車山でニッコウキスゲ、八島ヶ原湿原で高山植物に出会う信州霧ヶ峰散策

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車山でニッコウキスゲ、八島ヶ原湿原で高山植物に出会う信州霧ヶ峰散策

車山でニッコウキスゲ、八島ヶ原湿原で高山植物に出会う信州霧ヶ峰散策

更新日:2016/05/31 14:19

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー

車山の噴火による流れ出た溶岩で生まれた霧ヶ峰は、まるでビーナスの曲線のように美しくなだらかな起伏がどこまでも続きます。眺めていると空の青と大地の緑とで造り出された油絵のような色彩の風景の中に吸い込まれてしまいそうになります。「車山高原」は7月には黄色いニッコウキスゲが高原一帯を覆い、霧ヶ峰最大の湿原「八島ヶ原湿原」では貴重な高山植物に出会えます。霧ヶ峰高原の花名所へドライブに出かけましょう。

山・高原・空、自然ととけあって季節を感じる「車山」

山・高原・空、自然ととけあって季節を感じる「車山」

写真:和山 光一

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中部山岳地帯の中心で長野県茅野市と諏訪市の境目に位置し、霧ヶ峰の最高峰なのが標高1925mの車山です。山頂に登れば遮るもののない360度のパノラマが眺望でき、北・南・中央アルプス、八ヶ岳、御嶽山と2500m以上の名峰を視界にとらえれば、胸のすくような爽快感が味わえます。しかも車山高原SKYGATEに車を停め、スカイライナー(6分)とスカイパノラマ(8分)の二つの展望リフトを乗り継げば車山山頂までひとっとび、リフトを降りて5分ほど歩けば車山山頂です。

車山一帯はニッコウキスゲの群落地で、7月ともなると黄色に染まった花畑がのどかに広がり、緑の草原との美しいコントラストが描かれます。リフトで登るのもいいですが、おすすめは約2Kmのニッコウキスゲの咲く登山道をゆっくりと初夏の爽やかな風を感じながら80分程歩いて車山山頂を目指すコースです。

ニッコウキスゲの黄色に染まる絨毯に包まれるように歩く

ニッコウキスゲの黄色に染まる絨毯に包まれるように歩く

写真:和山 光一

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山頂には車山神社という小さな神社があり、鳥居と祠のような社殿、その周りは4本の小さな御柱で囲まれています。これからの旅の安全を祈願しましょう。また、同じく山頂には1999年から稼働している車山気象レーダー観測所が設置されています。

山頂で車山神社をお参りした後、車山肩を目指して約1.7Km、30分ほど下っていきます。道幅は広いのですが石や岩がゴロゴロしていて多少歩きづらいので履きなれた靴は必需品です。

ニッコウキスゲの一番の群生地である車山肩からは、なだらかな斜面一面に黄色い絨毯のように咲き誇るニッコウキスゲが圧巻です。そしてニッコウキスゲ越しに見る、車山の気象レーダーや八ヶ岳の景色は、空の青と大地の緑が協調し、油絵のような鮮やかな色彩の風景を作り出していて、眺めていると風景の中に吸い込まれてしまいそうです。

車山肩からはバスで車山高原SKYGATEまで行けますが、健脚な方は車山湿原から車山乗越経由でリフト方面に40分程で戻れます。

風吹き渡る、草原のカフェ「ころぼっくるひゅって」

風吹き渡る、草原のカフェ「ころぼっくるひゅって」

写真:和山 光一

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標高1820mの車山肩に、針葉樹の防風林に囲まれた小さな山小屋「ころぼっくるひゅって」があります。『邂逅の山』などの著作で知られる作家の手塚宗求氏が家族と暮らすために無人の原野に手作りの山小屋を築いたのが始まりです。初めは登山ルート上の避難小屋として立ち寄った人にコーヒーを出していたのがきっかけでカフェを営業するようになり今に至っています。

