名和昆虫博物館は、昆虫の形態や生態・害虫防除などを研究していた「財団法人 名和昆虫研究所」の付属施設として1919年(大正9年)に開館しました。
初代館長はギフチョウの再発見者として知られる名和靖氏。代々の館長は名和氏の子孫が務め、現在は5代目という日本で最も長い歴史を誇る昆虫専門の博物館です。
博物館を訪れてまず注目すべきは、その建物。約100年という歴史ある建物は「登録有形文化財」、岐阜市の「都市景観重要建築物」に指定されています。外観は白タイル貼りのギリシャ神殿風。ヨーロッパの雰囲気が漂いますね。
上写真の柱にある「昆蟲博物館」の看板をご覧ください。旧字体の「蟲」が使われていることからも歴史を感じます。
1階展示室の入口を入ってすぐには、子供たちに大人気のカブトムシとクワガタコーナーが。ガラスケースには実物標本がびっしりと整列。立体感があり、羽を広げた標本はまるで今にも飛び立ちそうです。
この博物館は展示をただ見るだけではありません。いたるところに「勇気のある人限定!!」「見ないと後悔するかもね!!」という、扉を開ける仕組みの隠れ展示も。中身は見てのお楽しみ。苦手な方はスルーすることもできますが、せっかく訪れたからには見てみたいもの。相当な覚悟と勇気を持って開けてみてくださいね。
ギフチョウは日本の固有種で本州の里山に生息するチョウ。近年個体種の減少が著しく、各地で保護活動が盛んに行われています。「ギフチョウ」という名は、初代館長の名和靖氏が命名したものです。
1階展示室の約3分の1を占めるギフチョウ特設コーナーには、ギフチョウの実物標本・産卵の様子や幼虫といった生態写真パネル・分布図などの展示が充実。生態展示もされており、動いている姿を観察することができます。
このほかに1階展示室には、世界の珍虫・奇虫、トンボなどの身近な昆虫、日本の美蝶コンテストなど、ユニークな展示が多数あります。
2階展示室はクイズコーナー。楽しみながら昆虫の世界を学ぶことができます。
階段を上ってまず目に留まるのが、ブルーのキラキラした壁一面の展示。近づいてみると…なんと!ブルーの金属光沢を持つチョウです。見事に整列した標本に、思わずため息がこぼれます。まるでアート、芸術作品ですね。
この実物標本は、アマゾンに中南米に生息するモルフォチョウ。世界で最も美しいチョウのグループの1つとして知られており、1キロ先からもその輝きが認められると言われています。自然の中で飛び回り、花の蜜を吸っている姿を見てみたいものですね。
クイズコーナーには全部で13問のクイズが。準備された解答用紙と鉛筆を持ちながら、1つ1つの展示に出題されている問題に答えていきましょう。
「カブトムシのオスとメスのペアを探せ!」という問題も。簡単そうと思いませんでしたか?それが意外に難しいのですよ。この他にも、子どもだけでなく大人も思わず「うーん」と唸ってしまうクイズがたくさん。親子で学びながら楽しむことができます。
解答もあるのでご安心を。クイズの用紙を館内にある応募箱に入れると抽選ですてきな商品が当たります。ぜひチャレンジしてくださいね。
現代では身近に見る機会が少なくなった昆虫たち。その生態を知るには昆虫専門の博物館はぜひ見ておきたいスポットです。実物標本は図鑑で見るのとは全く別物。強く印象に残り、より自然への興味が生まれそうですね。
沖縄県の小浜島には「名和昆虫博物館・はいむるぶし分室」があります。こちらは世界の珍しい昆虫に加えて、八重山エリア固有の昆虫も展示されています。
2017年は織田信長が岐阜城入城・岐阜命名450年に当たる年。2016年からプレイベントが始まっています。金華山の麓・岐阜公園内にあり、鵜飼いで有名な長良川もすぐ近くの名和昆虫博物館。岐阜を訪れる際に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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(2024/10/6更新)
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