古写真を片手に、旧満州哈爾浜(ハルビン)を訪ねる

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古写真を片手に、旧満州哈爾浜(ハルビン)を訪ねる

古写真を片手に、旧満州哈爾浜(ハルビン)を訪ねる

更新日:2017/01/18 09:31

飛騨屋 勘左衛門のプロフィール写真 飛騨屋 勘左衛門 時空写真家(特に国内外における定点写真、近現代の遺構、鉄道、動植物等)

中国旧満州(現在の東北地方。中国では「偽満州」とよぶ)の哈爾浜市は中国最北の黒龍江省の省都で、人口1060万に達する大都会である。もともとは旧帝政ロシアによって19世紀末から20世紀初頭にかけて建設された街で、その後の日本統治を経た現在でもロシア風の建物が多く残されるなど、歴史的にも観光地的にも興味深い。今回飛騨屋は趣向を変えて昭和初期の古写真を駆使して現在の哈爾浜を御紹介しましょう。

まずはメインストリートの「中央大街」から

まずはメインストリートの「中央大街」から

写真:飛騨屋 勘左衛門

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かつて「キタイスカヤ」と呼ばれていた哈爾浜のメインストリートで、現在は自動車の通行が禁止されており、日本の銀座の歩行者天国のように地元の買い物客や観光客で賑っています。この写真は南方から北方へ向けて撮影したもので、右隅に見えている塔のある建物が「旧モデルンホテル」だった中央金店で、今もロシア語でモデルンホテルと記されています。石畳は花崗岩によるもので戦前の旧満州時代から変わらずに残っているものです。

まずはメインストリートの「中央大街」から

提供元:新光社刊「世界地理風俗大系 満州編」

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これは1930(昭和5)年に発刊された「世界地理風俗大系」に掲載された昭和初期の中央大街(キタイスカヤ)の風景です。モデルンホテルばかりか道路向かいの建物や前方左側の尖塔が目立つ「松浦洋行」の建物もはっきりと確認できます。現在「松浦洋行」はビジターセンターとして建物が保存されています。当時は道行く人のほとんどがロシア人でした。

哈爾浜駅南の紅博広場(旧大広場)と旧ニコライスキー寺院跡

哈爾浜駅南の紅博広場(旧大広場)と旧ニコライスキー寺院跡

写真:飛騨屋 勘左衛門

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ハルビン旧大広場(現、紅博広場)の中央寺院跡と博物館。中央寺院は戦後もしばらく残存していたが、1966年の文化大革命で惜しくも破壊された。今は唯一背後の博物館の建物のみが健在だ。広場の地下には地下鉄が走っている。

哈爾浜駅南の紅博広場(旧大広場)と旧ニコライスキー寺院跡

提供元:新光社「世界地理風俗大系 満州編」

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キタイスカヤと同じく1930年刊行の「世界地理風俗大系」から。当時は大広場と呼ばれた紅博広場に存在した中央寺院の礼拝堂で、先に述べたとおり1966(昭和41)年に文化大革命のために破壊された。ただし背後の博物館の建物は今も健在である。

次は旧日本人学校「桃山小学校」

次は旧日本人学校「桃山小学校」

写真:飛騨屋 勘左衛門

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中央大街から東へ数百mの場所にある兆麟公園に接して「兆麟小学校」が建っている。ここは1923(大正12)年に旧南満州鉄道と在住日本人の出費によって建てられた日本人学校「桃山小学校」だったところ。今も立派な正面玄関の建物が保存されている。

次は旧日本人学校「桃山小学校」

提供元:新光社「世界地理風俗大系 満州編」

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桃山小学校時代の写真。昭和初期に撮影されたもので、塔の上の旗は「日の丸」だった。現在、旗は付属していない。

最後は哈爾浜の象徴「松花江」

最後は哈爾浜の象徴「松花江」

提供元:世界地理風俗大系1 満州編(旧写真) 飛騨屋 勘左衛門(現写真)