入口を入った左手にはカフェルームがありますが、この季節、奥の車山湿原を一望できるテラス席に座り、 霧ヶ峰トレッキングの後は、爽やかな風が吹き抜けるオープンテラスでカフェタイムといきたいものです。こちらで出している「ころぼっくるブレンド」は霧ヶ峰の地下水を使い、一杯一杯サイフォンで淹れてだされている本格派で、チーズケーキとの相性も抜群です。

澄みきった大気の中でいただく一杯の美味しいコーヒーと甘い物は格別ですので、是非眺望と癒しの山時間を楽しんで下さい。

霧ヶ峰最大の静かな湿原「八島ヶ原湿原」を散策

霧ヶ峰最大の静かな湿原「八島ヶ原湿原」を散策

写真:和山 光一

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「八島ヶ原湿原」は、解放感あふれる八ヶ岳中信高原国定公園一角を占める泥炭層が8mにも達する貴重な高原湿原で、国の天然記念物に指定されています。高原湿原とはミズゴケを主体に200種以上の植物が枯れたあとも腐食せずに堆積し、泥炭化を繰り返してやがては水面より高く盛りあがったものをいいます。八島ヶ原湿原の泥炭層は8mにも及びますので、1年に1mm堆積するとして今の姿になるのに1万2000年という気の遠くなるような年月を要しています。

そんなことを念頭にウォーキングに出発しましょう。スタートは八島ビジターセンターあざみ館。車はここに停めます。コースは八島ヶ池、鬼ヶ泉水、鎌ヶ池をめぐり、南端の旧御射山遺跡で再びビジターセンターに戻る一周90分。湿地帯には木道が整備されているので歩きやすいです。湿原の南端にある鎌倉武士らが武芸を競った日本最古の競技場跡である旧御射山遺跡には、説明看板もあるので一読し、古に思いを馳せるのも楽しみです。

貴重な湿性植物や高山植物に出会う「八島ヶ原湿原」

貴重な湿性植物や高山植物に出会う「八島ヶ原湿原」

写真:和山 光一

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標高1630mの東西700m、南北800mの広大なエリアには、200種類以上の高山植物が自生し、周辺には400種類以上もの植物が生息する植物の宝庫です。繊細な湿性植物であるミズゴケは世界の研究者の憧れであり、7月ともなるとピンク色のハクサンフウロや黄色いキンバイソウ、ホタルブクロなど、ちょっと歩くだけで10種ほどの花に出会えます。写真にはミヤマシシウドやヤナギランが写っています。じっくり観察したければ、双眼鏡や望遠鏡を持参することをおすすめします。

また八島ヶ原湿原は植物の宝庫であるとともに、上空から見るとハート形に見えることか「恋人の聖地」に認定されています。優美な草原の風を感じながらカップルで幻想的な景色を眺めるのもいいですよ。

天空を駆け抜けるような開放感「ビーナスライン」

白樺湖から車山、霧ヶ峰を抜けて走る平均標高1400mの高原を駆け抜ける日本屈指のドライブルート・ビーナスライン。なだらかな起伏を繰り返す丘陵地の抜けるような青空と、なにひとつ遮るものがない草原の風景は走っているだけで気分爽快です。茅野市外から美ヶ原まで通じる約75Kmの山岳観光道路には、リゾート地の蓼科やレジャースポットの白樺湖、今回ご紹介した高山植物を見て楽しめる車山や霧ヶ峰と見どころいっぱいです。終点の標高2000mにある美ケ原高原では、ランドマークともいえる美ケ原美術館やトレッキングルートを散策して楽しむのもいいです。

霧ヶ峰のトレッキングの後はビーナスラインを白樺湖まで戻り、白樺湖温泉「すずらんの湯」に立ち寄るのがいいでしょう。高原の露天風呂から一望する湖も最高ですよ。また美ケ原高原までドライブするのならば、松本の奥座敷「美ケ原温泉」で一泊し翌日松本城や松本湧水めぐりなど楽しみたいものです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/07/19−2015/07/25 訪問

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