写真:bow
地図を見る滋賀県の面積の実に6分の1を占めるという琵琶湖。その琵琶湖がいちばんくびれた部分にある満月寺。ここにはさながら湖上に浮いているかのように見える「浮御堂」があることで有名です。
室町時代に選定されたという「近江八景」のひとつ『堅田の落雁』として古来からその情景は松尾芭蕉など多くの俳人に愛されてきたのです。
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地図を見る「浮御堂」は正式名称を海門山満月寺といい、臨済宗大徳寺派のいわゆる禅寺。その創建は平安時代後期とされ、浮御堂の背後にそびえ立つ比叡山の僧、源信(恵心僧都)によって、湖上の安全と衆生済度を祈願して建立されたとされています。
以来1000年以上にわたり、「浮御堂」は湖上交通の要所であるこの地の安全を見守り続けてきたのです。
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地図を見る琵琶湖の上に立つお堂の中には「千体仏」と呼ばれる阿弥陀仏が安置されています。これはもともと源信が、自ら一千体の阿弥陀仏を刻んで「千仏閣」「千体仏堂」と称して浮御堂を建立したところから始まっています。
なぜ千体もの仏があるのかというと、一体よりも二体、二体よりも三体と数多くの仏像を作る事に功徳があるとされた「多数功徳作善信仰」という平安時代の信仰から。「浮御堂」からは千体あるという仏様の一部を見ることが出来ます。なかなか見応えがあるのでぜひお堂の中を覗いてみましょう。
「浮御堂」のある満月寺の境内には俳人たちの句碑が5つもあります。そのうち松尾芭蕉は「鎖あけて月さし入れよ浮み堂」「比良三上雪さしわたせ鷺の橋」の2句。また、高浜虚子、高桑蘭更、阿波野青畝の句碑もあります。それ以外にも小林一茶らが「浮御堂」の句を残しており、古来から多くの俳人たちの心を捉えていたことがわかります。
また、俳人たちだけでなく歌川広重、葛飾北斎、安藤広重などが「浮御堂」を訪れています。そんな多くの文化人たちが、春夏秋冬・朝昼晩のどこを切り取っても絵になる琵琶湖の絶景の虜になり、数々の名作の題材としてきたのです。その絶景は昔と変わることはなく、今も訪れた人の心を打っています。
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地図を見る遠景で見ても分かる通り、「浮御堂」は湖の中へかなり突き出て立っています。それゆえに「浮御堂」からは東に目をやれば伊吹山や近江富士、沖ノ島が。また西を向けば比良山系や比叡山、そしてなんといっても眼前に広がる雄大な琵琶湖を堪能できるという、「浮御堂」から見る景色そのものこそが素晴らしいものだったのです。
「浮御堂」と琵琶湖との情景だけでなく、遮るものがなく琵琶湖との一体感が味わえる「浮御堂」こそが、本当の絶景ポイントなのです!
1000年以上の歴史を持つ「浮御堂」ですが、現在のお堂は昭和12年に再建されたもので、国登録の有形文化財に指定されています。実は先代の「浮御堂」は昭和9年の室戸台風で倒壊してしまったそうです。きっとこれからも、形を変えることはあってもこの場で「浮御堂」はずっと琵琶湖の絶景スポットとして伝えられていくことは間違いないでしょう。
そんな「浮御堂」へのアクセスですが、電車であればJR堅田駅で下車、その後江若交通バスに乗り換えて「堅田出町」バス停で下車してください。そこから徒歩約5分程です。また、土・休日のみ「浮御堂前」までバスが運行しますので楽チンです。また、堅田駅からはタクシーでも1メーターの距離ですのでバスが無ければタクシーも便利です。
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(2023/12/4更新)
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