写真:いしい ひい
地図を見る標高3,187メートルのラッセン山(Lassen Peak)は、世界最大の溶岩ドームであり、カスケード山脈で最も南にある火山です。ほとんど木もはえていない灰色の山は、静かな佇まい。しかし、100年ほど前、この山が大噴火を起こしたのです。
大小の噴火は1914年に始まり、1915年の最大級の噴火では、灰は空高く11キロ以上も噴き上がり、成層圏にまで達しました。大量の溶岩と火山灰が噴出して木々をなぎ倒し、周辺の地形は大きく変わりました。そして小規模の水蒸気噴火は、その後1921年まで続いたのです。
噴火によって形成された火山地帯の比類ない景観を守るため、ラッセン山とその周辺は、1916年、国立公園に指定されました。現在は火山活動は落ち着いており、ラッセン山に登ることもできます!
写真:いしい ひい
地図を見る公園内で活発な地質活動を見ることができるのが、バンパスヘル(Bumpass Hell)。その昔、この場所の発見者バンパスさんが誤って沸騰する熱水に落ちて火傷を負ったことから、彼の名まえたついたそう。火山ガスが噴き出す場所は、アメリカでも日本でも「地獄」と表現されるようですね。
このダイナミックな自然を鑑賞するため、観光客用に往復5キロ余りのトレイルが整備されています(所要時間:2〜3時間)。薄い地面の下に熱い泥が潜んでいることもあるので、安全なトレイルの上だけを歩きましょう。
噴気孔から噴出する水蒸気は、なんと161℃!世界中の休火山の中で最も熱いそうです。ぼこぼこと泥水が沸き立ち、水蒸気がもうもうとたちこめ、池や地面には黄色、オレンジ、緑、青などさまざまな天然色が輝き、自然発生したガスによって複雑な香りがたちこめる。大自然の営みを実感できることでしょう。
写真:いしい ひい
地図を見る今なお活動を続けるバンパスヘルと対照的に、バンパスヘルのトレイル入口近くにあるヘレン湖には、静謐な空気が漂います。ラッセン山の南に位置するこの氷河湖は、高度2,438メートル、カリフォルニア州で最も雪が多いところに位置し、1年の大半は氷と深い雪に覆われるのです。まるで短い夏を楽しんでいるかのように、透明な湖面はキラキラと輝いています。
ヘレン湖は、園内を縦断する89号線沿いにあるので、是非足を止めてみてください。そのピュアな姿を見ているだけで、心から癒されることでしょう。
写真:いしい ひい
地図を見るマンザニータ湖は、水泳、レンタルカヤック、キャンプなどのアウトドア・アクティビティを楽しむことができる場所。広々したキャンプ場には、シャワーや水洗トイレ、キャンプ用品店も備わっています。
湖を巡る2.6キロのトレイルは、子供たちにもぴったり。シカやビーバー、リスなどの小動物に出逢うこともできますよ。
この湖は、園内でもっとも人気の撮影スポットでもあります。ラッセン山のベストショットを撮ろうと、多くの写真家が集まります。
ラッセン火山国立公園までの公共交通機関はないので、車でアクセスする必要があります。サンフランシスコからは片道4時間半、ゲートシティであるレディングからはカリフォルニア州道44号線を東に1時間半ほどかかります。
公園を南北に通り抜ける89号線をドライブしながら、1日で全て見どころを回れるコンパクトな公園でもあります。
ベスト・シーズンは6月〜9月(冬季は積雪により、多くの道路や施設が閉鎖されます)。夏のラッセンは、最高気温25℃くらいと過ごしやすいですが、朝晩は0℃近くまで冷えることもあるので、必ず上着を持っていきましょう。
夏にはにはサマー・フィルムフェスティバルやダークスカイ・フェスティバル、また2016年には、国立公園100周年を記念するイベントも企画されているので、事前にホームページでチェックしてくださいね。
写真:いしい ひい
地図を見るラッセン火山国立公園は、まさに国立公園の穴場!カリフォルニア北部に広がる、ダイナミックな自然に是非お出かけください。
聖なる山として崇められるマウント・シャスタや、世界一の巨木がそびえるレッドウッド国立公園とともに旅のプランを立てるのもおススメです。
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(2023/11/29更新)
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