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松花江(しょうかこう)は哈爾浜のみならず、黒龍江省をも代表する河川で、ロシア国境を流れる黒龍江(アムール川)に合流している。

現在は河岸に広がる「斯大林(スターリン)」公園では多くの地元民や観光客が散歩や休憩、釣り、夏季の夕涼み等の目的で集まっている。かつては帆船や蒸気船が停泊していた桟橋は、広大な中洲である太陽島への渡船の乗船場として使用されている。

太陽島はかつてのロシア人用の別荘地で、今は哈爾浜最大の総合公園として休日には大勢の遊覧客で賑う。また小規模ながら水浴場も存在する。かつての東清鉄道のトラス橋は人道橋となり鉄道用にはその手前に立派な松花江特大橋が架橋された。

最後は哈爾浜の象徴「松花江」

提供元:新光社「世界地理風俗大系 満州編」

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昭和初期の松花江と船着場。遠くにみえる長大なトラス橋が当時の東清鉄道の橋梁です。当時太陽島は夏季ロシア人専用の水浴場として利用されていました。

最後にいわゆるパワースポットを・・・。聖ソフィア大聖堂

最後にいわゆるパワースポットを・・・。聖ソフィア大聖堂

写真:飛騨屋 勘左衛門

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旧写真を追っかけるだけではせっかく訪問した哈爾浜市の「皮」ばかり食べた感じを覚える方もいるかもしれません。そこで最後に「餡」として同市随一の観光スポット「聖ソフィア大聖堂」を御紹介しましょう。レンガ製の外壁に緑色のネギ坊主形のドーム屋根を持つビザンチン様式建築の影響を受けたロシア正教の教会です。教会内も「哈爾浜建築芸術館」として開放され、休日には老若男女問わず大勢の見学者で賑っています。哈爾浜駅や中央大街からも行きやすく、しかも年中無休ですのでぜひ訪問することをお勧めします。
開館時間は8時30分〜17時(入館は16時30分まで)、年中無休、入館料20元(2015年8月時点)。

おわりに

今回は旧満州(現在の中国東北地方)黒龍江省の省都である哈爾浜市を、昭和初期の古写真を利用してご案内しました。観光スポットやグルメを楽しむことも旅行(特に海外旅行)の重要な目的ではありますが、昔の名所旧跡の「現在(いま)」を訪ねてみるのもまた一興ではないでしょうか。滞在日数にもよりますが、このような目的での市街散策を1日入れていただけますと、趣の違う思い出が加わりより印象的な旅行となるかと存じます。ぜひ一度お試しください。

●市内における撮影について
中央大街やソフィア聖堂のような市内の観光地では中国人客がみなスマホやタブレットでがんがん撮りまくっているので、日本人観光客も全く気にせず撮影できます。ただ、人通りの少ない戦前の住宅が残存する地域では観光客もほとんどおりませんので、路上から外観を撮るくらいにして、廃墟となった敷地内等へ無断で入ることは避けた方が良いでしょう。

●市内へのアクセスと宿泊について
最後にアクセスと宿泊についてですが、中国東方航空はまず十中八九予定よりも遅れて運航されます。そのことをあらかじめ「想定」して、余裕ある移動スケジュールを立てた方がイライラしないですみます。また、哈爾浜国際空港〜市内間の移動はタクシーしかないと思います。今回宿泊利用した三つ星ホテルIbis Harbin Sofia Churchは1泊朝食付き5500円(2015年8月時点)。朝食も質量ともに十分。旅慣れた方ならもう少し廉価な場所も利用できると思いますが、そうでない方ならばまずこのあたりのランクのホテルが問題なく泊まれるでしょう。ただし、日本語は勿論英語も通じないことも多いので、日常会話程度の中国語を覚えておくと便利だと思います。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/27−2015/08/30 訪問

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