北鎌倉駅から徒歩4分、四季折々の花が咲く「花の寺」として有名な東慶寺があります。
女性の側から離婚できなかった封建時代に、北条時宗夫人の覚山志道尼が開創した駆け込み寺、縁切り寺でもある東慶寺。このお寺に駆け込めば離婚ができるとされ、約600年にもわたり多くの女性を救済したと伝承されています。
入り口前の長い階段を見ると、ここを駆け上り、助けを求めてお寺の門をくぐった当時の女性たちの姿を、つい想像したくなります。
また、東慶寺は禅寺としての歴史もあり、当時の住職がその英語能力を生かし、禅を「ZEN」として世界に発信し、禅文化の発展の礎を築いたともいわれています。
本堂「泰平殿」には、本尊の釈迦如来坐像が祀られ、また境内奥にある墓苑には、歴代住職のほか、哲学者、文学者、実業家たちも多く眠っています。
東慶寺から山を挟んで隣りにある浄智寺へは、道なりに歩いて約7分ほど。路地を入った奥にあります。浄智寺は、鎌倉五山第4位の寺格を持つお寺です。
参道入口の石橋の先には、鎌倉十井のひとつ「甘露の井」があり、辺りは閑寂な空気に包まれています。豊かな緑に囲まれた境内では、紫陽花をはじめ四季折々お花が楽しめるので、まさに癒しのスポット。仏殿には、三世仏坐像(阿弥陀・釈迦・弥勒)が安置されています。
また、境内奥の洞窟には、鎌倉・江の島七福神の布袋さまが祀られていて、七福神巡りの札所にもなっています。布袋さまのお腹をなでると、元気がもらえるそうですよ。
浄智寺の次に向うのは、鎌倉五山第1位の建長寺。歩いて12分ほどですが、道なりに歩いていくと、目の前に大きく入口が見えてくるので、分かりやすいです。
建長寺は、日本最初の禅寺で、「けんちん汁」の発祥のお寺でもあります。重要文化財に指定されている仏殿には、本尊の地蔵菩薩像が祀られています。
また、関東最大の木造建築である法堂は、天井の雲龍図が有名ですが、この法堂には、千手観音菩薩とともに、パキスタン国から寄贈された釈迦苦行像が祀られています。
他にも、名勝史跡である日本最高の禅庭園や、漆塗りの輝く唐門など、見所がたくさん。建長寺の境内はとても広いので、滞在時間を多めに予定しておきましょう。
建長寺から道路を挟んで向い側にある円応寺。こちらは、十三佛信仰の元となる、死後に出会う十王を祀っているお寺です。
本尊の閻魔大王像は、別名「笑い閻魔」といわれており、その所以は、赤い大きなお顔が笑っているように見えるから。残念ながら、ご本尊を含め、境内は写真撮影がすべて禁止です。
懺悔文を閻魔大王様の前で合掌し、静かに三度唱えると、今まで犯した罪は全て許されるとのこと。懺悔文は、縁起(リーフレット)に書いてありますので、こちらのお寺で懺悔したい方は、忘れずチェックしてみてください。
円応寺から、さらに道なりに15分ほど歩いていくと、鶴岡八幡宮の西側に出ます。通常、鶴岡八幡宮を参拝する方は、鎌倉駅から若宮大路や小町通りを通って正面から入られる方がほとんどですが、北鎌倉方面からアクセスすると、鶴岡八幡宮の裏手、大型バスが乗り入れる鶴岡八幡宮の駐車場が最初に見えてきます。
鶴岡八幡宮は、鎌倉といえば一番に名前があがるほど知名度が高い、源頼朝ゆかりの神社。鎌倉武士の守護神を祀っています。
鶴岡八幡宮の正面参道、国の史跡である「段葛(だんかづら)」は、約1年半かけて大規模な整備工事が行なわれていましたが、2016年4月に無事工事も終了し、新しく生まれ変わりました。以前は土だった歩道が舗装され、桜の若木も新しく植えられ、明るくて歩きやすい道になっています。
段葛のある若宮大路や、並行して通る小町通りを海の方角へ歩いていくと、13分ほどでJR鎌倉駅へ到着です。
今回は、県道21号線(鎌倉街道)沿いに、北鎌倉駅から鎌倉駅まで歩いて、途中で立ち寄れる4つのお寺と鶴岡八幡宮をご紹介しました。
少し道は逸れますが、北鎌倉駅近くの円覚寺や、紫陽花寺として湯名な明月院を、このコースに含めても良いと思います。
ご紹介したコースは、のんびり歩いて5〜6時間のお散歩コースになります。ぜひ参考にして、北鎌倉駅・鎌倉駅周辺の風情あるエリアを散策してみてください。
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