岩山入門者にオススメ! 南八ヶ岳の壮大な岩稜へ

岩山入門者にオススメ! 南八ヶ岳の壮大な岩稜へ

更新日:2013/09/17 15:06

「初心者向けの低山には何度か登っていて、登山道具は一通り揃っている。」「登山のレベルをステップアップさせて、いつか日本アルプスにチャレンジしてみたい!」そんな人にオススメなのが、都心からのアクセスが良く、登山ルートが豊富で、絶景を臨める南八ヶ岳です。今回は、2泊3日で美濃戸口から赤岳・横岳・硫黄岳を周遊するルートを紹介します。

南沢の美しいコケの森を抜けて行者小屋へ

南沢の美しいコケの森を抜けて行者小屋へ
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美濃戸口へのアクセスは、車なら諏訪南IC経由で、電車ならJR茅野駅からバスで向かいます。今回は車で深夜に美濃戸口に到着し、そのまま八ヶ岳山荘の仮眠室で一泊。この仮眠室は、24時間出入り可能で、ふとんなどの寝具も借りられるので便利です。団体の利用で貸しきられることもあるので、事前に利用できるか電話で確認することをオススメします。

翌早朝に、車でさらに山奥にある赤岳山荘まで移動し、登山を開始。赤岳山荘の駐車場までは林道を通るので、運転が不安な人は美濃戸口に駐車した方がよいと思います。また、バスを利用する人は、帰りのバスの時刻を確認しておきましょう。

柳川南沢を通って、行者小屋へ。針葉樹の森の中では、鮮やかな緑色のコケが、絨毯のように美しく茂る光景を楽しめます。そして南沢の後半では景観が開け、横岳を一望できます。以前は写真の場所で、ニホンカモシカに出逢いました。奈良の法隆寺にいるシカとは違って、体が大きく、毛がフサフサとして、威厳を感じる姿をしています。凛とした眼に見つめられて、感動しました。運が良ければ逢えるかもしれません。

くさり場と鉄階段の岩肌を攀って、八ヶ岳最高峰の赤岳へ

くさり場と鉄階段の岩肌を攀って、八ヶ岳最高峰の赤岳へ
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行者小屋から、文三郎尾根を攀って赤岳へ。赤土と岩の急斜面で滑りやすい場所もあるので、設置されているくさりを使い、慎重に攀りましょう。長い鉄階段を越えると、八ヶ岳の最高峰、2899mの赤岳のピークです。

この日は赤岳の頂上から30分ほど下ったところにある、赤岳展望荘で一泊。備え付けのホットコーヒーを飲みながら、山頂からの夕暮れと朝焼けをゆっくりと味わえました。赤岳展望荘は、山小屋では珍しく、シャワーが利用できる点や、夕食も朝食もバイキング形式でたっぷりと食べられる点が魅力です。

稜線の風を感じながら、横岳を縦走

稜線の風を感じながら、横岳を縦走
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赤岳展望荘を出発し、稜線上を歩いて横岳へ向かいます。アップダウンが少なく、涼風を感じながら景色を楽しめる稜線歩きは、登山の醍醐味です。雲海と、その向こうにある山々を眺めながら天空を散歩する気分は、最高です。

あいにくこの日は霧が濃かったですが、晴れ間が見えた一瞬で、ブロッケン現象が見られました。谷間に大きな自分の影が映り、その回りに虹の輪が見えて、感激!

横岳は、奥ノ院・大権現などの岩峰の総称。ルートには、両側が切り立った岩稜をトラバース(横移動)する場所があるので、三点支持(手や足など体の3ヶ所を岩につけて、体重を支える)をすることを意識して、慎重に歩きましょう。

巨大な噴火口、絶景の硫黄岳

巨大な噴火口、絶景の硫黄岳
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火山噴火が繰り返されて形成された八ヶ岳の中でも、最も火山らしい風景だと感じられるのが、硫黄岳。山頂の北側には、爆裂火口と呼ばれる、高低差600mの壮大な火口が広がります。天気がよければ、南八ヶ岳、北八ヶ岳、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、浅間山をぐるりと見渡せる、まさに天空の絶景ポイントです。

またこの火口は、高山植物で可憐な花を咲かせるコマクサの群生地でもあります。7月中旬〜8月中旬には火口一面が、小さなピンク色の花畑になります。私の訪れた時はちょうど開花の最盛期でした。

硫黄岳からは、赤岳鉱泉を目指して下山します。赤岳鉱泉を抜けて、柳川北沢を下って、美濃戸口へ戻ります。

最後に

今回のプランは、南八ヶ岳の山々を巡る内容なので、体力がある人にオススメです。体力に自信が無い人や、岩山にまだ不安を感じる人は、行者小屋の山小屋に泊まって赤岳を往復するプランや、赤岳鉱泉の山小屋に泊まって硫黄岳を往復するプランがオススメです。
八ヶ岳周辺には温泉も多いので、赤岳鉱泉の温泉を楽しんだり、足を伸ばして、諏訪湖周辺の温泉に立ち寄ったりするのもいいですね。

登山では、ウェア・装備・食料の準備、天気の確認、読図、そして日程の検討を事前に行うことが大切です。
読図と日程の検討にオススメなのが、「山と高原地図」。主要なポイント間のコースタイムが記されているので、登山の計画を立てるのに役立ちます。

八ヶ岳はルートが豊富なので、自分の体力や技術に合わせてプランを組み、絶景の岩稜を味わえるのが魅力です。
雪が溶けて登りやすく、高山植物の花が楽しめる6月下旬から9月中旬に行くのがイチオシです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/08/16−2013/08/18 訪問

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