気分はお殿様!?長野県飯田「天空の城 三宜亭本館」は城跡にある温泉!

気分はお殿様!?長野県飯田「天空の城 三宜亭本館」は城跡にある温泉!

更新日:2016/06/17 09:52

野水 綾乃のプロフィール写真 野水 綾乃 温泉旅ライター、ひとり湯治愛好家、栃木のいいとこ案内人
長野県南信地方の中心都市である飯田市は、飯田城の城下町として古くから栄えた街。その、かつて飯田城があった場所になにがあるかというと、実は温泉旅館「三宜亭本館」が建っているんです。南アルプスの山々と城下町の街並みを見渡す高台からの景色は、かつてのお殿様も眺めたであろう景色。天然温泉の露天風呂に浸かり眺めれば、「絶景かな、絶景かな」と城の主にでもなったかのようなセリフが思わず口をついて出てしまうかも。

「天空の城」にふさわしい丘の上に建つ

「天空の城」にふさわしい丘の上に建つ

写真:野水 綾乃

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JR飯田駅から歩いて20分ほど。かつての本丸跡である長姫神社の鳥居をくぐった先に、飯田城温泉「天空の城 三宜亭本館」はあります。

飯田城は、本丸、二の丸、三の丸など、いくつかの曲輪が集まって構成されていました。三宜亭本館が建つのは「山伏丸」があった場所。築城以前に修験者(山伏)の修行所があったことから、その名が付いたそうです。段丘の東の突端にあたり、伊那山脈と南アルプスが一望できます。「天空の城」の名にぴったりの景色が広がっています。

南アルプスと城下町を見渡す「空中露天風呂」

南アルプスと城下町を見渡す「空中露天風呂」

写真:野水 綾乃

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地下1300mより湧き出す天然温泉を満たした自慢の大浴場には、空中檜露天風呂が付いています。遠くには北岳、赤石岳などの南アルプスの山々が連なり、見下ろせば城下の街並みが広がります。ゆったり入っていられるぬるめの温度で、しばらく眺めていたくなるでしょう。街の明かりがきらめいて見える夜の入浴も格別です。

地元客にも人気が高い「美人の湯」

地元客にも人気が高い「美人の湯」

写真:野水 綾乃

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180度パノラマの景色が広がる大浴場からも南アルプスの山並みが見渡せます。

温泉はpH9.87の強アルカリ性単純温泉で、ややトロミのある美肌の湯です。南信地方の温泉はお湯を循環させている施設が多いのですが、三宜亭本館は自家源泉という強みもあり、湯使いにも工夫が見られます。温度を一定に保つ必要と、湯の透明性を高めるために循環ろ過を併用させてはいますが、湯口からは常に新しい湯が多量にかけ流されています。中には飲泉が可能な湯口もあります。温泉が飲めるということは、生きた温泉が注がれている証なのです。

泉質の良さを知ってか、地元の日帰り入浴客にも大人気の温泉です。

飯田城本丸跡にある神社には温泉の手水が!

飯田城本丸跡にある神社には温泉の手水が!

写真:野水 綾乃

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三宜亭本館の入口前には、飯田城の本丸跡に建立された長姫神社があります。ここで珍しいのが、参拝前に手を清める手水舎が温泉なこと! 三宜亭の源泉を引き込んだもので、ほのかに温かい温泉が優しく手を清めてくれます。

飯田城の遺構を探して歴史散歩

飯田城の遺構を探して歴史散歩

写真:野水 綾乃

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三宜亭本館に泊まったら、飯田城の面影を探して周囲を歴史散歩をしてみましょう。城の遺構は明治維新後に徹底的に壊されてしまったため、ほとんど残っていませんが、貴重な遺構が宿の近くに残されています。それが写真の「赤門」。正式には「桜丸御門」といい、桜丸の正門として江戸時代の宝暦4年に建てられたものです。

赤門といえば、東京大学にある加賀藩前田家の江戸屋敷の門が有名なように、大大名しか格式の高いベンガラ塗りは許されていませんでした。飯田藩はわずか2万石の藩でしたが、10代藩主が将軍の御用人と老中格を兼ね、高い官位を与えられていたため、格式ある赤門の使用が許されたそうなのです。今も鮮やかな朱色をたたえた門が、独特の存在感を放っています。

リーズナブルな宿泊料金も魅力

三宜亭本館は宿泊料金もリーズナブルで、1泊朝食や素泊まりプランなら1万円以下で宿泊できます。飯田の繁華街までも歩いてすぐですので、夕食は飯田ならではの名物料理を外で楽しむのもおすすめ。深夜から朝にかけては日帰り入浴客がいないので、ゆったり温泉に浸かれるのも宿泊者の特権です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/06−2016/06/07 訪問

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