湿原といえば、釧路湿原!そのようにイメージされる方は多いのではないでしょうか。東西最大幅25km、南北最大幅36kmという、日本最大の湿原とその周辺の丘陵地からなる釧路湿原国立公園は、今でこそ有名になって北海道観光の中心地の一つになっていますが、湿原の自然価値が認識されたのは近年になってからのこと。それまでは、開拓に困難な「不毛の大地」などと呼ばれていたそうです。
それが昭和55年にラムサール条約湿地に指定され、昭和62年に国立公園となった背景には、自然保護団体や地元の方々の運動や長年の努力がありました。今こうして、その景観の美しさや多くの動植物を見ることもできるのも、多くの人々の尽力により、手つかずの自然が守り続けられてきたからこそなのですね。
その釧路湿原国立公園の代表的な観光名所に、細岡展望台があります。そこからは広大に広がる湿原と遠くの地平線、静かに蛇行する釧路川、そしてかすんで見える雌阿寒岳や雄阿寒岳の山々など、釧路湿原ならではの雄大な風景が一望できます。
その細岡展望台があるのは、釧路湿原の東側の端っこ。JR釧網本線の「釧路湿原駅」の近くです。交通機関利用の場合は、この「釧路湿原駅」での下車となります。駅から少し階段を上るとすぐ前に「細岡ビジターズラウンジ」があり、あとは静かな林間の道を歩きます。駅からは15分ほどで展望台まで行けますが、展望台にはトイレなどはありませんので、ビジターズラウンジで利用させてもらうといいでしょう。ここでは、軽食をとることもできますよ。
観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」が1日2往復の運行がされている時であれば、まず釧路から塘路までノロッコ号で行ってしまって、そこでカヌー体験を楽しんだ後、ノロッコ号で「釧路湿原駅」まで戻り展望台からの夕陽を見る、なんてことも可能です。
手つかずの貴重な自然が残されている釧路湿原。この広大な湿原には、一時期、絶滅したと思われていたタンチョウをはじめとして、オジロワシ、キタサンショウオやイトウなどの様々な希少な生き物や、700種類以上もの植物が生息しています。
「釧路湿原駅」の3つむこうの「茅沼駅」はタンチョウと出会える駅として有名ですが、湿原周辺の畑や原野などでもその美しい姿を見ることができます。写真は釧路町のお隣の標茶町の道路脇の空き地で出会ったタンチョウです。これも釧路の自然が大切に保護されているからこそなのでしょう。釧路湿原だけではなく、そこに行くまでの道中でも少し注意してみてください。きっと、タンチョウの姿を見つけることができますよ。
そしてこの細岡展望台から、ぜひとも見ていただきたいのが、展望台からの夕景です。湿原の地平線に沈む夕陽が、これだけ大きなスケールで見ることのできるのはここだけ。これも細岡展望台が、湿原の東の端っこに位置しているからに他なりません。釧路湿原国立公園にはいくつかの展望台や眺望のよい所がありますが、夕景のナンバー1は間違いなくここでしょう。
公園内には展望台や散策道など、たくさんの見どころがあります。車での移動をされる場合は、日の高いうちは他の見どころ・遊びどころを周り、夕暮れ時にはここ細岡展望台で夕陽を見る。これが超オススメの観光コースです!
そしていよいよクライマックス、釧路湿原の夕陽の絶景です。北海道にはいろいろな絶景がありますが、息をのむ絶景とは、まさにこのことをいうのでしょう。
あたりが次第に暗くなると周辺が夕陽のオレンジ色に染まり、遠くの阿寒連峰の山々がシルエットとなって見えてきます。そして地平線に沈もうとする太陽が白く光ると、黒っぽくなった湿原には釧路川の流れだけが光って、浮かび上がってきます。思わず声が出てしまいそうになるこの絶景、いつまでも脳裏に焼きつくことは間違いありません。ぜひあなたの目で、この感動を味わっていただきたいと思います!
なお、交通機関利用の場合は、釧路湿原駅発の釧路行き列車が18時台、19時台にそれぞれあります。でも、それを逃すと後はありませんので、遅れないようにしてください。また出発前には、必ず時刻表でご確認ください。
いかがでしたでしょうか、釧路湿原国立公園の細岡展望台。
自然の風景の好きな方には、ぜひおススメしたい所です。きっと大自然の美しさを満喫できることと思います。
なお、北海道は全域がヒグマの生息地でもあります。日中もそうですが、特に早朝や薄暗くなってからの移動をされる場合、クマとの遭遇の危険も伴いますので、十分にご注意ください。
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(2024/12/14更新)
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