写真:波奈 美月
地図を見る歴史ある城下町、小田原。そのシンボルである「小田原城」は、関東一円を支配した戦国大名の北条氏が、五代にわたって拠点とした城です。明応4年(1495年)に小田原北条氏の居城となった小田原城。要害堅固な城で、"難攻不落"を誇りました。
ところが、天正18年(1590年)、豊臣秀吉の軍勢による包囲戦の結果、落城します。その後は幕府の直轄となり、維新後の明治3年(1870年)には廃城。ほとんどの建物は解体され、残った石垣も大正12年(1923年)の関東大震災でほぼ全壊しました。
写真:波奈 美月
地図を見るその後、本丸を中心に「城址公園」として整備され、昭和35年(1960年)に天守閣が復興。次いで、昭和46年に常盤木門(ときわぎもん)、平成9年に銅門(あかがねもん)、平成21年に馬出門(うまだしもん)が復元されました。写真は本丸の正門である「常盤木門」です。
平成27年7月より、半世紀以上経過した天守閣に大規模な改修工事が行われ、平成28年(2016年)5月1日、リニューアルオープン!展示も魅力的に一新されました。
写真:波奈 美月
地図を見る小田原駅東口から小田原城天守閣まで、北側の近道を通ると徒歩約10分で到着できます。でも、はじめて訪れる時は遠回り(徒歩約20分)ですが、ぜひ「正規登城ルート」で入城してみましょう。
駅から「お堀端通り」に出てまっすぐ歩くと、まずは掘に架かる赤い「学橋(まなびばし)」が見えてきます。思わず渡りたくなりますが、「正規登城ルート」を通るためには、その向こうの「馬出門土橋(うまだしもんどばし)」を渡る必要があります。ご注意ください。
写真:波奈 美月
地図を見る「正規登城ルート」は、馬出門土橋 → 馬出門 → 馬屋曲輪(馬屋・登城者の待機所があった所) → 銅門(二の丸の表門)→ 常盤木門(本丸の正門) → 本丸広場 → 天守閣 と進んでいきます。
城壁で四角く囲み、進入した敵を一網打尽にしてしまう"枡形門"の構造や、土塀にある敵を射る為の穴である"狭間(さま)"、「銅門」(写真)にある"石落とし"などは必見!
「馬屋曲輪(うまやくるわ)」には、昭和初期の建築である観光案内所(旧市立図書館)があります。ボランティアガイドに無料で小田原の名所・旧跡の案内をお願いすることができますよ。
写真:波奈 美月
地図を見る天守閣の内部は、小田原城に関する展示室となっています。1階は江戸時代・2階は戦国時代・3階は美術工芸品や発掘調査について、4階は企画展示のエリアで内容が変わります。
古文書・名刀・絵画・陶磁器など、全体の展示数は221点。グラフィックによる説明が多く、思わす興味を引かれるような展示が特徴!甲冑の顔出しパネルで記念撮影したり、小田原北条氏の"虎朱印"を押す体験もできますよ。黒や赤を基調とした内装は、戦国武将らしいイメージで、ちょっとおしゃれな感じも。
写真:波奈 美月
地図を見る5階は、江戸時代の天守閣最上階の一部を再現。武士の守護神とされるイノシシに乗った「摩利支天(まりしてん)」をはじめ、「天守七尊」と呼ばれる7体の神仏像が安置されています。
天守の地階から最上階までを貫く八角形の大黒柱「将軍柱」は必見!写真左の太い柱です。太さはなんと直径45センチ。記念撮影用に、柱の断面と同じ大きさである「平成の大改修」のロゴマークが用意されていますよ。
写真:波奈 美月
地図を見る1階には映像シアターもあり、「よみがえる小田原城」と「北条五代100年の夢」を交互に上映(約7分)。わかりやすく小田原城や北条氏について理解することができます。
「北条五代100年の夢」は四代・北条氏政役に俳優の苅谷俊介さん、五代・氏直役に合田雅吏さんが出演するドラマ仕立て。秀吉に降伏した五代氏直が、自身の切腹と引きかえに将兵の助命を申し出た史実に思わず涙!
