福井県敦賀市にある「気比の松原」は静岡県の“三保の松原”、佐賀県の“虹の松原”と共に日本三大松原の一つとして数えられています。敦賀湾に面した東西約1.5キロメートル、南北400メートル、面積は約40万平方メートルで、東京ドーム約9個分の広さです。
「気比の松原」の東側には政治家・後藤新平(ごとう しんぺい、1857年〜1929年)の書による“松原公園”と記された石碑があり、その奥には“大王松”、“ひげの松”、“フランス海岸松”と見応えのある松が雄壮に伸びています。
松原観光案内所、トイレ、無料の駐車場も整った「気比の松原」には様々な石碑が建立されています。石塚友二(いしづか ともじ、1906年〜1986年)は新潟県出身の俳人・小説家。度々、敦賀を訪れて敦賀市の花の“萩”を詠んだ以下の句が碑に刻まれています。
「後塵は拝すべからず萩若葉」
高浜虚子(たかはま きょし、1874年〜1959年)は愛媛県出身の俳人・小説家。1957年(昭和32年)10月に敦賀市の招待で、この地を訪れ、『おくのほそ道』を著した江戸時代の俳人・松尾芭蕉(まつお ばしょう、1644年〜1694年)の杖跡を辿りました。
「松原の続くかぎりの秋の晴」
その時に詠んだ上記の句が「気比の松原」の石碑に刻まれています。
一般的に日本で生息する松は、クロマツが塩に強く、アカマツが塩に弱いという性質があります。そのため、海岸にはクロマツが生育することが多くなります。
静岡県の“三保の松原”、佐賀の“虹の松原”の主要な松が、クロマツであるのに対して「気比の松原」は、海岸では珍しくアカマツが約60%を占めているという特徴を持っています。
実際に「気比の松原」でも海際にはクロマツが分布しています。しかし、このクロマツが海からの風を遮ったことで、内陸側にはアカマツが多く分布するようになったと考えられています。
そんな特徴的な松原を散策してみてはいかがでしょうか。
松原、砂浜、敦賀湾の美しい色彩のコントラストにより“日本の白砂青松100選”の一つにも選ばれている「気比の松原」。釣りのスポットとしても有名で、キス、カレイ、ベラ、メゴチ、コダイなどを求めて、釣り人たちも訪れる場所です。
また夏には海水浴場となり、シャワーや更衣室、海の家などが設営され、バーベキューも可能に。毎年8月16日には、“とうろう流しと大花火大会”が開催され、子供たちと一緒に夏を楽しむ家族の姿やカップルといったように多くの観光者で賑わいます。
北陸自動車道・敦賀インターチェンジから車で約13分とアクセスもしやすい環境も嬉しいポイントです。
「気比の松原」では遊歩道もあり、散歩コース(約15分)、歴史文化コース(約20分)、森林浴コース(約40分)、松原満喫コース(約120分)とモデルコースも整っています。“遊歩百選”にも選定されウォーキングに最適な場所。
海岸線に平行して、松原の中央には道路も通っているので、サイクリングやドライブもオススメです。松原の中をゆったりと駆け抜けてみてはいかがでしょうか。
敦賀駅の観光案内所ではレンタサイクルのサービスもあるので、「気比の松原」に加えて、敦賀市内の豊富な観光スポットをサイクリングしながら巡るのも気持ちが良いですよ。
こちらから約2.5キロメートル離れた観光名所の一つ、“氣比神宮”。実はこの松原のある場所は古くは“氣比神宮”の領地であり、そのゆかりや伝説も残っています。
敦賀駅から「気比の松原」までは、コミュニティバスや主要観光スポットを巡る「ぐるっと敦賀周遊バス」が運行していますのでのアクセスも楽々。途中で“氣比神宮”のバス停にも立ち寄りますので、「気比の松原」と共に併せて訪ねてみて下さい。
以上、松原の緑、砂浜の白、敦賀湾と空の青、色彩のコントラストが美しい福井県敦賀市にある名勝「気比の松原」の御紹介でした。
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