写真:咲田 みつる
地図を見るまずは尾瀬について。周囲を2000M級の山々に囲まれる山岳地帯。しかし、盆地状の湿原エリアに足を踏み入れれば、大部分は木道が整備されており、開放感あふれるフラットな道を延々楽しむことができます。特に「尾瀬ヶ原」や「尾瀬沼」付近は、6月の水芭蕉に始まり、夏のニッコウキスゲやワタスゲ、秋の草紅葉などの観賞で訪れる人の多い場所です。この湿原の散策については、関東各方面から日帰りのバスツアーも多く企画されていますが、もう少しワイルドな楽しみ方をお望みなら、一泊して滝めぐりをプラスすることをおすすめします。
宿泊はキャンプ場か山小屋です。尾瀬には山小屋が沢山あるのですが、そのほとんどが入浴施設を備えており、山小屋が初めてという方にもおすすめ(シャンプー・石鹸は不可)。沢山ありすぎて山小屋を選びきれないという方には、往復バスと山小屋がセットになっているツアーもあります。
おすすめのアプローチは、「見晴」エリア経由。ここは山小屋が多く集まり、カフェで休憩したり、荷物預け(宿泊者)を済ませてから行くことができます。見晴エリアから平滑(ひらなめ)の滝に行くには片道1時間強。はじめ30分ほどはフラットな木道が続き、赤田代エリア(数件の山小屋とトイレあり)を経由。その先は野趣あふれる山道に入ります。
写真:咲田 みつる
地図を見る湿原地帯のフラットな木道とはうって変わって、木の根が張り出した場所や岩の上を歩く山道が続きます。木の枝などが垂れ下がっていることもありますので、足元だけでなく頭上にも注意を払いながら進みましょう。当然ながらアップダウンがあります。しかしこのワイルドさが魅力のひとつなのです。滝に至る前にもいくつかの沢を渡りながら進むことになります。
写真:咲田 みつる
地図を見る赤田代エリアを出て30分ほどで、平滑の滝に到着です。撮影ポイントは、ごつごつした岩場で、この場に立つだけでスリリング!足元には十分に注意してください!!
ところでこの流れ、どちらに向かっているか分かりますか?実は展望台そのものが滝の上から山すそを見下ろすというスタイル。つまり、流れは写真の手前から奥の方に向かって、怒涛の如く流れているのです。
平滑の滝は渓流瀑です。緑の山林の中、そこだけ切り取ったかの様に巨大な一枚岩が現れ、その上をなめるようにおよそ500メートルにわたって水が流れ落ちます。さらに滝の水が再び山林に吸い込まれていくように見えるのが面白い構図となっています。視界からは切れているものの、流れは新潟方面へ向い、やがて奥只見湖に至ります。
その特異な景観もさながら、雪解けのシーズンは水量も多く迫力満点!白いしぶきがまるでウエディングドレスのように広がります。平原のイメージが強い尾瀬ですが、以前はダム計画もあったほど、水源に恵まれているのです。
写真:咲田 みつる
地図を見る次に「三条の滝」を目指しましょう。平滑の滝方面から向かえば40〜50分ほど。平滑の滝の下流にあたります。
こちらは落差100M以上の直瀑で、手すり付の展望台やベンチもあります。もともとは、流れが三つに分かれている様から「三条」との名がついているのですが、雪解けシーズンには水量が増し、『一条』になった姿(上部の写真)を披露します。尾瀬の水をすべて集めて轟音とともに直下に流れ落ちる様は、大迫力!道中の苦労を補って余りある名瀑です。
写真:咲田 みつる
地図を見る滝めぐりには、宿泊が必要と述べましたが、宿泊の楽しみはそれにとどまりません。それは日帰りの観光客が去った後の朝夕の静けさを思う存分堪能できるということ。
日帰りならもと来た道を折り返すことになる為、広大な湿原を踏破するのは難しいのですが、それゆえ夕方からは宿泊者だけの貸し切り状態。ハイシーズンには混雑する木道も、気兼ねなく歩くことができます。携帯電話も満足に使えない場所ですが、スマホ絶ちツアーとしても良いかもしれません。
雪解けシーズンの滝は大迫力ですが、標高の高い場所、北側の斜面や日陰は、6月でも部分的に白銀の世界が広がっていることがあります。お出かけの際には残雪がある事を想定して計画を立てましましょう。
各エリアの残雪や道の情報は「尾瀬保護財団」のパトロールの状況が重要な情報源となります。(下記関連MEMOにリンクあり)雪がある場所は、歩くスピードもゆっくりになる為、予想より時間がかかることもあります。ワイルドな散策を楽しむためにも、時間にゆとりを持たせてお出かけください。
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(2024/9/9更新)
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