写真:乾口 達司
地図を見るJR岡山駅からバスで十分足らず。京山と呼ばれる、標高わずか数十メートルの山の上にかつて子どもたちの楽園が存在しました。「岡山スカイガーデン」です。その前身は、昭和31年(1956)、岡山電気軌道によって作られた「京山ロープウェー遊園」。京山ロープウェー遊園は、平成10年(1998)、42年の歴史に幕を下ろしましたが、岡山県玉野市のおもちゃ王国が経営を引き継ぎ、翌年、岡山スカイガーデンとしてリニューアルオープン。しかし、平成19年(2007)、建物の老朽化を理由として、岡山スカイガーデンも閉鎖されました。
遊園地の本体が京山の山頂一帯に広がっていたため、地上と山頂とを結ぶ交通手段として、京山ロープウェーは設置されました。遊園地を訪れる家族連れの多くが京山ロープウェーを利用して遊園地を訪れており、子どもたちにとって、京山ロープウェーは遊園地への欠かすことの出来ない交通アクセスであったといえます。しかし、岡山スカイガーデンの閉鎖にともない、京山ロープウェーも閉鎖。ゴンドラやワイヤーなどは撤去されましたが、有り難いことに、現在も地上・山頂ともに当時の駅舎が残されています。写真は地上駅の全体像を撮影したものですが、保存状態も良く、廃墟好きにはたまらない存在であるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は地上駅の足元に残されているチケット売り場。遊園地を訪れる家族連れはかつてここで入園料を払い、ロープウェー乗り場へと向かったのでした。こちらの保存状態も良好。もちろん、窓口が開くことはありませんが、これだけ保存状態が良いと、事情を知らない人はたまたま休園日で閉まっているようにしか見えないのではないでしょうか。
写真:乾口 達司
地図を見るチケットを購入した家族連れは、階段を上がり、乗り場へと向かいました。写真は乗り場へと続く歩道。最盛期にはゴンドラ待ちの大行列が出来たことでしょう。歩道には白と赤の四角の囲みが描かれていますが、ゴンドラに乗り込むまでのあいだ。行列のなかの子どもたちはその四角囲みを使って「けんけんぱ」に興じていたのではないでしょうか。そんな光景が目に浮かんで来ませんか?
写真:乾口 達司
地図を見る先に記したように、京山ロープウェーの廃止にともない、ロープウェーによって山頂へと登る手段は途絶えました。しかし、代わりに登山道が整備され、徒歩で山頂まで登ることが出来ます。登山道の入口は地上駅の跡地の正面にあり、徒歩十分あまりで山頂に到着です。
登山道はそのまま山頂駅の構内へと続いているため、山頂駅のなかに立ち入ることも可能です。嬉しいことに、構内には「山頂駅」などの案内板がそのまま残されています。ゴンドラやワイヤーなどはなくなっていても、これだけしっかりした状態で残されていると、在りし日の山頂駅の賑わいをご自身の想像力で補うことは充分に可能でしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る山頂に残るのは、何も山頂駅だけではありません。山頂駅の裏手にあるこの円筒形の建物は、遊園地時代の貴重な遺構。遊園地時代は「京山タワー」と呼ばれ、展望台やレストランとして利用されていました。現在は「京山ソーラー・グリーン・パーク」と呼ばれ、集光型太陽光発電システムと植物工場とを連携させた研究・生産施設となっていますが、遊園地時代のシンボルがいまなお山頂に残っているのは、当時、遊園地で遊んだ方には懐かしいはず。過去と現在、日常と非日常とが共存する不思議な感覚を抱く方も多いのではないでしょうか。
京山ロープウェー跡の魅力、おわかりいただけたでしょうか。JR岡山駅からのアクセスも快適である上、すぐ横には岡山市を代表する動物園である池田動物園もあるため、家族連れの方は池田動物園とセットで訪れるのも良いでしょう。もちろん、ハイキングがてら、京山登山を楽しむのも一興。山頂に広がっていた遊園地まで、子どもたちの夢や憧れを運んでくれた京山ロープウェーの痕跡をたどり、廃墟としての魅力をご堪能下さい。
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(2025/1/17更新)
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