写真:ろぼたん
地図を見る100%自家発電の電気、行く先にはこの宿しかない一本道、支笏湖温泉街とは対岸の山の中に一軒宿として立つ「丸駒温泉」は、大正時代から今日まで創業100年を超えて営業を続けている札幌近郊の秘境の宿です。
インターネットの設備、Wifiもありません。部屋の中には昔懐かしいテレビ番組表が置かれています。冷蔵庫やタオルかけをはじめとした部屋の設備もいちいち懐かしいレトロな昭和感のあるものばかり。ですが、掃除の行き届いた室内は広く、妙に落ち着く居心地のよさがあります。
写真:ろぼたん
地図を見る湖畔側の部屋からは水質日本一の支笏湖が見えます。キラキラと輝く湖面、遠くに見える山々、鳥のさえずる声。開放感抜群の景色のほかには何もいらないと感じる美しさです。
「丸駒温泉」には男女あわせて6つの源泉があり、大浴場にある露天風呂からの景色はこの写真より更に近くに湖を感じる絶景です。また秘境と呼ばれる所以の1つでもある天然露天風呂は、足元からお湯がぷくぷくと沸いてくる勇出泉。支笏湖と水門でつながっており、お湯が支笏湖に流れた分、足元からお湯が沸いてくるという仕組みです。
水深が深くなる時期には160cmにもなる温泉ですが、浅い季節には45cm程度とかなり深さが変化します。筆者が訪れた5月は、お湯が少ない時期で座って入ってちょうどよいくらいでした。天然岩風呂は野趣あふれるワイルド感いっぱいの温泉ですよ。
写真:ろぼたん
地図を見る大浴場と露天風呂、天然の露天風呂のほかにも2つの貸切風呂がある「丸駒温泉」。陶器でできた丸い浴槽の「丸の湯」と木曽檜の四角い浴槽の「駒の湯」のどちらにも洗い場と内湯があり、露天風呂からは支笏湖の雄大な景色が楽しめるようになっています。
写真は「丸の湯」。支笏湖を眺めながらお湯を楽しめる温泉は源泉かけ流しで、こんこんとお湯が流れ続ける湯浴みはなんとも贅沢な気分になりますよ。泉質は「熱の湯」ともいわれる塩化物泉(含土類・石膏−食塩泉)で、上がってからも体がポカポカする保温効果の高い温泉です。お値段は別料金となりますが、貸切風呂は宿泊でも、日帰りでも利用が可能です。家族水入らずで、カップルで支笏湖の絶景風呂が楽しめます。
写真:ろぼたん
地図を見る支笏湖の周辺は一体が建物の建築が制限されている国立公園です。「丸駒温泉」は支笏湖温泉街からも距離があり、最も近いコンビニは車で45分。まさに支笏湖の山奥の一軒宿で周囲に電灯もないため、夜になると支笏湖の上に満点の星空が出てきます。
そして支笏湖の対岸の山から昇る朝日も絶景です。一筋の光が支笏湖の湖面を走り、その光に反射した木々が黄金色に染まる一瞬はまさに息をのむほどの美しさ。部屋の中から、露天風呂からこうした景色が味わえますよ。
写真:ろぼたん
地図を見る支笏湖の名物「ヒメマス」を囲炉裏で焼いていただける「初太郎物語」は支笏湖の名水で作った宿オリジナルの清酒や焼酎のサービスもある贅沢なプランです。
ヒメマスの他にも、ホタテやカニなど北海道の旬の素材を生かした焼き物を自分で炙りながらいただける楽しさと美味しさがいっぱい。目の前で30分かけて炊き上げる炊込みご飯や珍味など品数も豊富で、お酒を楽しみたい人も、しっかりご飯を食べたい人も満足できるはず。
また「丸駒温泉」は支笏湖のお水をくみ上げて飲料水にしている支笏湖の温泉で唯一の場所。館内で殺菌・浄化して循環している珍しい宿なんですよ。
「日本秘境を守る会」にも所属している「丸駒温泉」は、札幌から1時間半もかからず車でこられる場所にある温泉ですが、冬場の悪天候時などはごくまれに孤立することもある場所です。また、露天風呂やレトロな建物には暖かい季節になると虫だってやってきます。
足元から温泉の沸く天然露天風呂は、たち湯で入りたいと思っても、腰までしかお湯がない…ということもあると心得て、支笏湖の自然パワーをたっぷり味わいましょう。「丸駒温泉」は、ゆったりレトロな温泉宿泊を楽しみたい人にオススメの宿ですよ。
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この記事を書いたナビゲーター
ろぼたん
身近な美味しいグルメから異国の絶景まで魅力がつきない旅の目的やスタイルは様々。平日のOLは、週末や連休、前後に有給休暇をプラスした週末の旅人に。限られた時間をやりくりしてココロと身体をハッピーにする夫…
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