奥出雲三段式スイッチバックの絶景と蕎麦を求めて〜JR木次線乗り撮り歩き

奥出雲三段式スイッチバックの絶景と蕎麦を求めて〜JR木次線乗り撮り歩き

更新日:2023/09/21 09:50

もんTのプロフィール写真 もんT チューター、フリーライター
島根県といえば、石見銀山の世界遺産登録で世界的な注目を集めましたが、山深い奥出雲にもすばらしい風景が広がっています。そんな奥出雲へ、三段式のスイッチバックで有名な木次線を利用して分け入り、出雲そばと大自然を堪能する旅を紹介します。

末端区間は1日わずか3往復…超過疎地域を走る木次線

末端区間は1日わずか3往復…超過疎地域を走る木次線

写真:もんT

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木次線(きすきせん)は島根県の宍道駅から広島県の備後落合駅までを結ぶ全長81.9キロのローカル線です。
特に奥出雲町の出雲横田駅から県境を越えて備後落合に至る末端区間は、1両編成のディーゼルカーが1日に3往復走るのみという過疎路線です。
しかし、この末端区間に有名な3段式スイッチバックなど山深い大自然のパノラマが広がっています。
それに何と言ってもそばがおいしい!

松江や出雲市周辺、また石見銀山観光の折はぜひ立ち寄ってみたいところです。

トロッコ列車でのんびり旅もお勧め!

トロッコ列車でのんびり旅もお勧め!

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沿線はヤマタノオロチ伝説など神話にちなんだ観光スポットもあるため、途中の木次駅から三井野原駅までは、各駅に『古事記』や『日本書紀』に登場する人物名や地名が愛称として付いています。
また出雲横田駅の駅舎は出雲大社を模したもので、堂々たる構えです。
沿線が神話の里であることをうかがわせます。

土曜・休日や春休み・夏休みの時期には、観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」が運転されています。出雲市方面から奥出雲を旅するには、とても便利なお勧めの列車です。
車内で観光ガイドもあるので、行きにこの列車を予定に組み入れると、沿線観光の楽しみ方が広がります。

○ 奥出雲おろち号
   乗車区間の乗車券+指定席券(大人¥530 小人¥260)

なお、トロッコ列車「奥出雲おろち号」は、2023年11月で引退の予定です。

奥出雲のそばと山里の空気を堪能!

奥出雲のそばと山里の空気を堪能!

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木次線利用で駅から0分で行けるお蕎麦屋さんを紹介しましょう。
まず古くから有名なのが、亀嵩駅の「駅長そば扇屋」。駅舎そのものがお蕎麦屋さんです!
そば弁当は電話で1時間前までに予約注文しておくとホームまで届けてくれます。時間がない人もおそばを車内で味わえます。
もちろん下車してお店でゆっくり味わうのもお勧めです。

○ 駅長そば扇屋
   営業時間 10:00〜15:00
   定休日 火曜日
   亀嵩駅そば弁当¥750 割子そば(3段)¥860 など 

もう一つ紹介したのは、八川駅前の「八川そば」。
まず下車すると、駅舎が良い味出しています!
木造ニス塗りのベンチや改札、出札窓口など、レトロな雰囲気満点です。
そしてすぐ駅前がお蕎麦屋さんです!(入口は国道側にあります。)
特に、平日限定ですが「おでん割子セット」は、かつて木次線の終着駅備後落合駅にあった「おでんそば」を思い出させます。昔の木次線を知る人にはお勧めの逸品です。

○ 八川そば
   営業時間 11:00〜16:00
   定休日 火曜日
   八川伍段そば¥1690 おでん割子セット¥1323 など

奥出雲のそばと山里の空気を堪能!

