江戸より続く東京の水源地を訪ねて。羽村取水堰とその周辺の見どころ

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江戸より続く東京の水源地を訪ねて。羽村取水堰とその周辺の見どころ

江戸より続く東京の水源地を訪ねて。羽村取水堰とその周辺の見どころ

更新日:2016/05/24 11:37

多摩川上流から水を引き、東京四谷までを繋いだ玉川上水は、江戸時代に急増する江戸の人口の水不足を補うために、玉川庄右衛門・清右衛門の兄弟によって開削されました。開削後は江戸の人々のみならず、木々の緑も潤し、350年以上経った今も、上水の取水口として日々の生活を潤しています。今回は全長43キロメートルにも渡る玉川上水の始まりの場所、羽村取水堰とその周辺の見どころをご紹介します。

東京四谷から43キロ。多摩川上流から始まる玉川上水の源へ。

東京四谷から43キロ。多摩川上流から始まる玉川上水の源へ。
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羽村取水堰へはJRで青梅線に乗り奥多摩方面へ向かいます。最寄り駅は羽村駅。ただ、一つ先の小作駅で降りて、多摩川の上流から遊歩道に沿って歩いてみるのもお勧め。小作駅から西方向に向かい多摩川沿いに出ると、阿蘇神社の境内を抜けた辺り、多摩川の流れが山際にぶつかって大きく湾曲している風景が望めます。

玉川上水は水路に水を引き込むのに、湾曲の先に投渡堰を設置し、脇へと流れ込む水流を利用しました。玉川上水が開通したのは1654年ですが、投渡堰を渡して水を取り込む構造は今でも変わっていません。

江戸土木の粋が今も残る羽村取水堰。土木遺産にも認定

江戸土木の粋が今も残る羽村取水堰。土木遺産にも認定
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ここが、その羽村取水堰。大規模な設備ではありませんが、石を積み上げて作った堰と奥多摩の自然とが美しく混じりあう、お勧めスポットです。多摩川サイクリングロードの終点にもなっており、堰の手前には大きな屋根付きベンチが準備され、ハイカーやツーリストの休息地となっています。また、取水堰脇には玉川上水を築いた庄右衛門・清右衛門の兄弟の銅像、水流を弱めるための当時の治水技術である川倉の模型などが飾られています。

現在の投渡堰は、明治42年に築造されたものですが、それでも100年以上前。羽村取水堰はその歴史的な価値により土木遺産に認定されています。

緑に覆われる散策路。玉川上水の始まりの景色とは?

緑に覆われる散策路。玉川上水の始まりの景色とは?
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こちらは羽村取水堰の反対側、玉川上水の始まりの景色。羽村取水堰から流れ出す水流は、井の頭公園の先、富士見ヶ丘駅付近まで続きます。ここから先、玉川上水に沿って続く散歩道は、マイナスイオンの散歩道といって良いほど、木陰の下と水音の続く素敵な散歩道。玉川上水は下流までの高低差が僅か100メートル弱。この僅かな高低差を利用して水を流しているため、水流はどこも非常に穏やか。

ハイキングが好きな人ならば、ここから水の流れに沿って、本当にどこまでもどこまでも歩けます。その間には所々に、洪水により堰の流れを変えた後や、礫層により工事が放棄された跡などが歴史の足跡として残されています。

立ち寄りスポットその1 羽村市郷土博物館

立ち寄りスポットその1 羽村市郷土博物館
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羽村取水堰の周辺には、その他にも幾つかのお勧めの立ち寄りスポットがあります。多摩川を渡った向こう岸にあるのは、羽村市郷土資料館。

ここでは玉川上水の工事にまつわる展示や、羽村の近代化の軌跡、明治の一大産業となった養蚕、そして大菩薩峠を書いた中里介山の生涯などが紹介されています。資料館の裏には古民家や長屋門などが移築されており、多摩川の自然と共に、江戸の昔より変わらない景観が堪能でき、しかも入場無料です。

立ち寄りスポットその2 まいまいずの井戸

立ち寄りスポットその2 まいまいずの井戸
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もう一つ紹介する立ち寄りスポットは、非常に珍しい古井戸。その名も「まいまいずの井戸」。ここはJR羽村駅から徒歩2分と立ち寄りにも非常に便利。

まだ井戸掘りの技術が未発達だった頃、貴重な水を得るために、渦巻き状に5メートルほど土地を掘り下げて、そこから掘った井戸です。覗き込むと目を回しそうなほどの、ぐるぐる渦巻き。江戸時代の新編風土記にも「まことに古風なり」と紹介された井戸は、歴史的には鎌倉時代の頃のものだと推定されています。

おわりに

玉川上水が作られた頃、雑木林と野原であった武蔵野は、人の手が入ることで農村と自然とが豊かに混じりあい、今の日本の原風景になりました。玉川上水は、その武蔵野の自然の代表的な風景の一つです。

この20年で中央線沿線は駅周辺から大きく開け、武蔵野の自然も殆どが失われましたが、羽村の地にはそれでも今なお多くの自然が残ります。普段は見逃しているかもしれない身近な美を、玉川上水を巡ることで、あらためて見直してみるのはいかがでしょうか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/05/14 訪問

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