ご紹介する「城山(じょうやま)」は、伊豆半島を縦断して流れる狩野川の川べりにあります。三島市方面から、車で伊豆中央道を通り「大仁南IC」で降りると、周りの山とは違って、一つだけ岩肌を露わにした城山が姿を表します。
屹立した形の山で、標高は約342m。数百万年前は、海底火山でしたが、本州と衝突した際に出来た山だとされ、伊豆半島ジオパークの見所「ジオサイト」になっています。荒々しい様相で、少し近寄り難いようなイメージですが、山頂までのハイキングコースがあり、1時間足らずで山頂まで登ることができるんです。早速、山の麓にあるハイキングコースから山頂へ向かってみましょう!
「大仁南IC」を降りて、狩野川を渡り、県道129号線を城山の方へ車を走らせると、コースの入口があります。入口には、ちょっとした駐車スペースも設けられていて、コースの案内看板があるので、すぐに分かります。道は整備されているとはいえ、大きな石が転がっていたり、泥で滑りやすいところ、道を阻むように草が覆い茂っている場所があるので、歩きやすい靴で行くなど、登山に似合った格好が必要です。
また山頂へ向かうハイキングコースは、実は「長嶋茂雄ランニングロード」と呼ばれています。今では読売巨人軍の終身名誉監督の長嶋茂雄氏ですが、現役時代の1967年から7年の間、彼が「山ごもり」と呼ばれた自主トレーニングの場として活用していたところがこの地なのです。長嶋ファンなら、嬉しくなってしまうようなコースで、お勧めです。木々が覆い茂って、ちょっぴり薄暗いですが、緑が多く空気が新鮮で、気持ち良く歩けます。
入口から歩いて約3分ほどすると、右側に江戸時代に「伊豆石」を切り出した跡が残る「石丁場」跡が見られるので、史跡好きにもお勧めです。
コースを道なりに、5分程歩くと、今度は右手にこのような岩壁が木々の間から見られます。岩壁は、人工的に作られていると思いきや、これは自然が作った天然の断崖絶壁。ただの岩壁の風景だと思いきや、良く見てみると人の姿が・・・。
この山は、ロッククライミングのゲレンデとして有名な山で、昭和30年代の登山ブームを機に、名を知らしめたそうです。岩壁の高さは約280mあり、傾斜角度は70度〜100度もあるそうです。クライミングのルートは、300本以上あるようです。
見ているだけで、こちらまでハラハラドキドキ! こんな景色を見ながら歩けるなんて、この山ならでは。コースの途中「ハイキングルート」「ロッククライミングルート」に別れる場所がありますが、クライミングルートは、足場の悪い「ガレ場」と呼ばれる箇所があって危険なので、決して興味本位で近づかない方が無難です。
コースを更に進むと、「発端丈山・葛城山」方面と「城山山頂」へ向かう分岐点に差し掛かります。発端丈山・葛城山・城山は、別名「伊豆三山」と呼ばれ、縦走することも可能。城山山頂は、分岐点から凡そ30分程で付くことができ、大きな岩や木々を縫うように進むと山頂があります。
山頂の地面は、岩盤に覆われていて、木が茂っていないので、見通しがとっても良いです。それもそのはずで、ここは昔、狼煙台として使われ、南北朝時代「金山城」が置かれていたそうです。今も、土塁や堀切の跡が残されているので、古城マニアにとっても目が離せないスポットです。ここからの眺望も素晴らしいですが、もう少し踏み込んで、気になる山頂からの景色をご覧に入れましょう!
こちらが、山頂からの眺めです。蛇行するように見える手前の川は、狩野川。伊豆の国市街の街並みや、玄岳巣雲山、遠くには、お隣の県にある駒ケ岳などが見られます。ご覧になっている景色は、ほんの一部で、右手には万次郎などの天城連山、左手には沼津アルプスや富士山といった、名だたる山が見られます。市街地では、動く電車や自動車などが肉眼で見え、まるでジオラマのよう! どこまでも続くような壮大な景色を見れば「ここまで来た甲斐があった〜」なんて、思ってしまうほど。
2020年に、東京五輪自転車競技場の会場に決定している、ドーム型の屋内競技場「伊豆ベロドローム」も見え、折角ここに来たら、富士山と併せて見ておきたいところです。山頂付近では、海底火山の名残なのか、何故か海洋性の植物「ウバメガシ」が多く見られるので、是非探してみて下さいね。
詳しい城山のハイキングコースは、下記MEMO「伊豆三山ハイキングマップ行程表」からご覧下さい。
「長嶋茂雄ランニングロード」は、城山ハイキングコースだけでなく、狩野川沿いの堤防など全長6kmあります。ランニングロードの他、大仁ホテル前の道路など約1.5kmの「長嶋茂雄ロード」もあり、ファンにとっては、たまならい場所かもしれません。詳しいコースの内容は下記MEMO【長嶋茂雄ロード 誕生】よりご覧下さい。
登山記念バッジは無いけれど、伊豆の国市大仁にある「ふかせ菓子店」では、城山をイメージした焼菓子「城山」を販売していて、伊豆の国ブランドにもなっているので、記念に買ってみても良いかもしれませんね。
雨の降った後には、幻の滝が見られるなど、城山の魅力はまだまだ尽きません。目に優しい緑や、野鳥のさえずりを聞きながらリラックスして歩けます。登山に加え、歴史や史跡、地質などなど楽しめる一押しの「城山」なので、是非気分のリフレッシュを兼ねて、訪れてみては如何でしょうか?
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(2024/11/2更新)
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