写真:かのえ かな
地図を見る松山城二之丸史跡庭園が誕生したきっかけは、松山市制の百周年記念事業の一環でした。庭園としてオープンすべく、整備前の発掘調査を行っていたところ、1枚のコインを発見。これが、恋人の聖地と呼ばれるようになった由縁です。
このコインはロシア製で、そこには日露戦争期に捕虜となっていたロシア人男性と日本人看護師の女性の名前が刻まれていました。
当時の松山は各地に捕虜収容所があり、ここ二之丸跡もそのひとつでした。そのような厳しい状況下で敵対する国にある2人が、1枚のコインに名前を刻む・・それだけで深い想いが伝わってきます。ちなみにこのコインには加工がされており、ペンダントに使われていたのではと考えられているそうです。
こうした背景から、松山城二之丸史跡庭園は恋人の聖地と認定され、2人のエピソードはロシアでミュージカルにもなっています。そして今では約500組のカップルがここを訪れ、結婚式前の記念撮影を行っています。
写真:かのえ かな
地図を見る1627〜1634年ごろ完成したとされる二之丸御殿。当時は藩の中枢として機能し、藩主の家族や家臣、側室など多くの人が住んでいたとされるだけあって、見どころが豊富です。
当時の住居の間取りを再現し、水を張り巡らせている「流水園」。同じように間取りを再現しつつ、愛媛らしく柑橘類の木を植えた「柑橘・草花園」。(園内の柑橘は収穫時には食べることができます)城マニアには、入口付近の狭間(さま)や石落としといった防衛施設が人気です。
しかしデートで行くならおすすめは、日本庭園「林泉庭」でしょう。わび・さびという日本の美学を大切にしたこの空間では、池と露岩、そして滝による見事な調和が見られます。
庭園の周辺にはベンチが設置されており、ゆっくり景色を眺めるカップルの姿が。お喋りをしたり、写生や読書などそれぞれ好きなことを楽しんでいたりと過ごし方はさまざまです。日常のせわしなさが、ここでは吹き飛びます。
写真:かのえ かな
地図を見るさらなる2人きりの空間を求めるなら、「勝山亭」へ行きましょう。勝山亭は、皇室関連施設である桂離宮を参考に作られた建築物。小さな城山の上にあり、林泉庭の横にある石段を上って行きます。
周囲は完全に緑に覆われ、松山城二之丸史跡庭園の中でもずば抜けて静かな空間です。しかもここからは、庭園全体を見渡すことができます。上から御殿跡の間取りを見るのも、ここならではの楽しみのひとつ。デートではぜひ立ち寄ってほしいスポットです。
写真:かのえ かな
地図を見る庭園などをぐるりと歩いたら、最後にやってくる見どころが「大井戸遺構」です。防火用として造られたこちらの大井戸。屋内に作られたものとしては日本最大規模で、その大きさは東西東西18m、南北13m、そして深さは9m!実際に見ると、非常に迫力があります。大井戸の水は、松山城山の雨水が流れ出ることによって湧き出ているとされています。
ちなみに恋人の聖地のきっかけとなったコインが発見されたのも、この大井戸です。デートのフィナーレにぜひ、チェックしておきましょう。
写真:かのえ かな
地図を見る松山城二之丸史跡庭園へのアクセスは、市内電車を利用すると便利です。最寄りの停留所は「県庁前」。そこから歩いて約5分で行くことができます。JR松山駅からでしたら、電車と徒歩合わせて15〜20分ほどで行けるでしょう。もちろん車での来場も可能です。庭園の入り口近くに専用の無料駐車場があります。
園内をストレートに歩いた場合の所要時間は15分ほどとなっています。庭園や各施設をゆっくり見た場合は40分ほどかかるでしょう。
癒しの旅や、特別な思い出作りにピッタリの松山城二之丸史跡庭園。四季折々の風景と穏やかな時間を、ぜひ大切な人と共有してみましょう。今回ご紹介した定番の見どころのほか、季節ごとのイベントも行っているので、公式サイトで最新情報もチェックしてみてくださいね。
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(2024/12/3更新)
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