写真:乾口 達司
地図を見る竹林寺は、高知県高知市にあるお寺。五台山と呼ばれる小高い山の頂上付近に伽藍を構えています。四国八十八箇所霊場の第三十一番札所でもあるため、お遍路さんに関心のある方なら、その名をご存知ではないでしょうか。
寺伝では、奈良時代、僧・行基によって開かれました。平安時代には空海が滞在し、伽藍を整備したと伝わります。写真は国の重要文化財に指定されている本堂(文殊堂)。室町時代の再建と考えられています。内陣に置かれた厨子には、獅子に乗った秘仏のご本尊・文殊菩薩坐像が4体の侍者像(善財童子・優填王・仏陀波利三蔵・最勝老人)を従えて鎮座しています。
御開帳は50年に一度。直近では、2014年に御開帳されました。御開帳の期間以外、厨子の扉は閉じられてはいますが、その功徳に変わりはないため、竹林寺に参詣したら、まずご本尊にお参りしましょう。
写真:乾口 達司
地図を見るもちろん、智恵の仏様ゆえ、授与所には智恵のお守りも数多く販売されています。ご自身が受験する、あるいは受験期を迎えているお子さんをお持ちの場合などはぜひお求めし、本尊のご加護を得て下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る本堂の真正面に位置しているのは、弘法大師・空海をおまつりした大師堂。その右手、小高い場所に屹立するのが、写真の五重塔です。
五重塔の高さは33メートル。かなりの高さがある塔でありながら、不安定さを感じさせないどっしりしたたたずまいは、竹林寺の歴史的な豊かさの象徴ともいえるでしょう。しかし、実はこの五重塔、昭和55年(1980)に建てられたものなのです。とても近年の作とは思えない風格がそなわっていると思いませんか?
写真:乾口 達司
地図を見る庫裏の横には、宝物館も設置されています。館内には竹林寺が所蔵する仏像の数々が展示されており、平安時代の仏像も数体安置されています。そのことからも竹林寺が高知きっての古刹であることがうかがえますよね。
写真:乾口 達司
地図を見る庫裏と連結する客殿の前には、国の名勝に指定されている庭園が広がっています。文保2年(1318)、当地に滞在していた臨済宗の高僧・夢窓疎石によって作られたと伝わっており、江戸時代初期に大きく手が加わっているといわれていても、巨石や池泉を配した作庭当初の痕跡は随所に見られます。縁側に腰を下ろし、高知を代表する名庭を心ゆくまでご堪能下さい。
日本三文殊の一つ・竹林寺の魅力、おわかりいただけたでしょうか。高知市の中心部から車で10分ほどのところに位置している上、山頂付近まで車やバスで登れるため、アクセスも快適。高知を訪れたら、竹林寺に参詣し、智恵の仏様・文殊菩薩の功徳をいただいて下さい。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
乾口 達司
これまでは日本文学や歴史学の世界で培った見識にもとづいて数多くの評論や書評を執筆してまいりました。奈良生まれ、奈良育ちの生粋の奈良っ子。奈良といえば日本を代表する観光地の一つですが、地元民の立場からい…
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索