写真:Hiroko Oji
地図を見る北イタリアの古都ブレッサノーネ(Bressanone/Brixen)は、リエンツァ川が流れ込むイサルコ川の河畔にあり、通りの間から見える、葡萄畑が覆う山並みに囲まれた長閑な風景が魅力の町です。
鉄道駅から北東に徒歩10分ほどで、中心地のドゥオーモ広場に出られます。広場に面して、2本の高い鐘楼があるドゥオーモをはじめ、白亜の塔をもつサン・ミケーレ教会、可愛い緑のとんがり屋根がある市庁舎など豪華な顔ぶれが並びます。教会前のパロッキア広場には美しい噴水があり憩いの場となっています。川に架かる橋のそばでは、「プファウンドラーの家」と言って、北方ルネッサンスとイタリア・ルネッサンスの融合と言われる1581年建築の美しい建物が、観光客の視線を集めています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る正面に2本の高い鐘楼と堂々とした立派なファサードを持つドゥオーモは、ロマネスク様式で13世紀に建立されました。1745年から90年の間にバロック様式に改修され、内部は金色に輝く、広々として明るいものになりました。天井を覆うフレスコ画をはじめ、祭壇や柱には美しい装飾が施され、豪華なシャンデリアがいくつもぶら下がる内部です。
このドゥオーモには、神童と呼ばれたモーツァルトが1771年2度目に訪れた時に、当時の司教に大歓迎されミサで演奏したと言われるオルガンが残されています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るドゥオーモの奥には、回廊付き中庭があります。これは、13〜14世紀のロマネスク・ゴシック様式で、2本が対になった列柱が並ぶ回廊のアーチを描く天井や壁面には、14世紀の美しいフレスコ画が埋め尽くされています。隣の13〜14世紀建築の洗礼堂は、これも同時代のフレスコ画で内部装飾が施されていて見応えがあります。
中庭からも入れる15世紀建立の教区教会サン・ミケーレ教会は、とんがり屋根の部分が真っ白の「白亜の塔」とも呼ばれる鐘楼が美しい建物です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るサン・ミケーレ教会前のパロッキア広場には地方名産のワインやリキュール類、オリーブオイル、ドライフルーツやパスタ類、もちろん生のフルーツなども並ぶ露店が店を出して観光客が賑わう広場です。ここから西へ続くのは、14〜17世紀の建物が連なる情緒ある石畳のポルティニ・マッジョーリ通り。出窓と凝ったデザインの看板が素敵な建物が続き、1階部分に様々なショップが入るアーケードとなっており、石畳までカフェ・レストランのテラス席が張り出しています。左右に続く細い路地も趣があり、人足の途絶えた路地へフラフラッと迷い込んでみるのも楽しい一角。ウィンドーショッピングを楽しみながらのそぞろ歩きで、のんびりと中世の面影を味わってくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見るドゥオーモ広場の南側には、1565年に建築が始まり、17世紀に完成した大司教館が建っています。又の名をプリンチペスコ・ヴェスコヴィーレ宮ともいわれています。庭に面した回廊の上部、日本式に言うと2階部分のアーチの柱に設置された24体のテラコッタ像は、後期ルネッサンス時代のもので、ハプスブルグ家の人々のものです。中央に噴水のある中庭は緑で覆われ、色とりどりのお花が咲き乱れる物静かな空間です。
館内は博物館となっており、アルト・アディジェ地方の木彫り彫刻や絵画、手写本や豪華な刺繍の施された聖衣類&織物などのドゥオーモの宝物、司教館で使用された家具や陶磁器などが展示されていて興味深いです。また、18〜19世紀のプレゼーピオのコレクションも見応えがあります。
(プレゼーピオとは、キリスト降誕の場面を表現した模型のことです。)
今回、ブレッサノーネの町並みの見所をご紹介しましたが、ここからは自然をたっぷり楽しめるスポットへお出かけができるのです。
周辺を取り囲む山々の中にプローゼ(Plose)山という2000メートル級の緩やかな斜面やドロミテの切り立った石灰岩の塔のようなアルプスの牧草地で、山の風景やハイキングが楽しめるのです。近頃特に日本人にも人気が高まってきているサンタ・マッダレーナ(Santa Magdalena)村のあるフネス谷へも、1時間に1本の路線バスが出ています。町並みだけでなく自然の魅力もたっぷり味わえるブレッサノーネでゆっくり滞在してみてはいかがでしょうか。MEMOにリンクしておきますので、ご参考になさってください。
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(2024/9/18更新)
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