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八川駅で下車したら次の列車まではかなり時間があるので、ぜひ駅周辺もちょっと歩いてみましょう。
山里で思い思いにのんびりと時間を過ごすのも、最高の贅沢です。

まず駅を出て右へ、国道に沿って進み15分ほど歩くと、「横田郷土資料館」があります。
かつての奥出雲地方の民家が保存されていて、生活の様子もしのぶことができます。

また駅を出て左へ行くとすぐ、線路をまたぐ陸橋がありますが、ここは木次線の好撮影ポイントです。

木次線のハイライト!出雲坂根の3段式スイッチバックを登る

木次線のハイライト!出雲坂根の3段式スイッチバックを登る

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再び列車に乗ってさらに山奥を目指します。
八川駅の次、出雲坂根駅ホームには「延命水」と称する大変おいしい水が湧き出ています。
停車時間が少しあれば、ホームに出てこの湧き水をいただきましょう!
そしてここからが木次線の最大の見せ場です。
3段式のスイッチバックで山を越えて行くのです。
列車は今までとは逆方向へ進んだかと思うと、ぐんぐん標高をかせぎ、また向きを戻して前進し、深い山の中をゆっくりと上っていきます。

木次線のハイライト!出雲坂根の3段式スイッチバックを登る

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列車からの車窓は、出雲坂根の3段式スイッチバックを越えると、進行方向右手に中国山地の山深いパノラマがゆっくりと流れていきます…。
国道の巨大なループ橋「おろちループ」も見えますが、まさにまるでヤマタノオロチ…。

やがて三井野原駅に到着。標高727メートルで、JR西日本管内の駅では最高地点です。
この駅を過ぎると木次線は広島県に入り、ほどなく終点、備後落合に。

備後落合は終着駅といっても、山間の小駅でお店や宿泊施設は皆無…。
芸備線に乗り換えて、三次あるいは新見方面へ向かうか、木次線で来た道を戻るか、前もって時刻表でよく計画を立てておきましょう。

いよいよラストラン…「奥出雲おろち号」を乗り撮り歩こう

いよいよラストラン…「奥出雲おろち号」を乗り撮り歩こう

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最後に、2023年11月でラストランとなるトロッコ列車・「奥出雲おろち号」と、路線バスを組み合わせて、鉄道のスイッチバックと国道のおろちループを両方楽しむプランをご紹介しましょう。

まずは、備後落合行きのトロッコ列車の旅を楽しみます。指定席は早くに売り切れてしまうので、1か月前の10時の売り出し時におさえましょう。終点の備後落合までは行かないで、スイッチバックで乗り切った後の停車駅・三井野原(みいのはら)で下車します。(12:08着)

駅を出て右、踏切近くに、奥出雲交通の「三井野原駅入口」バス停があります。そこから、13:29発の横田車庫行きに乗車しましょう。なお、返しの木次行き「奥出雲おろち号」は、三井野原駅着13:26。発車は13:27で、バスはこの直後、踏切を渡ってバス停に来ます。踏切近くで撮影をしてから、バスに乗り込むと、国道のおろちループを下って、あっという間にトロッコ列車を追い抜きます。

いよいよラストラン…「奥出雲おろち号」を乗り撮り歩こう

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バスはどこまで乗っても200円の均一運賃。八川駅の2つ手前「仲仙道」バス停付近には、山間を行く木次線の好撮影ポイントがあり、「奥出雲おろち号」の撮影におススメです。バスが13:40頃に到着した後、「奥出雲おろち号」は14:19頃にこの辺りを通過していきます。

ここから八川駅までは徒歩20分弱。撮影後は、前述の「八川そば」でおいしいお蕎麦をいただきながら、休憩。15:44の列車で宍道方面に戻ることもできますし、15:58の列車で再びスイッチバックを越え、備後落合へ行き、三次、広島方面へ向かうこともできます。

トロッコ列車・「奥出雲おろち号」の運行は、2023年11月23日まで。路線バスも活用して、「奥出雲おろち号」の最後の旅を楽しんできてください。

まとめとして…

いかがでしたか?
秋の紅葉シーズンや新そばの時期はなおさら最高の旅になることでしょう。
奥出雲へはぜひとも木次線を使って、のんびり贅沢な旅を楽しんでください。

2023年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/08/06−2013/08/07 訪問

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