アクセスは秘密?知床「幻の沼ポンホロ」は神秘と静寂の世界

アクセスは秘密?知床「幻の沼ポンホロ」は神秘と静寂の世界

更新日:2018/07/31 09:29

咲田 みつるのプロフィール写真 咲田 みつる 千葉県1周ランナー、鈍足のトレイルランナー
世界自然遺産・知床の森に、神秘と静寂に包まれた「幻の沼・ポンホロ」が存在します。雪解け水を集めて出来るその沼は、5〜7月上旬ごろの時期だけの珍景。やがて沼が干上がってからも、夏は緑なす草原、秋は草紅葉が広がり、自然の造形とは思えないほど端正な美観が広がります。さほど深い森の奥ではないものの、観光地化はされておらず、入口すら分かりません。そんな「ガイドとしか行けない」秘境の魅力を5つご紹介します。

魅力1 地図に載っていない&案内板がないから静かで神秘的

魅力1 地図に載っていない&案内板がないから静かで神秘的

提供元:環境省ホームページ(知床国立公園)フォトアルバム(画像サイズなど加工)

http://www.env.go.jp/park/shiretoko/photo/index.ht…地図を見る

ポンホロ沼は、知床世界自然遺産区域内にあります。知床横断道路(国道334号線)沿いの入口から、森に分け入り歩くこと徒歩30〜40分。そこは観光客で賑わう他のスポットとは違い、神秘と静寂の世界。入口には目印となるものは設置されておらず、途中の分岐も分かりづらいので、必ずネイチャーガイドとともに行くことになります。

とは言え、ルートはさほど険しいわけではありません。アップダウンは緩やかで、小学校中学年程度の体力があれば辿りつくことができます。途中で岩がゴロゴロした涸れ沢を渡ったり、茂みをかき分けたりしながら進むのですが、やがて森が開け、明るい場所にたどり着きます。そこがポンホロ沼。沼は、道中で渡った涸れ沢が雪解け水を運んで出来たもので、5〜7月上旬ごろ限定の光景です。写真は春の様子。晴れた日には羅臼岳を望むことができます。

魅力2 水面から木がニョキニョキ!霧の日はさらに幻想的に

魅力2 水面から木がニョキニョキ!霧の日はさらに幻想的に

写真:咲田 みつる

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季節は移り、写真は初夏の様子。ポンホロ沼は日増しに干上がり小さくなっていく為、沼が見たい場合は6月中の訪問がおすすめですが、年によっては7月上旬くらいでも写真の様な光景が見られます。ちなみに沼の大きさは、一番大きい時期で200メートルトラックほどの印象です。(時期によって変わるので、公式データはありません)

夏に近づくにつれ、周りの木々が緑に萌え、水面の映り込みも美しくなります。池の中から木がニョキニョキと伸びているのも、この時期までの不思議な光景です。後述しますが、水際にはシンボルツリーがあり、とっておきの楽しみ方があります。

魅力3 実は沼が干上がってからも素晴らしい!緑の園に感動

魅力3 実は沼が干上がってからも素晴らしい!緑の園に感動

提供元:環境省ホームページ(知床国立公園)フォトアルバム(画像サイズなど加工)

http://www.env.go.jp/park/shiretoko/photo/index.ht…地図を見る

盛夏にはすっかり沼は消えますが、むしろこの時期もおすすめです!シダの群生が沼の跡を覆い、緑のジュウタンを思わせます。その光景は、まるで丁寧に手入れがなされた芝生公園のようにも見え、木立も青々として、自然の造形とは思えないほど端正。

沼のある時期は、水場に立ち入れないため、沼周囲の茂みをかき分けながら歩くことになり、周遊が意外と大変です。しかし盛夏以降ならこの草原を歩くことができ、開放感も抜群!さらに秋にはこの草原が「草紅葉」の状態になり、一帯がセピア色の世界に変わります。ポンホロは一度行けば、季節を変えてまた行きたくなる場所なのです。

魅力4 沼のほとりにあるシンボルツリー・巨木のウロに注目!

魅力4 沼のほとりにあるシンボルツリー・巨木のウロに注目!

写真:咲田 みつる

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ポンホロを訪れたなら、必ず見ていただきたいのが、シンボルツリーであるミズナラの大木です。実は写真の木には、大人が余裕で入れてしまう大きなウロがあるのです。沼が大きい時期には、水場が迫っているので、少し見つけにくいかもしれませんが、ネイチャーガイドがいれば安心です。ここは大人のあなたも童心にかえって、是非中へ入ってみましょう!

この他、ガイドとともに行くツアーでは、熊のフンをはじめとして、珍しい動植物の息遣いを存分に味わうことができます。ポンホロ沼だけのツアーなら、ウトロ発のツアーで所要時間は2〜3時間。費用は各社ばらつきがありますが、1人につき4000〜6000円が目安です。(他の人気スポットと組み合わせたツアーもあります)森から出てくるころには、あなたも知床の森のものしり博士になっているはずです。

魅力5 自然のアート・唯一無二のベストショットがそこにある!

魅力5 自然のアート・唯一無二のベストショットがそこにある!

写真:咲田 みつる

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ポンホロ沼を訪れた際、印象的な光景のひとつとして「倒木」があります。誰が置いたわけでもないのに、朽ちて倒れた木がとても芸術的な光景を演出しているのです。(写真は、朽木に巻き付いたツルアジサイと倒木)
もちろん、この情景は毎年変わるものですので、偶然の産物が織りなす野外美術館といったところです。霧が出る日には、更に幻想的な光景が広がります。是非あなただけのベストショットを見つけに訪れてみてください!

ガイドの予約は遅くとも3日前までに!服装や持ち物を相談しておこう

魅力いっぱいのポンホロ沼ですが、スニーカーで行ける観光地とは違い、「熊が確実にいる森林」に分け入るという緊張感と準備が必要です。またガイドツアーは定期的に催行されるものではなく、基本的には貸し切りツアーです。(下記関連MEMOに斜里町観光協会とツアー各社のリンクあり)
遅くとも3日前までには予約を完了させ、服装や持ち物を確認しておきましょう。特にポンホロ沼では、トレッキングシューズか長靴などの防水性のある履物が必要です。持参するのが難しい場合は、レンタルが出来るか問合せしておきましょう。森の中の秘密の園・ポンホロ沼を、是非とも安全に楽しんでください!

掲載内容は執筆時点のものです。

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