メイン施設の昆虫観察館は、ガラスのドーム屋根とコンクリート打ちっ放しの内外壁と特徴あるデザイン。建物の前面には大きな池があります。3階のエントランスにある総合案内所で、クイズラリーやスタンプラリーの配布と本日のイベントが提示されています。
順路に従い2階に降りると、昆虫の生態、標本を展示する「昆虫のすばらしい世界」と「里山の昆虫たち」、その隣の「クラフトコーナー」では。カブトムシやバッタ、カマキリのクラフト作りや、生きている昆虫に触れあえる「昆虫ふれあいコーナー」が開催されます。
1100平米の昆虫ふれあい温室は、沖縄の西表島をモデルに亜熱帯の自然が再現され、オオゴママダラや、リュウキュウアサギマダラなどの蝶を中心に、イリオモテバッタ、イリオモテアオガエル、オキナワヤマタカマイマイなどを1年中見ることが出来ます。
1階には、里山に暮らす昆虫などを映像で見る「映像シアター」や、四季の昆虫の生態を展示する「季節展」、年間で企画される「企画展」を開催するギャラリーがあります。昆虫観察館出口には、虫取りあみや虫メガネの貸出カウンターがあるので、あみと虫メガネを持って、とんぼ池やバッタの原っぱへ出発です。
以前は、共有林として地元の人々が管理していた里山でしたが、次第に管理が行き届かなくなり、山も林も荒れていきました。そんな時、群馬県の「昆虫の森」の構想と重なり「ぐんま昆虫の森」として生まれ変わりました。東京ドームが約10個入る規模の昆虫の生態園は世界でも類がないと言われています。
「富士山沼ゾーン」には、里山のため池、川や原っぱが再現された「とんぼ池」や「バッタの原っぱ」があります。昆虫観察館で借りた虫取りあみで、蝶やバッタ、トンボを捕まえることが出来ますが、捕まえた昆虫などは、はなしてあげることが約束です。
「昆虫観察館」から「バッタの原っぱ」に向かう途中の沢で「ニホンカワトンボ」が羽を休めています。カワトンボは、橙赤色と淡い橙色と無色の3種類があります。身体の色は、羽化後すぐは、つやつやとした青紫色をしていて、成熟すると青白い粉で覆われます。心地よい沢の流れの中で、トンボに手を伸ばしていると子供のころを思い出します。
「かやぶき民家」は、養蚕のため屋根の1部を切りかいた形が特徴の赤城山南面特有の民家を再現しています。屋根裏を養蚕に利用するため、切りかいた部分に通風と採光のための窓を開けて、蚕室にしたのが始まりでした。窓を開けるため、屋根を切り落としため「切り落し窓」と呼ばれていました。
このように、深い軒(ノキ)と出桁(ダシゲタ)を構造とする「せがい造り」は、身分の低い農民には許されなかった格式の建物でしたが、養蚕による経済力により、一般化されたと言われています。民家の周辺には、桑畑や、野菜畑があり、明治当初の赤城の民家が忠実に再現されています。
家の土間には、農耕用の馬小屋と、炊事用のカマドがあります。板の間には、囲炉裏があり、家全体を温めています。その奥には、2間の和室に掛け軸が飾られ当時としては裕福な家を想像できます。急な階段を上り屋根裏部屋に上ると、養蚕の道具と蚕や野菜を運ぶ、背負い籠が置かれています。
かやぶき民家では、養蚕体験や、駒回し、竹馬、メンコなどの昔遊びが体感できます。
「雑木林ゾーン」は自然の昆虫や、野草などを実際に見つけることが出来ます。里山の雑木林には、クヌギやコナラ、カエデ、スギなど、様々な樹木が生育しています。カブトムシやクワガタは、樹液を吸いに樹に集まります。まずは昆虫が集まる樹を見つけなければなりません。昆虫が集まる3つの樹を紹介します。
1つ目は「クヌギ」です。クヌギは雑木林を代表する樹で、樹皮は厚くゴツゴツとしています。そのため、強風や雪などで枝が折れ樹液が吹きだしている樹を探してください。クヌギと並び雑木林で必ず見かける「コナラ」も注目です。コナラは、樹皮が薄く樹液も出やすいため昆虫の食堂となっています。最後は、樫の木の一種で神社や屋敷林に使われる「シラカシ」。樹皮が硬いので樹液がしみ出る樹です。クヌギとコナラは秋になるとドングリの実がなります。「ドングリの樹にカブトムシ有り」と覚えてください。
緑の葉が空を覆い、木漏れ日の雑木林はとても気持ちが良く、森林浴効果も期待できます。昆虫観察館周辺では、樹に名前が書いてあるので、覚えてから「雑木林ゾーン」へ行ってください。きっとカブトムシに出会えます。
蝶は、植物の葉を食べる芋虫(幼虫)から蛹になり、身体を変態させ、空を飛び花の蜜を吸う蝶になります。蛹の段階で、身体の大部分の組織を壊し、ドロドロの状態になって身体を改造して成虫になります。
ぐんま昆虫の森では、「昆虫ふれあい温室」で舞う蝶を「食草・育成温室」で卵から蝶への飼育をしています。卵からかえった幼虫を蝶に羽化させる「チョウの飼育室」、羽化した蝶から卵を取る「育成温室」、幼虫が食べる植物を栽培する「食草温室」に分かれ、見学ができます。
飼育されている「オオゴマダラ」の幼虫は「キョウチクトウ科」の「ホウライカガミの葉」が食料です。白黒の縞模様で体の横に赤い点が並んでいます。そして、鮮やかな金色の蛹になり、白黒のまだら模様が特徴の日本最大級の大型の蝶になります。幼虫から成虫への段階を一目で見える「食草・生育温室」は貴重です。
「ぐんま昆虫の森」のメインとなる「昆虫観察館」の設計は、安藤忠雄氏。コンセプトは、「木々の成長と共に里山の緑に隠れていき、木々の中にキラキラとドームのガラスが光る建物」。ガラスのドーム屋根と斜面に建てられた建物は天井が斜めに傾いていて赤城の里山を生かした建物になっています。
野外施設は、トンボ池やバッタの原っぱがある「富士山沼ゾーン」や、かやぶき民家のある「桑畑ゾーン」。コナラやクヌギの「雑木林ゾーン」では、赤城の自然で育んだカブトムシやクワガタを見ることが出来ます。
東京ドームが約10個分入るフィールドの昆虫の生態圏は世界でも類が無いと言われています。そんな「ぐんま昆虫の森」は首都圏からすぐそこです。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索