本 隆司
地図を見る「ハルカス」と並ぶ人気のメニューに「地獄とうふ」なるものがある。
見ての通りの唐辛子たっぷりの冷ややっこだ。
赤いところは、もちろん赤唐辛子。特製のみそダレをかけ、その上にネギでもオクラでもなく、青唐辛子がドンとのっている。
幸い辛さは5段階で選べる。写真は真ん中のレベル3。一口は含んだ時には感じない辛さも一呼吸置いてガツンとくるので要注意だ。
豆腐一丁使っているので、なかなかボリュームもある。
写真:塚本 隆司
地図を見る種よしのフードメニュー数は、なんと230〜250種類あるという。旅好きの主人が全国から探してきた珍味や名物がならぶ。もちろん居酒屋の定番や大阪らしいメニューもそろっている。
数々のメニューが短冊に書かれズラリと貼られている。営業を始めたのが七夕の日だったからだという。大きな短冊は、以前から貼られていたメニュー。数が増えるたびに貼るところがなくなって、短冊も小さくなっていったとか。
ドリンクメニューも豊富だ。ビールや日本酒、焼酎、ワインなどはもちろん、ホッピーやデンキブランなど大阪ではあまり見かけない商品もある。夏場には泡の凍ったフローズン生ビールもあり、その豊富さには驚かされるばかりだ。
他にも紹介したいメニューがあるが、到底紹介しきれない。
L字型のカウンターに、これでもかというくらい客が入る。混雑時は、詰めて詰めて体を斜めに、という人気立ち飲み店ならではの光景が見られる。
居心地はいいが長居は無用。次々と客が入れ替わってゆく立ち飲み屋特有の気遣いが必要だ。
営業時間は15時から24時まで。ラストオーダーは23時30分なので、終電に十分間に合う。商店街内には遅くまで営業している店もあるので、もう1軒行くのもいいだろう。都会の片隅にある古びた商店街で、大阪の夜を楽しんでみてはいかが。
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この記事を書いたナビゲーター
塚本 隆司
好むと好まざるとにかかわらず、一人旅がやたら多い。姫路城が見えるところで育ったためか、城や歴史が大好き。歴史ミステリーを追い求め、現実逃避。新スポット・人気スポットと聞けば、行ってみる。郷土料理と聞け…
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