写真:波奈 美月
地図を見る小田原城天守閣の標高は68.3メートルで、高さは全国7位の27.2メートル。外回廊からは360度、どの方向を向いても絶景を見ることができます。
小田原市では歴史景観を大事にして、平成18年、天守閣の高さを超える建物の建築を制限。この見通しの良さはその賜物でもあります。
写真:波奈 美月
地図を見る天守閣の外回廊は、ぐるりと一周できるようになっており、南は真鶴(まなづる)半島や伊豆半島、東は小田原の街や相模湾、北は丹沢(たんざわ)の山々を背景にして小田原駅や新幹線が走る姿を眺めることができます。
西は、駒ヶ岳などがある箱根方面が見え、豊臣秀吉が北条氏攻略のために築いた「石垣山一夜城」の位置を示すパネルも設置されています。わずか小田原城から3キロほどの距離で、当時の緊張感を思わず体感!
写真:波奈 美月
地図を見る常盤木門の2階にある「常盤木門SAMURAI館」は、甲冑や刀剣類など、武具を専門にした展示が特徴です。
10数点の展示ですが、幕府公認で小田原藩最後のあだ討ちをした浅田兄弟が使用した刀など、一点一点の見応えは十分!年に2〜3回、展示替えもされますよ。
NHK総合テレビ「ブラタモリ」で小田原を特集した際、タレントのタモリさんが着用した兜も展示されています。
館内の奥では、実物の甲冑にプロジェクションマッピングした「花伐(う)つ鎧」の上映をしています(約5分)。甲冑から武士の思いが立ち昇り、桜の木に再生するストーリーで、美しく迫力のある映像は必見!繰り返し上映しているので、いつでも見ることができますよ。
写真:波奈 美月
地図を見る常盤木門の1階は、甲冑・打掛・忍者衣装の"貸出着付け体験スペース"となっています。小田原城をバックに鎧武者やお姫様になりきっての記念撮影、いかがですか?
2019年4月20日、歴史見聞館が「NINJA館」としてリニューアルオープン!小田原北条氏の歴史や、戦国時代の北条氏を支えた風魔忍者について、楽しく学ぶことができますよ。
まず「プロローグ」で小田原城や小田原北条氏の歴史を学んだら、「戦国シアター」で"忍務"を言い渡されます。次の「忍術体験ゾーン」で、8つの忍術を習得!最後の「実践ゾーン」では、スクリーンを使って敵の忍者と戦うことができます。
子供から大人までワクワクすること間違いなし!ご家族でのお出かけに最適です。
写真:波奈 美月
地図を見る「城址公園」には、今回ご紹介したほか、小動物園・豆汽車・メリーカップなどの遊具がある「こども遊園地」があります。
花の名所としても有名で、3月下旬〜4月上旬は「桜まつり」、6月上旬〜6月下旬は「あじさい花菖蒲まつり」、11月3日〜中旬は「菊花展」を開催!
5月3日の「小田原北條五代祭り」、7月下旬の「小田原ちょうちん夏まつり」など、さまざまなイベントの会場にもなっていますよ。
東京からのアクセスも良く、東海道山陽新幹線なら約35分で小田原駅へ到着!専用駐車場はありませんが、小田原駅東口駐車場をはじめ、周辺には駐車場が多数あります。
イベントや駐車場の詳細は、記事下の関連MEMO「小田原市公式ホームページ」よりご確認ください。
住所:神奈川県小田原市城内6-1(天守閣)
電話番号:0465-23-1373
開館時間:午前9時00分〜午後5時00分(入館は午後4時30分まで・延長の場合あり)
休館日:12月31日〜1月1日・12月第2水曜日(天守閣のみ)
入館料:
(天守閣)一般500円、小中学生200円
(常盤木門)一般200円、小中学生60円
(NINJA館)一般300円、小・中学生100円
(天守閣・常盤木門 2館共通券)一般600円、小中学生220円
アクセス:
(交通機関)
・小田原駅から徒歩10分
(車)
・小田原厚木道路「荻窪IC」から約10分
・西湘バイパス「小田原IC」から約5分
・東名「大井松田IC」から約40分
2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
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(2024/3/29更新)
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